goo blog サービス終了のお知らせ 

店長今日の一撮

ある日は熱帯魚屋パラダイス店長
そしてある日はネイチャーフィールドのおっさん
その正体はケンぢファ~ムの設立者(笑)

コケ取り生体について

2014-02-09 18:27:32 | お勉強用
熱帯魚飼育、ならびに金魚メダカ飼育時において利用されるコケ取り生体の特徴について説明します。


石巻貝
・日本在来の純淡水~汽水に対応するコケ取り貝。好んで食べる苔の種類は壁面などに付着する高さの無い茶ゴケや緑色のコケ全般。ヒゲ状のコケやアオミドロなど高さが有ったり、長いコケは食べない。
対応水温域が非常に広い事も特徴で、1℃~28℃の間であれば問題なく適応する。
そのため熱帯魚水槽から野外での無加温飼育まで利用可能。
1匹が1度に食べるコケの量は多くないため、60センチ水槽辺り10匹程度入れるのが妥当な数だと思われる。

本種の特徴としてサラサラすぎる底砂や、底砂無しのベアタンクではひっくり返ると自力で起き上がれなくなり1週間程度で死亡に至る傾向が強いため大型魚との混泳は避けるのが無難である。
また水面上数センチまでウロウロと出てくる習性もあるため、縁無し水槽でガラス板の無いタイプの水槽に入れる時は脱走される危険性もある。
乾燥状態でも1週間ほどは蓋を閉じて生きている。

貝類は死亡時の腐敗スピードが非常に速いため、エアー式の簡易濾過設備の小型水槽では石巻貝が死ぬと魚もアンモニア中毒でコンディションを落とす危険性がある。
このため簡易設備で金魚を飼育している方には、標準的な適正匹数の半分程度での飼育をお勧めする。

水質的には低PHに弱いため、この点も注意する事。

その他の特徴として、ガラス面やレイアウトストーンに1ミリ程度の純白の卵を定期的に産み付ける。
しかしこれは淡水下では孵化する事はないので、スクレーパーなどで削ぎ落として処理する。


これらの特徴から金魚やメダカ、小型熱帯魚との相性が良いと思われる。






ヤマトヌマエビ
・日本を含む太平洋西岸地域に広く分布する淡水エビ。
好んで食べるコケは藍藻やアオミドロなど毛のような形状をしているタイプに限定される。石巻貝が好んで食べる高さの無いコケには基本的に興味を示さないため、処理したいコケの種類を考慮した上で投入するか否かを決めるのが大切。

水草に付着した薄緑色のコケの処理に適しており、水草水槽におけるコケ取り役として活躍するが、水草の新芽も食害するため投入時期の見定めが必要。
水草水槽では水上葉から水中葉に変化してしばらく経過してから投入するのがセオリーで、初めから入れてしまうと新芽が全て食害に合い水草が殲滅する事もある。

適応する水温は1℃~26℃程度であり、高水温には弱い。

また石巻貝同様に低PHに弱い。

本種も♀個体が頻繁に抱卵するが、これは淡水飼育下では孵化はするものの育成は不可能である。また孵化したゾエア幼生が死亡する事で考えられる水質悪化は貝類ほど大きな影響は無いため通常無視して構わない。


本種はもともと草食性と言うよりは雑食性に分類される生き物のため、コケの無い環境下であっても魚用の餌のみで十分に育成する事が出来る。

つまり餌不足による餓死は考慮する必要がほとんどない。

その他には、過硝酸環境下では本来透明度の高い胴体が白濁する特徴もある。
この現象が見られる時は、そのまま放置すると死亡に至るためPH,温度共に問題が無くても水替えを行う事。




レッドラムズホーン
・赤い色が特徴的な淡水性の巻貝。雌雄同体のため2匹以上居れば容易に繁殖出来る。









セルフィンプレコ
・コケ取り魚の定番種。プレコと言えば一般的に本種を指すほどメジャー。
プレコの仲間では例外的に水槽内でもすくすくと成長するため、将来サイズアップする事も考慮してから選びたい品種であるが、大型肉食魚ユーザーから大型個体の需要があるため普通のショップであれば買い取りはしてくれなくても引取りには応じてくれると思う。。。
本種の好むコケは石巻貝同様に高さの無いタイプのコケに限定されるが、1匹での処理能力は他種の追随を許さない最強レベルであり、もう圧倒的!!

