珍しく奥様が邦画を観ると言うので、横浜黄金町のジャックアンドベティに行ってきた。激しく雨の降る夜、こんな地味な映画を黄金町に観に来る人は少ない。一人なら絶対心折れて家でビール飲みながら撮りだめている録画を観ている事だろう。
重松清原作、荒井晴彦脚本だったんだ。と、クレジット観て知った。その位前知識無しで触り始めると、ちょっとだけ心許ない演出も不快ではなく、小さな家庭の疼く様な痛みにはまっていけた。複雑な家庭(家族)があることは分かっているけど、自分も奥様もごく普通(それ自体がもう無いのか)の家庭に育ち、今もそれなりに仲良く家族をやっていると実感として分からないでいる。若い頃なら再婚とか違う子育てとかもやれるのだろうけど、自分であるなら一回失敗したら絶対結婚なぞ二度としない。ましてや腹違いの子供を欲しいとは思えない。それも相手も再婚子連れ、考えられないな。
「幼な子われらに生まれ」
凄い題名だと思うし、そのまま映画のタイトルに使ったのも勇気ある。この題名で客は呼べないだろう。重松清の小説はかなり読んでるけど、この作品知りもしなかった。いくら重松清でも、余程ヘビーなファンじゃ無いと原作での集客力は弱いだろう。浅野忠信も田中麗奈も良い熟れ頃の役者ではあるが地味なことは否めない。監督なんか全くノーマークだし、荒井晴彦の好き勝手な映画にできたんじゃないだろうか。
重松清原作、荒井晴彦脚本だったんだ。と、クレジット観て知った。その位前知識無しで触り始めると、ちょっとだけ心許ない演出も不快ではなく、小さな家庭の疼く様な痛みにはまっていけた。複雑な家庭(家族)があることは分かっているけど、自分も奥様もごく普通(それ自体がもう無いのか)の家庭に育ち、今もそれなりに仲良く家族をやっていると実感として分からないでいる。若い頃なら再婚とか違う子育てとかもやれるのだろうけど、自分であるなら一回失敗したら絶対結婚なぞ二度としない。ましてや腹違いの子供を欲しいとは思えない。それも相手も再婚子連れ、考えられないな。
「幼な子われらに生まれ」
凄い題名だと思うし、そのまま映画のタイトルに使ったのも勇気ある。この題名で客は呼べないだろう。重松清の小説はかなり読んでるけど、この作品知りもしなかった。いくら重松清でも、余程ヘビーなファンじゃ無いと原作での集客力は弱いだろう。浅野忠信も田中麗奈も良い熟れ頃の役者ではあるが地味なことは否めない。監督なんか全くノーマークだし、荒井晴彦の好き勝手な映画にできたんじゃないだろうか。
有名なノルマンディ上陸作戦を描いた映画はたくさん観てきた。米英の連合軍が多大な犠牲を払ったが、結果としては勝利したから物語にもなる。俄か知識でダンケルクの戦いをお浚いすると、ドイツ軍優勢の序盤戦、イギリス軍の撤退とフランス軍の敗北の歴史らしい。そんな負け戦を題材にしているから勇猛果敢な映画では無い。やっぱり作戦の失敗を描いた「遠すぎた橋」に雰囲気は似ている。あの作戦もイギリス軍がメインだったと思い出す。高校生の頃楽しみに観に行ったのに、ジリ貧になる戦闘はスカッとしたオールスターキャスト映画を期待していただけにガッカリものだった。
だからと言って、この作品にケチをつけるつもりはない。浜辺と海と空でやり取りされる命の物語は、過激なシーンを割愛する事で、静謐な戦場の恐怖を観せてくれる。
ノーランの作品が独特なのは時間軸を紡ぐ事で、別角度からの視線や視点を共有できる事だ。今回の作品は陸から逃げ惑う兵士と救助に向かう海上の船乗り、それを援護する空飛ぶ飛行士の時間を体験できる。それぞれが独立しながら徐々に大きな流れに合流して行く演出は見事で、非凡さを思い知るばかりだ。前作が大好きだったのであれ以上とまでは思い入れできないけれど、いちいちイギリス人のこだわりをみせるあたりも風格を感じさせる作品に仕上がった。
今年の天候不順な夏同様、この一月心身ともに不調。
是枝作品なので見過ごす事はできないから、初日初回の鑑賞。
ドキュメンタリータッチが真髄だと思うけど、海街然り、作劇も風格ある本格派だなと改めて感心した。弟子の西川美和が前作で家族を正面から描き、師匠に似てきたなと思ったら、師匠はホームドラマから離れた作品を発表するなんて面白い。
法廷劇と宣伝されている様だけど、そんなに直球じゃ無い。まあ、ありきたりな角度でしか映せない被告人との面会シーンも、上手くアクリル板に反射するの陰影を重ね、弁護人との埋められない溝を観せてくれる。テレビに毒されてしまった脳味噌には、その藪の中がもどかしいのだろうけど、多分、白でも黒でも無い曖昧さが真実なんだと思う。と言うか、そう映画は語っている様に思えた。
父親にレイプされていた少女を救うための殺人だと映画が断言してしまえば、至極座り心地の良い物語になって、犯人の情状を慮った日本的伝統芸能の後継作品になるところだった。あの名作「砂の器」みたいに。でも、なんかそうなっちゃったら幻滅しただろうな。なんか、陳腐な落とし所過ぎて、リアリティと言うより引き算して残った理由がそうでした。みたいな。食品偽装は旬じゃ無いけど、よほど説得力あるし、斉藤由貴が悪妻(ちょうど今不倫報道でこちらは旬)の濡れ衣被るのも納得。
役所広司は上手だと再認識。嘘か本当かの二択以外を演じることが出来るんだ。福山雅治のガリレオっぽい青さでは太刀打ちできない。割りを食ったのは、広瀬すずも同じ。彼女の良さは封印されてしまった。
是枝作品の温かさは無いけれど、久しぶりにドップリ映画に浸かった。