いったいなぜ走るのだろう?それも42.195キロというとんでもない距離を。普通だったら他力(車など)で行く距離を何時間もかけて。
よくそんなに走れるよね、とか、走っているときなに考えているの、など聞かれる。でもそれは意味のない質問だといつも思っている。走りたいから走ってるんだし、そのときに応じて考えることなんて変わる。強制されてフルマラソンなんて絶対に走りたくない。走りたい、完走したい、記録を出したい、そう思うから走る。
でも一つ疑問。どうしてフルマラソンなのだろうか?100メートルだってあるし10000メートルだってある。なのにどうしてフルマラソンなのだろか?もっと長い距離だってある。100キロ、150キロ、250キロ。もっと長い時間だってある。24時間走、48時間走。ここまでいくとちょっと異常な気もするけど。
僕が1番走りやすい距離はハーフマラソンだ。21.0975キロ。でもフルマラソンのほうが好き。断然フルのほうが辛い。よく言われることだけど35キロ過ぎたあたりは本当に辛い。歩きたくもなるし、時にはやめたくもなる。でも走る、フルマラソンを。今回で通算5回目。ホノルルは3回目。21年間の人生でこれだけ走ってきた。結構な距離になる。
これからもマラソンは続ける。そしてもっとタイムを伸ばしたい。過去の自分を超えて行きたい。限界に挑戦したい。そう思えるのがマラソンだけなのだと思う。まぁこれくらいで、と思うことが僕はしばしばある。でもマラソンはそうは思わない。もっと、あとほんの少しでも。そう思う。だから走る。
ホノルルは僕が初めて走って、完走した場所だ。思い出の場所。そのときは足が攣ってそうとう辛い思いをした。目標もわずかの差で達成できなかった。悔しかった、本当に。それで相当練習した2年目も足が攣って思い通りの記録が出せなかった。このときは人生で1番悔しかった。40キロを過ぎた時点で涙が出てきた。自分が情けなかった。
はっきりいって今までホノルルマラソンでは良いことはあまりなかった。でもそんな場所でも好きだった。あの雰囲気、あのパワー、あの空気。肌で直接感じてしまったらやめられない。3万人近くの人(ほとんどが外の人)がわざわざホノルルまで来て走る。そのパワーってすごいなって思う。それを応援してくれる人、大会を支えてくれるボランティア。彼らの力も合わさってとんでもない力が生まれる、気がする。その力が僕を走らせてくれる。たぶん自分の力では今回の記録(3時間48分32秒)なんて絶対に出なかったと思う。高校生のときはその力の強さに気づけていなかったんだと思う。だからホノルルマラソンに嫌われて、味方してくれなかったんじゃないかなって思う。
走ることは独りでも出来る。でも気持ちよく走るのは独りじゃ出来ない。そんなことを考えながら今日を過ごしていた。
僕にとっての「本番」ってホノルルマラソンなんですよ。ほかの大会で記録を出せてもやっぱり「練習」としか思えない。初めて走ったこの場で、順位を上げる、記録を出す。この大会に向けて頑張る。僕にとってはホノルルマラソンがいうなれば「オリンピック」みたいなものなんですよね。4年に1度じゃないし、誰でも出られるけどやっぱり特別な場所。
そんな大会でよい記録を出せたのは本当に嬉しかった。40キロを過ぎたあたりでまた涙がでそうになった。今度は嬉しいほうの。でもまだ泣けない、ゴールしてないんだから。ゴールしたとき涙が出たと思いますか?出なかったんです。やっぱり今回のゴールはここだけど、自分のゴールはここじゃないんですよね。もっと記録伸ばしたい。今の目標はこれ(何十年か後には変わるかもしれないけど)。そう思うから涙が出なかった。
来年はもっと練習して今の自分を超えたい。しばらくはゆっくり休んで少しずつ走ろう。そしてまた来年ここに気持ちよくホノルル後記を書けるように。
応援してくれたすべて人に感謝の気持ちを込めて。てっぺー