岡谷市議会会議録
平成28年6月定例会
◆16番(武井富美男議員) おはようございます。16番 武井富美男です。
通告順に従いまして一般質問させていただきます。
まず、大きな1番、新西堀保育園整備についてです。
(1)新保育園整備に向けての現状と今後の計画です。
新西堀保育園の整備計画につきましては、最近では、この3月にも議員の一般質問がございましたけれども、平成25年11月に保育園整備計画が立てられ、東堀保育園、西堀保育園は前期計画に位置づけられ、平成30年度ころを開園の目標としてきた経緯があります。新東堀保育園は、民営化により認定こども園として、平成30年4月開園とされております。西堀保育園は、計画ではそれと同時期、もしくは現地改築のため、1年おくれの平成31年4月開園かと私は思っておりますけれども、今まで私もこの問題について、時々一般質問もしておりますが、現在どのような検討をされ、今後どのようなスケジュール、地元説明とか設計、工事着手、開園など行われていくのか、概略をお聞きします。
次に、(2)武井武雄の顕彰です。
保育園整備に合わせて武井武雄の顕彰をしていくことになっておりますが、今までの庁内検討の状況と、今後、具体的にどのような組織で、どのような形で進めていくのかお聞きします。
◎健康福祉部長(宮澤順君) おはようございます。
武井富美男議員さんの御質問に順次お答えをいたします。
私からは、大きな1番、新西堀保育園整備についてお答えいたします。
初めに、(1)新保育園整備に向けての現状と今後の計画についてであります。
西堀保育園は施設も老朽化しており、狭隘な敷地内に保護者用駐車場が確保できないなどの課題により、平成24年度に策定した岡谷市保育園整備計画において、東堀保育園とともに前期計画の中で優先的に整備する園と位置づけております。
こうした中で、昨年度までの取り組みとしまして、昨年2月には、保育園を民営化する場合の基本方針をまとめ、子ども・子育て支援審議会による協議を踏まえ、東堀保育園の民設民営とともに、西堀保育園については公設公営による整備方針をまとめ、昨年11月の市議会全員協議会において報告させていただいたところであります。
また、西堀保育園の整備に当たっては、隣接する武井武雄生家敷地との一体的な利用が可能となることから、現在のところ、隣接する武井武雄生家の検証方法や一体的整備のための市道のつけかえの問題、あるいは新保育園に併設予定の発達支援施設の方向性など、それぞれの課題に対して、内部で検討を進めているところであります。
その中で、昨年まで指定管理施設でありました通園訓練施設まゆみ園でありますが、新西堀保育園での展開を見据え、本年度より市による直営施設に移行し、保育園との連携体制を強めながら、新たな体制でスタートしたところであります。本年度より、さまざまなノウハウを蓄積し、新施設につないでいきたいと考えております。
今後のスケジュールでありますが、西堀保育園は平成30年ころまでに整備する計画となっております。着手時期等につきましては、社会経済の情勢、市の財政状況等も見きわめる必要があり、現時点では具体的に申し上げる状況には至っておりませんが、目標に向け、着実に進めてまいりたいと考えております。
続きまして、(2)武井武雄の顕彰についてであります。
西堀保育園の整備に関する武井武雄顕彰の庁内検討会につきましては、子ども課のほか、ブランド推進室、都市計画課、土木課の職員が参画して協議をしているところであります。庁内検討会においては、生家の一部を残して活用する案や生家のたたずまいを外観に生かす案など、さまざまな選択肢があると考えており、生家につきましては、武井先生の業績が全国的に再認識されている中で、武井先生の業績を考えると、何らかの形で残すことができないかという思いもあり、保育園と発達支援施設、それぞれの機能や必要面積などを考えながら検討を進めているところであります。
私からは以上でございます。
(中略)
◆16番(武井富美男議員) 御答弁いただきまして、ありがとうございました。
まず、大きな1番ですけれども、新西堀保育園整備についてです。
