DUMMY FAKE ROLLERS

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心に残る歌詞15~すてごま / THE BLUE HEARTS~

2006年07月17日 | 心に残る歌詞、応援ソング特集
~君 ちょっと行ってくれないか すてごまになってくれないか
 いざこざに まきこまれて 死んでくれないか~


今回の心に残る歌詞は、ブルーハーツから、
痛烈なメッセージを持った反戦ソング「すてごま」のサビのフレーズです。

STICK OUT
ザ・ブルーハーツ
イーストウエスト・ジャパン

このアルバムのトップを飾る衝撃的な1曲!

確かこの曲は、湾岸戦争で、日本政府が自衛隊の海外派遣に関して
議論沸騰していたことを指して歌われた歌だったと思いますが、
こうして歌詞だけ読むと、あまりにもストレートな表現にびっくりします。

ブルーハーツは、デビューした頃から、「1985」「少年の詩」
「チェルノブイリ」など、オブラートに包まずにストレートに
社会を風刺した歌詞から、社会派バンドとして認知される一方、
ヒロトの牧歌的でシンプルな歌い方や、明るくわかりやすいサウンドで、
「リンダリンダ」「TRAIN-TRAIN」に代表されるような、
若者が大騒ぎできるようなカラオケ人気の高いバンドという
両極端なイメージを背負うことになり、その狭間で苦しみ、
『BUST WASTE HIP』リリース時には「イメージ」という曲で、

~中身がなくても イメージがあればいい~

と自分達自身を皮肉ってみせたこともありました。

Bust Waste Hip
ブルーハーツ
イーストウエスト・ジャパン

それまでのパンクロック然としたサウンドから
脱却し新たなスタイルを模索し始めた


そんな彼らが、バンドとしてのモチベーションが下がり始めた
活動後期に、改めて初期衝動を取り戻そうと最後の力を振り絞って
制作された今作『STICK OUT』は、その半年後にリリースされた
『DUG OUT』と合わせて、凸凹アルバムとして、
彼ら後期の最高傑作と称されていますね。

DUG OUT
ザ・ブルーハーツ
イーストウエスト・ジャパン

スローテンポの曲ばかりで構成された作品

「すてごま」では、そんなかつてのパワーを取り戻したような
スピード感のあるロックサウンドと、社会派なメッセージが
盛り込まれた名曲だと思います。

ちなみに、『STICK OUT』には、最近アサヒの"100年BLACK"コーヒーの
CM曲として使われている「1000のヴァイオリン」のオリジナルver.も
最後を締めくくる曲として収録されています。

最もブルーハーツがノッていた初期3作しか聴いたことがない
という方には、ぜひ『STICK OUT』を聴いて頂きたいですね。

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