一日の王

「背には嚢、手には杖。一日の王が出発する」尾崎喜八

天山 ……山頂には秋の風が吹いており、秋の花も咲き始めました……

2010年09月02日 | 天山・彦岳
9月になっても猛暑は続いている。
6月から8月までの全国の平均気温が1898年の観測開始以来113年間で最も高かったと気象庁が昨日発表していた。
30年に1度程度の記録更新があった場合に認定する「異常気象」と認め、明日にも専門家による検討会で暑さの原因を分析する予定だとか。
こんな猛暑の中、山に登る人は少ない。
ネット仲間のHPやブログを見ても、8月は山に行く回数がめっきり減っていた。
ことに里山のような低山は見向きもされないようだ。
天山のように日陰のない山も敬遠される傾向にある。

「今日は天山に登ろうと思っている」
そう言って登山の準備をしていると、
私の配偶者は、
「まあまあ、ご苦労様です」
と、呆れたような顔をしてのたまう。
毎度の事ながら、暑い日に山に登るなど、配偶者にとっては狂気の沙汰としか思えないのであろう。

私はもの凄く汗っかきなのだが、暑さには強い方だ。
それほど暑さは気にならない。
暑い日の山も、どちらかというと好きだ。
日陰のない天山でも、まったく問題なし。
ワクワクしながら天山に向かった。
もうそろそろ秋の花が咲き始める頃だ。
前回に見つけられなかったマキエハギにも逢いたい。

上宮駐車場には1台の車が駐まっているのみ。
今日も静かな山歩きができると思って喜んで出発。


驚いたことに、それほど暑くない。
少しひんやりした風も吹いている。


キバナアキギリを発見。
今年初めてのキバナアキギリ。
秋の訪れを感じる。


ツルニンジンも開花間近。


コバノボタンヅルが美しい~


シギンカラマツは、今がピーク。


山頂に着くと、驚いたことに、団体さんが……
山頂を離れて稜線を散策。
稜線には秋の風が吹いており、そんなに暑さを感じない。


マツムシソウの花は、先週よりもグッと増えていた。


くじゅうや阿蘇に行かなくても、近くの山でマツムシソウを見ることのできる幸せ……


ツルリンちゃんも、たくさん咲いていた。


本当に美しい!


タンナトリカブトも開花準備が整ったようだ。
楽しみ~


逆に、キュウシュウコゴメグサは、終盤を迎えていた。


サイヨウシャジンも実をつけたものが増えてきた。


ヤマホトトギスを見たい人もお早めに……


ウツボグサがまだ咲いていたのにはビックリ。


団体さんが七曲峠の方に向かって移動開始。
数えてみたら24名だった。


私も「秘密の散歩道」に移動。
メハジキの多さに驚く。
先週は数株だけだったのに、今日は大群落。
たった1週間でこれほど変貌するとは……


シロバナサクラタデも先週より株数が増えていた。


でも見ることができるのは今週いっぱいか……
意外に花期は短い。


ガガイモを発見。
昨年は見つけられなかったので嬉しい~


そして、マキエハギ。
見つけました~


先週は発見できなかったので、心配していた。
逢えて嬉しい~
マキエハギ(蒔絵萩)。
名前の由来は、真っすぐ伸びた細い花柄が蒔絵の手法を思わせるからだとか。
全国的に見ると16都府県でレッドデータに掲載されており、
福岡県では、絶滅危惧Ⅰ類に指定され、もうほとんど見られなくなっている。
鹿児島県でも絶滅危惧Ⅱ類に、熊本県でも準絶滅危惧種に指定されいて、九州でも次第に姿を消しつつある。
今年も逢えて良かった~


このマキエハギが咲いている袂に、ツルリンドウが……
私の好きなマキエハギとツルリンドウが一緒に咲いているなんて……幸せの共演!


このあと、「秘密の散歩道Ⅱ」を発見しに、誰も通らない林道を探索。
崩落箇所がいくつもあり、ちょっとビックリ。


秋本番になったら、また歩いてみようと思った。


上宮駐車場に戻り、展望を楽しむ。
遠く多良山系や雲仙岳も見え、空にも秋の気配を感じた。


9月、10月は、天山から目が離せないよ~

この記事についてブログを書く
« 馬渡島・番所ノ辻 ……玄界灘の... | トップ | 「泉水山~黒岩山」縦走&タ... »