(1)新保育園整備に向けての現状と今後の計画でございますけれども、私は、以前の一般質問でも言いましたけれども、新西堀保育園は、平成24年8月に公布されました保育園制度をより複雑化したと思っています。子ども・子育て支援法の影響を受けまして、予定していなかったステップを踏むことになったと思っております。今御答弁されたことは、大分前からの課題になっておりまして、周知のことでございます。
要は、いつから開園に向けて準備を進めていくかということでございます。その点がいまいちはっきりしません。平成30年度ころの開園の計画でいくとお話にございましたけれども、今、平成28年度でございますので、今の状況では、少なくとも来年度に着手しなければ不可能かと思います。
私は、新西堀保育園は現地改築、建築基準法上は新築になるかと思いますけれども、平成30年度開園は物理的に無理でありまして、地元西堀区もそれをやむを得ないものとしていると思っております。
そこで、新西堀保育園は現地改築でございますけれども、建築工事中は園児をどこで保育することになるのかお聞きします。
◎健康福祉部長(宮澤順君) 西堀保育園の現在の園児数からしますと、約80名の受け皿の確保が必要となってまいります。そんな想定をしておりますが、また、西堀保育園につきましては、3歳未満児の保育も実施しております。
保育施設の確保に当たりましては、これは乳児室ですとか、ほふく室、調乳室など、3歳未満児保育が実施できる環境というものが必要となってまいりますので、そうした課題も認識しているものでございます。また、平成27年7月に、保護者の方を対象にいたしましてアンケートを実施いたしました。この中で、工事中の分散保育に対しましては反対との御意見もいただいております。
こうしたことから、工事中の保育につきましては、周辺の園への分散保育、また、仮設園舎によります方式、こうしたものに加えまして、東堀保育園の新園の移転後に現在の園舎があきますので、そうした休園舎を利用する方法など、こうしたことも含めて、入所児童への負担の少なさですとか経費の問題等を踏まえながら対応していくこととなる、そんなように考えておりますので、よろしくお願いします。
◆16番(武井富美男議員) 約80人分の受け皿が必要だと。それから、東堀保育園の休園舎、現在の園舎でございますけれども、その活用のことを言っておりましたけれども、現東堀保育園の認可定員は150人でございますので、人数的にはおさまることになるかと思っていますけれども、問題は、現在、東堀保育園は未満児保育をしていませんので、未満児保育の対応がとれるかどうかだと思いますけれども、未満児を含めまして、全部を現東堀保育園でおさめることが可能なのかどうかお聞きします。
◎健康福祉部長(宮澤順君) 議員さんおっしゃられますように、定員でいけば、東堀保育園150人、西堀が120人ということでございますので、そうした部分の受け入れは可能となってまいります。
おっしゃられますように、東堀保育園では3歳未満児の保育を現在実施しておりません。そうしたことから、施設の一定の改修が必要となってまいります。こんなようなことを含めまして、検討を進めてまいりたいと思っております。
◆16番(武井富美男議員) 内容的にはわかりました。
次に、発達支援施設を、主に庁内で検討されていくことはよいですけれども、武井邸と現西堀保育園との間には、市道、水路のつけかえとか建物の配置、それから駐車場の位置、既存の立木、それから修景施設、武井武雄さんのお父さんであります武井慶一郎さんの碑など、地元協議を早期に要するものがありますけれども、いつごろそれを進めていくのかをお聞きします。
◎健康福祉部長(宮澤順君) 現在の敷地の一体的な利用に関しましては、この2月に道路のつけかえ等の方法につきまして、一部地元の区に相談した経過がございます。
そういう中で、西堀保育園の整備については、ただいまおっしゃっていただいたような課題がございますので、そうした整備計画との敷地活用、また建物の配置など、そういう部分が、一定の考え方を市としてまとめてから、そんな中で、また地元のほうにも協議をしてまいりたい、そんなふうに考えておりますので、よろしくお願いします。
