たかしの啄木歌碑礼賛

啄木の歌碑並びにぶらり旅等を掲載いたします

チャグチャグ馬コ

2013-06-09 | ぶらり盛岡
鬼越蒼前神社    岩手県滝沢村鵜飼鬼越
毎年6月に行われる「蒼前様」を信仰とするお祭で、100頭ほどの馬が、滝沢村の蒼前神社から盛岡市の八幡宮まで13キロの道のりを行進するお祭です。馬のあでやかな飾り付けとたくさんの鈴が特徴で、歩くたびにチャグチャグと鳴る鈴の音が名称の由来といわれています。
もともと旧暦の5月5日に行われていましたが、農繁期と重なるため昭和33年から新暦の6月15日に、平成13年からは、6月の第2土曜日に開催されている。昭和53年には国の無形民俗文化財に認定され、平成8年には、馬の鈴の音が環境省の「残したい“日本の音風景100選”」に選定されている。
「蒼前」とは、諸説あるようですが、俗に遠い昔、東北地方に住んでいた病馬の治療や農耕技術の巧みな馬匹育成者の名前といわれており、鬼越の蒼前神社には農業の神・馬の守り神として男子騎馬像の蒼前様が祀られている。

2013年のチャグチャグ馬コは6月の第二土曜日にあたる昨日8日に行われました。盛岡の最高気温は27度まで上がり暑い日でしたが、どんよりとした気候で岩手山が顔を出さず、岩手山を背景にしたチャグ馬を撮れず残念でした。蒼前神社までは盛岡駅から5分間隔でシャトルバスが出ていましたので私もそれに乗って行きました。馬コは蒼前神社に集まり9時半に神社を出発、蒼前神社→夕顔瀬橋→材木町→旭橋→盛岡駅→開運橋を渡り市内中心部を通り八幡宮までの13kmの道のりです。



蒼前神社



蒼前神社での準備





いよいよ出発





夕顔瀬橋



材木町






旭橋



盛岡駅



開運橋





なお、宮澤賢治の「ちゃんがちゃがうまこ」の詩碑が賢治が学生時代に下宿した家の井戸水、賢治水の傍に建立されています。ここは中津川に架かる下の橋(しものはし)のすぐそばです。



下の橋から見た賢治水と賢治詩碑



賢治水と詩碑



賢治の詩





ちやんがちやがうまこ
        
宮 澤 賢 治   自 筆

夜明げには
まだ間あるのに
下のはし
ちやんがちゃがうまこ見さ出はたひと。

ほんのぴゃこ
夜明げがゞった雲のいろ
ちゃんがちゃがうまこ 橋渡て來る。

いしょけめに
ちゃがちゃがうまこはせでげば
夜明げの為が
泣くだぁぃよな氣もす。

下のはし
ちゃがちゃがうまこ見さ出はた
みんなのながさ
おどともまざり。

宮沢賢治詩碑建立実行委員会
平成十一年一月吉日










盛岡のカキツバタ群落

2013-06-06 | ぶらり盛岡
カキツバタ群落    盛岡市山岸字大坪地内

岩手県指定文化財(天然記念物)の「山岸のカキツバタ群落」の花が咲いております。満開になると10,000個ほどの花が咲くそうです。まだ3分咲きぐらいですので6月8日(土)~9日(日)あたりが見ごろでしょう。この場所は国道4号線盛岡バイパスの北山トンネルをくぐり国道45号線の岩泉街道沿いにあり、北山トンネルから4kmほどの所です。盛岡駅からでしたらバスで松園営業所行きに乗り、終点の松園営業所で降り、歩いて5分ほどです。


















