1960

1960年生まれの中小企業に勤めるサラリーマン。多感な頃にアメリカ文化に憧れて育ちました。光陰矢の如し、もうすぐ・・・

35.「像の背中」 秋元 康

2008-11-09 17:16:58 | 本と雑誌

もう終了してしまったが、フジテレビのドラマ「北の国から」が大好きであり、北海道が好きになった理由のひとつである。

                 

また、二十代の頃に映画「楢山節考」や「魚影の群れ」を見てから”緒方拳”の大ファンであった。

                 

そして10月より「北の国から」の脚本を書いた”倉本聡”の富良野三部作の最後を飾るドラマ「風のガーデン」が始まるのを知り、とても楽しみにしていた。しかも”緒方拳”が出演している。

                

実は今年夏の北海道旅行の際に新富良野プリンスホテルに宿泊し、その際にエレベータホールで”黒木メイサ”を見かけ、ドラマの撮影かなと思っていたところ、富良野市内の「北の国から記念館」で宣伝ポスターを見つけたたことがこのドラマが始まることを知ったきっかけであった。

          

このドラマ「風のガーデン」は”中井貴一”演じる医師が癌に侵され、限られた余命の中で絶縁状態であった家族のもとへ帰っていくとのストーリーである。主人公が自分と同年代であること、また今年の夏に古くからの友人の一人が癌で他界してしまったことで、ひとごとに思えない話である。

           

そして、ドラマの第一回が放送される数日前に”緒方拳”が癌で他界した。病気であったことを知らなかったのでショックであり、余計にこのドラマへ思い入れが強くなった。

                    

その後ドラマは第5話までが放送され、毎週楽しみに観ている。第6話以降のストーリーはいよいよこの物語の本質に入っていく展開になりそうである。

           

そんな時に、秋元 康「像の背中」を読んだ。

          

この物語の主人公も自分と同じ年代であり、癌に侵されて余命半年と宣告され、残された時間をどう過ごすかがテーマとなっている。

                

もし自分であったらどうするか、読んでいるうちにどうしても考えてしまう。人間は必ず最後は死んでいく運命であり、誰も逃れられない。ただ問題は、その時が自分の予想よりもはるかに早くやってきた場合である。

                      

今の私には、きっと無念で悔しくてしょうがなく、ひどく取り乱してしまうであろうとしか想像できない。 

                             

ドラマ「風のガーデン」でもこの「像の背中」でも、人が最後を迎える時に重要なのはやはり家族/家庭であると描かれている(ドラマ「風のガーデン」はこれからのストーリー展開を知らないので想像ですが)。

              

この本、最後の夫婦の手紙を読む場面では、”辻 仁成”の本と同様に読んでいて電車の中で泣いてしまいそうになり、周りを気にして途中で読むのを止めた。

               

ただ、主人公に愛人がいてその関係が綺麗すぎる構成が普通のサラリーマンではあり得ないように思えてしまい、共感できなかったのが残念である。

                

象の背中 象の背中
価格:¥ 1,575(税込)
発売日:2006-04


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