◆16番(武井富美男議員) ちょっとくどくなりますけれども、市として一定の考え方をまとめてから地元協議に入るということを言われましたけれども、この問題はかなり前から課題となっていましたけれども、大体、一定の考え方をまとめるのがいつごろになるのか、お聞きしたいと思います。
◎健康福祉部長(宮澤順君) ただいま御答弁をさせていただいたように、発達支援施設の問題、また道路の問題、それから武井武雄の顕彰等、まだまだ検討が必要な部分があるかと思っています。こうした課題について整理をしながら、できるだけ早く、そんな方針が示されるように取り組んでまいりたいと考えております。
◆16番(武井富美男議員) 市のほうも、いろいろな検討をされていると思いますけれども、ぜひ早急に素案をまとめてほしいなと思っております。
次に、(2)武井武雄の顕彰でございますけれども、武井先生の業績を考えると、何らかの形で残すことはできないかという思いもありというようなことをちょっと言われましたけれども、残すということの意味が、かなり広い範囲で捉えているのか、ちょっとわかりませんけれども、仮に残すということを狭い範囲で捉えた場合のことなんですけれども、過去に市教育委員会は、武井邸の文化財的な価値についても、過去に二度の火災に見舞われ、また、貸し家として使用され、相当大きな増築工事、改修工事を加えているなどとして、文化財としての保存について、否定的な市議会への答弁を何度もされてきております。
また、武井邸の保存については、市は、平成20年の相続財産管理人、これは弁護士でございますけれども、この方と特別縁故者によります市への寄贈契約の中に、特別縁故者の建物の取り壊し要望があるということを盾に、市議会一般質問時に何度も建物保存のことを否定されてきました。
地元西堀区は、当初一時、保存の意向を示したときがありましたけれども、保育園の整備の話が出たこと、また、武井邸は文化財としての価値はないという市の考え、市の寄贈契約の尊重方針から、市の考えが母屋を取り壊すことを前提としていたため、危険だとされておりました土蔵の取り壊しを承認したと私は思っています。
もし残すということならば、まず、建物の価値を認めたことになります。価値がなければ残すことにならないと思っていますし、江戸時代の中期の中級武士の家は、長屋門、母屋、土蔵の3点セットで価値があるものであり、貴重なものを取り壊してしまったということになります。
また、武井武雄邸の江戸中期の文化財としての価値、この価値を市が正式に認めるならば、市の文化財審議会に諮問する必要があると私は思っていますけれども、それと、童画家・芸術家、武井武雄の生家であることの価値は別物でございますけれども、童画家・芸術家、武井武雄の住居としての価値につきましては、東京の板橋区の南常盤台の家のほうに価値があるものだと言われている専門家もおります。
仮に残すとした場合、果たして発達支援施設を含めた保育施設の建物が敷地におさまるかということとは別に、まず一つは、武井邸を全て建て直すか、改築するか、私は、かなりこの建物がシロアリにやられていて、改築は不可能かと思っていますけれども、この問題があると思っています。
仮に残すとした場合、今の生家を保育施設の建物として使う場合、東京都の舛添知事のように、強引に直接関係ないことを、武井邸と保育施設との関連性を主張できればいいんですけれども、保育園施設としては使わなく、私は保育園施設として使うのは不便だし、必要性を感じられません。記念館のような形でもって残す場合は、建築基準法上、保育園と用途上可分の建物となり、武井邸には建築基準法上、一定の敷地が必要となると思います。
保育園の建物の中に一定の顕彰的なものを取り込む場合は、用途上不可分なものとなり、問題はないと思われますけれども、武井邸、母屋は平家でございまして、建築面積を建蔽率で割った面積が最低限度必要な敷地面積となります。実測されておりませんので、ちょっと細かくなりますけれども、公簿上の面積で計算しますと、武井邸のある場所は第1種住居地域でございまして、建蔽率は60%になります。母屋の建築面積は約146㎡であり、計算しますと、記念館としての武井邸の敷地は最低約243㎡を必要ということになります。実際には、入り口だとか駐車場のことを考えますと、もっと多くの面積を必要とすると思います。