なお、6月8日(土)は盛岡の初夏の風物詩「チャグチャグ馬コ」の日です。彩り鮮やかな装束をまとった約100頭の馬コが、街中に鈴の音を響かせます。
毎年6月の第2土曜日、盛岡の隣村滝沢村の蒼前(そうぜん)神社から 盛岡八幡宮まで約13キロの道のりを約4時間かけて行進する盛岡の初夏を代表する祭りです。 100頭近くの馬が色とりどりに華やかに着飾り、鈴の音を響かせながら進む、馬が主役の珍しい行事です。1978年には,国から「無形の民俗文化財」に選ばれ、1996年には鈴の音が環境庁より「残したい日本の音風景百選」に選ばれました。
盛岡駅からでしたら、駅前も通りますが、旭橋をわたり材木町に行かれると良いでしょう。駅から歩いて10分ほどです。材木町には12時5分に着き、ここで20分ほど休みますので、写真撮影などもゆっくりできます。その後材木町を12時25分に発ち盛岡駅前を12時35分頃通り最後は盛岡八幡宮に13時30分に到着します。




開運橋を渡るチャグチャグ馬コ(2011.6.11)




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啄木の歌 

 森ゆけば酒息すなる白髪の蝦夷(あいぬ)に逢ひぬ月の光に

匿名
 
小樽日報 明治40年10月15日号、『藻しほ草』の題で21首(その4)    

匿名で掲載されているが啄木の歌といわれている

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啄木夫婦の歌碑

2013-06-02 | ぶらり盛岡
盛岡の気温は株価の変動のように変化が大きく体調管理が大変です。各地ともそうなのかもしれませんが。
盛岡には啄木、節子の歌が並んで刻まれている歌碑が二つあります。一つは岩手大学構内にある植物園の歌碑です。
岩手大学植物園の一部に節子が生まれた家があったということがわかり、岩手大学では当時の井戸を復元し、井戸に蓋を設け、その蓋に啄木の歌、節子の歌を刻みました。




節子の井戸




ある日、ふと、やまひを忘れ、
牛の啼く真似をしてみぬー
妻子の留守に。
啄木  

ひぐるまは焔吐くなる
我がうたにふと咲き出でし黄金花かな
節子  




6月1日(土)は岩手大学の開学記念日ということで、ここ植物園で開学記念園遊会が行われ、アトラクションとして岩手大学マンドリンクラブの演奏が行われていました。



岩手大学資料館(植物園前)前での演奏会


留学生のゾルザヤさんの演奏



資料館の案内板




もう一つは岩山にある啄木夫婦の歌碑です。岩山は盛岡中心部から近いので高校生がクラブのランニングで来たり、早朝の散歩の方、山菜とりの方等多くの人が利用しています。展望台からは盛岡が一望できます。盛岡に来た時にはぜひ訪ねてみてください。




残雪の岩手山を望む歌碑





汽車の窓
はるかに北の故郷の
山見えくれば襟を正すも
石川啄木



光り淡く
こほろぎ啼きし夕より
秋の入り来とこの胸抱きぬ
石川節子

大谷二刀流デビュー

2013-05-26 | ぶらり盛岡
プロ野球はセパ交流戦に入り、大谷君がプロ野球で二刀流デビューしました。これまで打者としては出場していましたが、23日のヤクルト戦は投手としてのデビューでした。最速157キロ、投球数86球のうち半分は150キロ以上だったとのことです。高校生だった昨年の岩手県大会で160キロを出した試合を私も見ましたが、素晴らしいですね。これから投手としての出場回数が増えると160キロを超える球数が数多く見られるのでしょうね。今日26日は阪神との試合で、阪神は藤浪君が先発のようですので打者大谷君との対決を見たいですね。こちらではこの対戦のテレビ放送がないようなので見られませんが。
昨年の岩手県大会での写真を載せますが、フォームは同じでしょうか。




第73回高校野球岩手県大会(2012.7.26)














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啄木の歌 

 秋の月まどかに澄めばふるさとの発句の翁が軒し忍ばゆ

匿名
 
小樽日報 明治40年10月15日号、『藻しほ草』の題で21首(その2)    

