東白川タカブ研究会 雑記帳

山里の伝統食「ヘボ」の文化と、山里の暮らしを伝えます

台風15号の豪雨で白川増水

2011年09月21日 | 雑記帳
9月21日(水)雨時々曇り 今朝の気温21℃

昨日の豪雨は凄かった。四十数年前に飛騨川のバス転落事故の大惨事をまねいた8.17豪雨も、この規模ではなかっただろうか。昨日私は社用で小牧まで出かけていた。昼食を終え少し経った頃だったろうか、カミサんから電話があった。「お父さん、白川が物凄い水量で東白川全村に避難勧告が出ている」。状況の把握をするために従業員に電話を入れるとマズい雰囲気が伝わって来た。出した結論は、仕事をやめて直ぐに帰宅する事。集計の雨量は41号線を通行止めにする寸前のものだった。もちろん私も帰宅する事にして、倅にも外に出て仕事をしている連中にも仕事を中断して帰宅するよう促した。帰路はフロントガラスに叩き付ける雨にワイパ-が間に合わない程で、40数年前の悪夢が蘇って来る。七宗に入って、山あいを縫うように走る41号線の壁面からは、水抜き穴から吹き出す水が尋常ではない。いつもは水気もない空谷もスザマしい飛沫をあげて水が滝のように車線に注ぎ込んでいる。ようやく白川口に到着すると、県道白川~加子母線は交通止めとなっていた。しかし、ここで駐車する事は最も危険な行為に思える。何故なら飛騨川との出会いで行き場を止められた水が逆流したら、ここは道路まで冠水する危険性があるからだ。交通止めを無視して走り抜けることに決めた。途中の白川に目をやりながら走り抜けるのだが、水は後、1メートル程で道路が冠水する場所もある。会社に戻って、冠水しそうな場所に置いてある材木をリフトで高台に移す事にした。従業員は一人も居ないし、倅は消防団の一員として招集されている。私一人の作業となったが、やるしか無い。この間1時間ほどだったが、降りしきる雨は強さを増すばかり、クルマ止めまで濁流が押し寄せて来た。ふと目をやると褐色に黒い斑点がある物体がゆらゆらと波に揉まれながら岸辺にある。よく見るとサンショウウオだ1,2,.....なんと4匹もいる。体調は35~40センチ。やっとエラが取れて肺呼吸になってから一年ほどだろうか、通常70~90センチほどの成体はよく見かけるのだが、こんな小さなサンショウウオを見かける事は珍しい、この激流から岸辺に避難しているのだ。時折鮎やウグイが岸辺に押し上げられるが、直ぐに激流に戻って行く。この時にやる漁が「濁りずき」というやつで、激流の芯に戻れない魚を大きなタモで獲る方法だ。でも、このものすごい水量では危険すぎることから中止する事にして、家に戻った。気になる白川の水量は吊橋に1メートルと迫っている。橋まで流されては大問題だ。それがこの時の写真です。やがて、雨は弱まり、水位は減り始めた。この大水で、尊い人命も失われた。お気の毒な事である。