久し振りに映画の連チャン
20分の間隔で2時間の映画を観るのも結構疲れる
2本目は波紋
遠雷の音がするある日の夕方、庭の花に水やりをしていた夫が蒸発する。一人息子は遠く離れた地で就学就職をして、郊外の立派な家の居間には新興宗教に捧ぐ祭壇と自分を浄化させてくれるという水のボトルが並ぶ。発端が東日本震災である必要性はコロナ禍を経験した今となってはやや陳腐かもしれない
新興宗教の集会で踊る奇天烈な動きが荻上作品らしいと言えるか
更年期障害に苦しむ主人公のもとに蒸発していた夫が帰ってくる。癌を患っているから保険適応外の薬代をせがまれ、一滴ずつ落ちる点滴に合わせ金額を呟くのも面白い演出だった
夫が凝っていた色取り取りのガーデニングは単色の枯山水になっていて、水がないのに波紋が描かれている
ご近所の猫もパート先のクレーマーも心に小さな波紋を作る。夫は安寧な生活を乱し、在ろう事か突然帰省した息子は6歳年上の難聴女性と結婚すると言う
夫が死んで、また一人になった彼女の心に何が去来するのか
わたくしには分からない
半径の狭い映画がダメなわけではなくて、それを普遍的に描けないと一部の人にしか刺さらない作品になってしまうという事だ。そこがかもめ食堂との決定的な違い
筒井真理子、光石研、磯村勇斗 みんな上手い
木野花の充実ぶりも何かの賞で喧伝されると良いな
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