匿名で掲載されているが啄木の歌といわれている

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上坊牧野の一本桜

2013-05-23 | ぶらり盛岡
上坊(うわぼう)牧野の一本桜   岩手県八幡平市松尾寄木

盛岡の桜は散ってしまい、盛岡近傍での満開の桜はここだけです。5月17日の早朝に訪れた時には“つぼみ”でしたが、22日は満開でした。小岩井農場の一本桜は全国的に知れ渡っておりますが、ここ上坊の一本桜も最近多くの人に知れわたり今日も品川ナンバーの車の人など多くの人が残雪の岩手山を背景にした一本桜を撮影していました。小岩井農場の一本桜の撮影場所は一か所なので同じ角度からの写真になりますが、上坊の一本桜はすべての角度から撮れるので楽しみです。去年は13日あたりが満開でしたので今年は10ほど遅れています。ここの桜はカスミザクラといい、満開から2~3日で散ってしまうということですので、次の日曜日まではもたないでしょう。



(2013.5.22)







盛岡からは東北自動車道西根I.C.の手前を左折し10kmほど進むと焼走り熔岩流があり、そこから200mに焼き走り温泉、さらに4kmほど進むと上坊牧野です。

焼走り熔岩流(やけはしりようがんりゅう)は、岩手県八幡平市にある、岩手山中腹から流出した溶岩流により形成された岩原である。国の特別天然記念物に指定されている。その面積は149.63ヘクタール、溶岩流の延長は約4キロメートルで、その中には散策路があり自由に見られます。なお、焼走り溶岩流が形成された火山活動の年代は300年ほど前といわれています。













溶岩流の中の散策路とは別の散策路がありその終点には、見晴らし台があり、ここからも溶岩流を見ることが出来ます。そこには当地を訪れた宮沢賢治による詩、「鎔岩流」の碑が建てられています。










  溶岩流     宮沢賢治

喪神のしろいかがみが
薬師火口のいただきにかかり
日かげになつた火山礫堆(れきたい)の中腹から
畏るべくかなしむべき砕塊熔岩(ブロツクレーバ)の黒
わたくしはさつきの柏や松の野原をよぎるときから
なにかあかるい曠原風の情調を
ばらばらにするやうなひどいけしきが
展かれるとはおもつてゐた
けれどもここは空気も深い淵になつてゐて
ごく強力な鬼神たちの棲みかだ
一ぴきの鳥さへも見えない
わたくしがあぶなくその一一の岩塊(ブロツク)をふみ
すこしの小高いところにのぼり
さらにつくづくとこの焼石のひろがりをみわたせば
雪を越えてきたつめたい風はみねから吹き
雲はあらはれてつぎからつぎと消え
いちいちの火山塊(ブロツク)の黒いかげ
貞享四年のちひさな噴火から
およそ二百三十五年のあひだに
空気のなかの酸素や炭酸瓦斯
これら清洌な試薬(しやく)によつて
どれくらゐの風化(ふうくわ)が行はれ
どんな植物が生えたかを
見ようとして私(わたし)の来たのに対し
それは恐ろしい二種の苔で答へた
その白つぽい厚いすぎごけの
表面がかさかさに乾いてゐるので
わたくしはまた麺麭ともかんがへ
ちやうどひるの食事をもたないとこから
ひじやうな饗応(きやうおう)ともかんずるのだが
(なぜならたべものといふものは
 それをみてよろこぶもので
 それからあとはたべるものだから)     
ここらでそんなかんがへは
あんまり僭越かもしれない
とにかくわたくしは荷物をおろし
灰いろの苔に靴やからだを埋め
一つの赤い苹果(りんご)をたべる
うるうるしながら苹果に噛みつけば
雪を越えてきたつめたい風はみねから吹き
野はらの白樺の葉は紅(べに)や金(キン)やせはしくゆすれ
北上山地はほのかな幾層の青い縞をつくる
  (あれがぼくのしやつだ
   青いリンネルの農民シヤツだ)