5センチクラスの幼魚でも1匹で60センチ水槽ピッカピカにします。

そして生体単価もお値打ちな事からコストパフォーマンスも非常に高く、成長後の引き取り先だけ確保出来れば良い選択だと思います。

セルフィンプレコに準ずる種類として、オレンジスポットセルフィンプレコも定番種として扱われている事が多く、こちらの種類は模様が名前の通りスポット状になっている点と最大サイズがセルフィンプレコよりも小さい事などがあげられます。


本種は南米原産の熱帯魚のため、適応水温は20℃~30℃程度となり完全に熱帯魚飼育水槽向けである。


食性は草食性の強い雑食性のため、コケの無い環境であっても熱帯魚用の人工飼料があれば普通に飼育可能。

本種の欠点と言えば、プレコ特有の糞の多さであろう。見た目の物量とは裏腹に糞そのものの栄養価は極めて低いため、他種の糞と比較すると水質悪化の原因にはなり難いので見た目が気にならなければ大した問題ではないのだけど、ベアタンク水槽ではモロに糞が見えてしまうため景観が損なわれやすい。
また成長スピードが速いため小型水槽ユーザーにとっては、身近に成長した個体を引き取ってくれる、もしくは小型個体と交換してくれるお店があると良いかな?



本種をコケ取り魚として他の魚と混泳する場合の裏技的観察ポイントも一緒にご紹介します。

1・大型魚(アロワナ等)と飼う場合
肉食魚水槽での飼育時には淡水エイを除く一般的な大型肉食魚と比較して、プレコの仲間である本種の方がPHの低下に弱い特徴があります。
またPHの低下時には、コケや餌を突然食べなくなったり、眼球が陥没&お腹が凹む&通常陰に隠れているプレコがフラフラと水槽前面に出てくるなど普段とは違う行動や身体的特徴を見る事が出来る。
またPH低下がコンディションに致命的な悪影響を与えるレベルでなくても、水替えの前後でPHが激しく上下する過渡期や、水温の変動、白点病などの病気が発生する初期段階においても本種は水質の変動を敏感に察知して胸鰭と腹鰭を規則正しくパタパタと動かす習性がある。

この動きが水替え後に見られる時は、何かしらの水質異常が出てきているか、病気や寄生虫(ウオジラミ&イカリムシ)の発生を意味するモノと捉えて要チェック。


この事を覚えておけば、水質検査を忘れてしまった時などでもアロワナなど飼育のメインに考えている魚達がコンディションを崩す前にプレコに異常が見られるようになるため、水質のバロメーター役としても考えることが出来る。

同じ命ある生き物に優劣を付ける訳では無いけど、魚種ごとの特徴として上記した事があるのは事実なため、知識として有する事には価値があると思います。


2・小魚と飼う場合
小魚と飼う場合には先に記載した大型魚との混泳に準ずる部分が多いが、小魚を飼育する設備や一般的な混泳密度を考慮すると大型魚飼育の時ほどPHが低下する事は考え難く、意図的に低PHな環境を作らないと実質的にプレコ飼育に致命的な影響が出るレベルにまで下がる事は無いため、低PHに関する事項は無視して良い。

小魚との飼育時には主に白点病の発生バロメーターとして使え、胸鰭と腹鰭を規則正しくパタパタさせるような行動が見られる時は、速攻で白点病用の薬の準備をするぐらいの気持ちを持つと良い。
大型魚と違って、小魚は白点病の治療開始が遅れると致命的な影響を受けやすいため、目視で白点を見る事が出来る前に症状の発生を示唆するプレコの動きを知っているか否かで最悪の状況に陥らずに済む可能性がある。。




オトシンクルス

・南米各国から輸入される小型のコケ取り魚。オトシンクルスの名前で販売されている魚は厳密に言えば複数種が同じ名前で売られている。
好んで食べるコケの種類はセルフィンプレコ同様に高さの無いコケに限定されるため、毛のように長いタイプのコケは食べない。

