映画と渓流釣り

物忘れしないための処方箋

百人一首 かるた大会

2020-01-26 20:21:23 | お遊び
難波津に 咲くやこの花 冬ごもり 今を春べと 咲くやこの花

千早ぶる 神代もきかず龍田川 からくれなゐに 水くくるとは



今年もまたかるた大会を観に行った。
高校生と大学生が殆どだと思うけど、若い子たちの真剣な眼差しが熱い。



朝9時から決勝までなら12時間も切れ目なく戦わなくちゃならない。
体力と集中力が無けりゃ絶対無理な競技だ。男も女も無く、体重身長も関係ない面白い。



4回戦から準々決勝までの観戦でもうクタクタ。
来年はベスト8から観戦しようかな。こっちの体力と集中力が持たない。

良い女優の条件

2020-01-25 08:14:00 | 旧作映画、TVドラマ

最近良い女優の目安にしてるのは、コメディが自然に演じられることです。
コメディ映画やドラマに出ているからって、うまく演じられているわけではないのでそこは見極めないとならないけど。
現在脂ののっている女優もやっぱりその類にスッポリ嵌ると思うんです。

綾瀬はるか 
TVドラマで主演すれば大体高視聴率がとれますし、作品の質も高いものが多いですよね。最近作「奥様は取扱注意」「義母と娘のブルース」然り。スタッフに恵まれているのは間違いありません。それでも、彼女の浮世離れした役どころは地の天然キャラ要素もあるのでしょうが、醸し出される可愛らしさと可笑し味を感じます。

石原さとみ
小悪魔系のキャラから少し離れて、サバサバしたべらんめぇ調のキャラクターが確立された感があります。「シン・ゴジラ」や「校閲ガール」ではその男勝りな気風の良さが魅力的だったけれど、最近のドラマ二本は出来の悪さもあってか些か食傷気味です。ファッショナブルで美しいから愛でるだけでも良いのかもしれませんが、演技力はありますので何だかもったいないです。

長澤まさみ
自然の笑顔が似合う女優なので、元来コメディに向いているのだと思います。このところTVも映画も精力的に出演してますが、「銀魂」「コンフィデンスマンJP」といった映画作品の中で伸び伸びと楽しんでいるように感じます。もう少し作品を選んだ方がいいとも思いますが、出し惜しみしているうちに旬が過ぎてしまう女優もいますので良いのかもしれません。

新垣結衣
コメディ女優としては彼女が抜きんでているかもしれません。コスプレ的な楽しさをみせてくれた「掟上今日子の備忘録」、同じ野木亜紀子脚本「逃げるは恥だが役に立つ」では当て書きされただろうキャラクターと新垣結衣の庶民的な可愛らしさが同調してドラマ史に残るような傑作になりました。映画「ミックス。」もライトな感覚でコメディの良さを演出してます。


良い女優とは、決して演技力があって賞なんかも沢山貰うのとは違うと思うんです。
上手く説明出来ませんが、観ている人に恋心を抱かせてくれる女優じゃないでしょうか。鬼気迫る役とか汚れ役とかを神懸かり的に演じるのではなくて、こんな可愛い女の子がいてくれたらなぁと男ならボンヤリ憧れちゃうそんな存在。そんな女優が良いんです。




最後の手紙 喪失感からの再生

2020-01-25 07:55:00 | 新作映画

失くしたものへの愛着は失くしたからこその思いが積み重なっているからそこそこ重い。

よく言われることだけど、女は次の恋をすることで前の恋を忘れることができるけど、男はそれこそ女々しいからそれはそれで消えない思いとして残っているんだそうだ。う〜ん。女になったことがないから女の事はわからないが、確かに男の心の中にはそれぞれの部屋があって、いつまでもちゃんと区別して保管してはある。だからと言って、高校生の時に好きだった女の子の事を今でも思い続けているということではないけど。

25年前の名作「LoveLetter」と全く接点はないけれど、題材としては同じく喪失感からの立ち直りの物語だ。今回の作品が違うのは若き女性が失くした恋から立ち直る前作に対して、中年男の再生が描かれていることだ。多分に前作の方がロマンチックであるが、男のわたくしとしては青春時代の呪縛から放たれる「LastLetter」の方に感情移入してしまった。自分が中年男になってるからかもしれないけど。
「LoveLetter」の最後の方で、恋人を山で亡くした中山美穂が、雪山に向かって「元気ですか!私は元気です!」と叫び気持ちの踏ん切りをつけてゆく。傍らには新しい恋の準備(トヨエツ)が整っているから、思い残すことなく新しい道(彼女の前には無垢の雪原が広がっている)を進んでいけるだろう。
それに比べ福山雅治演じた中年男は面影を宿した愛した女性の娘に会い、愛した人の遺影や高校時代に書き綴り届けたラブレターの束が大切に保管されていたことで踏ん切りをつけようとする。前述したように消してしまうのではなく、部屋の扉を閉じて生涯保管するだけだけど。

ロケーションがやっぱりこの映画を優しくさせている。仙台や白石市が舞台になっている。地方都市の空気感がとても良い。監督のふるさとだから一層優しい映像になっているのかもしれない。
良く考えてみれば、筆跡が違うので二人の人が手紙を書いていることに気が付くはずだし、やり取りの中でのチグハグさも出てくるだろうけど、そんな微々たるシチュエーションには目を瞑ってしまおう。
岩井俊二の感性の繊細さを堪能しよう。こんなにも心が揺れ動く物語を衒いなく描いてしまう。儚くて次の瞬間には見えなくなってしまうかげろうの様な感情を掬い取ってみせてくれる。今年は年頭から良い映画を観てるな。

役者の使い方とその期待に応えた演者も素晴らしかった。
松たか子が亡くなった姉のことを伝えようと、姉の同窓会に参加することから物語は展開し始める。姉のことを伝えられず帰途につく心情がうまく伝わる。かつて恋心を抱いた先輩との文通も、いかがわしさと淡い思い出との狭間を上手い塩梅で演じている。メールのやり取りを夫に勘違いされてスマホを壊されたから手紙を出すことになる仕掛けも良く出来ている。女房のスマホを風呂に投げつける庵野秀明も面白い。
冴えない中年男を福山雅治が弱弱しく演じていて良かった。高校生時代を演じた神木隆之介がそのままうらぶれた大人になった感がする。いつものクールで堂々とした福山を出してしまうとこの作品の喪失感は描けなかったと思う。
そしてこの映画を透明感のある優しい作品にしたのは、広瀬すずと森七菜の二人だ。夏の日差しの中、軽やかなワンピース姿で犬の散歩をする二人は岩井俊二の少女趣味を具象化する美しさだ。広瀬すずの上手さはもう周知のことだけど、高校時代の亡くなった姉を演じる彼女はきっと誰もが好きになっちゃうくらいマドンナ然としていた。本当に可愛い。驚いたのは森七菜の存在感。小動物のような容姿なのにこんなに大きな演技をする女優だったんだ。広瀬すずのような分かりやすいオーラはないけれど、思春期にしか醸し出せない少女の魅力にあふれていた。
前作のヒロイン中山美穂と相手役豊川悦司の使い方も面白かった。木内みどり、水越けいこ、小室等らもうまい配役だった。

喪失感からの再生 言うほどには簡単ではない