今年も梅雨の時季になりましたね。
嫌う方が多いのですけど、私は好きです。
渓流釣りを趣味にしているからでしょうか、雨は生き物を元気付けてくれるようで、こちらもエネルギーに満ちてくるのです。真夏の太陽がやってくるまでのひと時、息を潜めながら雨の季節を楽しみましょう。
紹介する映画は「いま、会いにゆきます」
この後、竹内結子 ずっと好きだなぁ
たっくんが誕生したのは、この映画があったからです。
年中飲み歩いていて、真直ぐ家に帰らなかった頃、この映画に出会いました。
そんな荒んだ生活の最中でも、愛する人を失ってしまう悲しさに涙が止まりませんでした。
わたくし、奥様を嫌いになっていたわけではありませんでしたが、敬遠した生活を長くおくっておりました。夫婦間の会話もあまり無く、ひんやりした関係だったと思います。
いつかは死という別れを経験せねばならない運命なら、せめて愛する人とは素直で良好な間柄でいたいと痛烈に感じたものです。だから、その気持ちを素直に奥様に伝え懺悔し、もう一度仲良しになってもらいたいと懇願いたしました。
奥様もわたくしの想いを汲み取ってくれ、二人は昔のように手を繋いでデートできるまでに関係改善したのです。その延長線上にたっくんの誕生があるわけです。
たっくんはお姉ちゃんお兄ちゃんから十数歳離れていますが、誕生は偶然ではなく必然であったのです。
幽霊女優と陰口を叩かれていた竹内結子ならではの役です。
デビューした頃はショートカットだったこともあり、ボーイッシュで元気な女の子のイメージでした。「黄泉がえり」もどちらかといえば(明るく元気)でしたが、「天国の本屋」の幽霊は髪も長く儚げな女性を演じ、この作品のヒロインにつながっていきます。わたくしは元気いっぱいな結子さんより、おっとり儚げにうつむく結子さんが好きです。「春の雪」「クローズドノート」「僕と妻の1778の物語」一番美しい時に沢山映画に出てますね。
物語も勿論好きですが、脚本が大変上手く作られています。
何故、死んだ筈の奥さんが会いにいったのかが、下手な説明口調になっておらず、物語の最高の見せ場になりました。ここを詳しく話してしまうと、これからご覧になる貴方が興醒めしますので多くを語りませんが。日本映画にありがちな無理くりな設定じゃないのも好印象です。特に感心したのは消え逝く瞬間の描写でした。梅雨の終わりとともに去って行くというのもわたくし的には受け入れやすく、雫の落ちた波紋の中に映した姿が揺れながら無くなって幸せな日々に終止符がうたれます。
名作傑作では無いけれど、わたくしにとって大切な作品のひとつです。