最大サイズが5センチ以下と小さく、他の魚への攻撃性も皆無と言えるレベルのため混泳相手を選ばない点が良い。
また水草の表面に付着したコケを食べる際も、水草への攻撃性が少ないため水草レイアウト水槽にとてもおすすめである。


1匹のコケ処理能力もそれなりに高く、60センチ水槽に対して5匹程度で十分な効果を発揮するが、レイアウトが複雑でコケの付着できる表面積が広い場合は10匹ほど入れると結果が出るのが早い。

本種の弱点としてセルフィンプレコほど雑食性が強くなく、常に少量の餌を食べながら糞をする、つまり食溜めによる体力の温存が魚類の中では珍しいほど苦手なタイプなので、コケが無くなった後の餌を考えてあげなければ餓死する危険性が比較的高い点が弱点として挙げられる。
他の魚のように人工飼料なら何でも食べて、しっかりと脂肪を蓄えるタイプではないからコケが無い状況下ではプレコ用の餌を少量毎日与える対応が必要。

本種を長期間安定して飼育できない最大の理由は、上記した栄養不足による餓死が原因でありその根本的原因は飼育者(管理者)がオトシンクルスの食性を理解していない、もしくは購入時にそのような注意点があると教えてもらえてない事に起因していると思われるため、予備知識として頭の隅に入れておき、コケが無くなってからはオトシンクルスにも餌が回っているか確認する癖を付ければ容易に問題は解決すると思われる。




ブッシープレコ
・本来は南米原産のワイルド個体のみ出回っていたが、繁殖が容易な事から国産、東南アジアブリードのベビー個体がミニブッシーなどの名前で安価に流通している。
好んで食べるコケはセルフィンプレコやオトシンクルス同様に高さの無いコケに限定される。
1匹が食べるコケの量は同サイズで比較するとセルフィンプレコにも劣らず、非常に効率的な働きをする。
最大サイズが水槽飼育下では10センチ程度までと、それほど巨大化しない点もコケ取り魚としては美点である。
また食性は雑食性が強いため、オトシンクルスのように餓死を気にしながら飼育する必要は無く非常に飼い易いため、初心者にも安心してお勧めできる。



ブラックモーリー
・ヒゲ状の柔らかいコケを好んで食べ、壁面に付着する高さの無いコケには見向きもしない。MIxモーリーとして販売されている場合は、その中に黒い個体が居れば本種である。またバルーンモーリーでも真っ黒な個体は同じように柔らかいヒゲコケを食べるので、同じように扱ってよい。

大人しい性格のため、混泳に関してはお互いに餌となるほどのサイズ差が無い相手であればOKである。
もともとは丈夫で飼い易い種類であるが、安価で需要の高いモーリーの仲間は輸送コスト削減のため梱包密度が高く輸入状態が良くない事が多い。
このため店頭販売されている個体も鰭を閉じるなど、少々お疲れ気味な個体が多く出回っており飼育初期段階で殺してしまう可能性があるので、購入時には鰭をしっかり開いて元気に泳いでいる個体を選ぶのがポイントである。


カラープロキロダス

・主にコロンビアから輸入される大型化する遊泳性の高いコケ取り魚。
水槽サイズにもよるが最大で全長40㎝ほどまで成長する。
しかし、サイズアップには十分な広さと同種の魚が一緒に入っていないなど条件がいくつかあるため、実質的には水槽のサイズなりにしか成長はしない。
この特性を生かして普通に飼育していれば60~90センチ水槽での生涯飼育も、何ら問題なく対応する。
本種の好むコケは高さの無いコケであり、主に大型肉食魚水槽のコケ取り役としてセルフィンプレコの代わりとして使われる傾向が強い。

それもそのはずで、本種は15センチを超えるあたりから鮮やかなオレンジ&レッドの発色が鰭を染め、体はピッカピカのシルバーカラー輝く美種である。

このため、見た目の綺麗な魚を好む大型肉食魚ユーザーから人気が高い。











続きは後日以降時間を見て書きます。。。。。。



最新の画像もっと見る