また、現西堀保育園敷地面積と武井邸の敷地面積を合わせると約3,135㎡、両施設の中央に市道がありますけれども、つけかえになるため、プラスマイナスゼロと仮定します。そうしますと、差し引きますと、保育園の敷地面積が2,892㎡となります。保育園整備計画におきます敷地の基準面積は3,000㎡となっておりまして、基準面積を満たさなくなります。若干の不足は構わないかもしれませんけれども、最初から基準面積を満たさないというのは問題かなと私は思っております。
また、方針転換は寄贈契約に違反するものとなりますし、西堀保育園の整備の話がもとに戻ってしまうと私は思っております。
また、そもそも寄贈契約書は、武井邸の保存のことなど何も書かれておりません。寄贈者は、建物を取り壊し、多くの人が武井の童画文化に触れてほしく、また、この場所を多くの子供たちの声が響き渡る場所にしてほしいとの願いが書かれております。私は寄贈者の声を尊重すべきだと思っています。したがいまして、市は当初どおり、建物を残すのでなくて、顕彰という形で進めていくべきだなと思っております。
次に、武井武雄の顕彰については、計画策定にかなり時間がかかると思いますけれども、前期計画期間は、今年度を入れてあと3年でございますけれども、それしかございませんけれども、本当に大丈夫なのか、その点をお聞きします。
◎健康福祉部長(宮澤順君) 保育園整備計画の前期の計画につきましては、西堀保育園は東堀保育園とともに、平成30年ころの整備を目安としているところであります。事業実施のためには、武井武雄生家の顕彰の方向性など、専門性を有する調整が必要な部分もございますので、そうしたところに必要な時間をかけつつも、できるだけ早期に整備ができるようにしっかりと対応してまいりたいと考えております。
◆16番(武井富美男議員) 専門性を要する調整が必要となる部分があるということでございますけれども、この顕彰の部分が進まないと、建物の配置だとか大きさが決まらない。要するに設計ができないと私は思っていますけれども、今、このことは早期にはできないだろうと思いますけれども、しっかり対応していきたいということでございますので、ぜひ早期にしっかりと対応していってほしいなと思っております。
続きまして、いろいろ、今ちょっと武井邸に絡んで、西堀保育園の整備のことをお話ししましたけれども、いずれにしましても、新西堀保育園の計画どおりの整備に向けまして、早期に取り組んでいってほしいと私は思っています。先ほど、平成30年ころという話も出ましたけれども、実際もうちょっと、もう2~3年しかございませんので、いつごろの開園を目指すのかを含めて、市長さんの思いを述べてほしいなと思います。
◎市長(今井竜五君) いつごろということでございますけれども、整備の具体的な時期につきましては、先ほどから答弁させていただいておりますとおり、武井武雄先生の顕彰のほか、社会情勢の問題ですとか市の財政状況などもしっかり見きわめる中で、現時点ではいつというふうに、まだはっきり申し上げる段階ではないというふうに思っております。
ただ、先ほど、武井富美男議員さんも思いを語っていただきました。いろいろな思いがある中でございます。そういった中、そういった思いも受けとめながら、西堀の保育園の整備につきましては、これまでも、公設公営による整備方針の決定ですとか、それから、通所訓練施設まゆみ園の運営方式を、西堀保育園への併設予定ということでございまして、指定管理者から市の直営方式にするなど、事業の進捗をしてきているところでもございます。
そういったことを踏まえまして、今後も実現に向けまして、しっかりと推進してまいりたい、そういうふうに考えておりますので、よろしくお願いいたします。
◆16番(武井富美男議員) どうもありがとうございました。
市長さんのお気持ちはわかりました。平成30年度は私は無理かと思っていますので、ぜひ翌年度あたりの開園を目指して、早期に地元対応をしていってほしいなと思っております。