盛岡市玉山区好摩の夜更けの森園地に啄木歌碑がありますが、すぐ裏の稲荷山山頂にも昭和35年に建立された啄木歌碑があります。夜更けの森園地の裏側に坂道があり、木の階段になっている。この山の頂上には御影石でできた歌碑があり、石碑の文字は妹光子の文字で書かれている。啄木がいた当時の好摩駅周辺は、一面原野だったようです。
夜更けの森園地の歌碑と後方の稲荷山
稲荷山山頂の啄木歌碑
霧ふかき好摩の原の
停車場の
朝の虫こそすずろなりけれ
啄木
停車場の
朝の虫こそすずろなりけれ
啄木
この歌は、啄木歌ノート(明治43年8月3日―4日)にあり、東京朝日新聞(明治43年8月11日)に発表し、スバル(明治43年11月号)、一握の砂に掲載
啄木が往来のたびに親しんだ好摩駅を詠んだ歌で、昭和35年6月に地元有志の手によってこの山頂に建てられた。碑文は啄木の妹、三浦光子さんの書を刻んだものです。
当時は澁民駅はなく好摩の荒れ野にポツリと建った好摩駅が交通の関門であり駅に降りたった光景は「好摩の原の停車場」そのものの感であった。この歌は啄木の数多い思郷歌の中でも特に詩情をそそる一首である。この歌碑の建つ山頂からは、前方に姫神山そして後方には岩手山が望まれ、その眼下には好摩が原一帯を見渡すことができ、その田園を一線に走る列車は趣き深く絶景の場所である。(案内板)
稲荷山から見た姫神山
好摩駅と姫神山
夜更けの森園地から好摩駅までは歩いて10分ほどです。