7月25日(金)、仕事の研修で静岡県富士宮市朝霧高原を訪れました。朝霧高原は富士山麓にある標高800mの高原で、高原を吹く風がとても気持ちよかったです。朝霧高原にある牧場を訪れて、酪農体験をしました。
酪農家のお話をうかがった後、まずは、乳搾り体験。牛の体を触ってみると、とてもあたたかく温もりを感じました。乳頭を手で握って、乳を搾りました。
手では搾りきれないので、後半は搾乳機で搾りました。あっという間に11リットル近くもタンクにたまりました。絞りたての牛乳はとても温かかったです。
牛舎の近くにはジャージー種の子牛もいました。かわいいかったです。
牛舎に入って、えさやり、ブラッシング、掃除などの体験をしました。
ブラッシングをするととてもうれしそうでした。ブラッシングする前に体をチョンとたたいてあげると安心するのだそうです。えさは、干し草やとったばかりの牧草。喜んで食べていました。掃除は糞を運ぶ溝に入っていない糞を溝に入れていくことが中心でした。(下の写真の中央の溝に入れる)
牛舎にはたくさんの牛がいました。ほとんどは、黒と白のホルスタイン種。乳牛として飼育されています。つまり、全てメスです。年に1回人工授精をさせて、子牛を生み、乳が出るようにします。しかし、長くても5歳くらいまで。乳が出なくなるそれ以降は、オス牛同様、肉牛として扱われます。牛の一生は5年程度が平均だそうです。写真中央の溝に糞や尿が落ちるようになっていて、溝の中には自動的に糞尿が運ばれるような装置がついていました。これらの糞は、施設に運ばれ、発酵させて牛糞(肥料)になります。
ホルスタイン種が多い中で、ひときわ目立つ、ジャージー種。
牛舎での作業の後は、屋外でバター作り体験です。絞りたての生乳は放置しておくと、二つの層に分離します。そのうち上の方に分離した脂肪分を多く含む液を取り、
それを瓶などに入れて、何回も振ります。そうするとそのうちバターができあがります。
できたばかりのバターに塩をかけて混ぜ、パンにつけて食べました。搾りたての牛乳とともにいただきました。高原のさわやかな空気の中、自分で作ったバターをパンにぬって食べるのは最高でした。おいしかったです。
この後酪農家から、生命を大切にすることや食べ物を大切にすることについての話を聴きました。
帰りに、神奈川県海老名市内にある牛乳工場を見学して、研修は終わりました。貴重な体験をたくさんすることができました。
7月24日(木)、仕事の研修で福島県いわき市を訪れました。
まず訪れたのは、市内の製紙工場。古紙のみを使って、新聞用紙や段ボール原紙などを生産しています。
各地から集められた新聞古紙。圧縮されて束ねられているので、小さな一つのかたまりが1トンにもなるそうです。古紙は、まず異物やインクを除去し、ペースト状の古紙パルプを作ります。
その後、上の写真にある大きな抄紙機で、脱水・搾水・乾燥・仕上げなどの工程を経て、ロール状の巨大な新聞用紙ができあがります。
できあがったロール状の新聞用紙です。この後、出荷作業が行われて各地に出荷されます。先日の記事「これはなんでしょう?」の解答は、
ロール状に巻かれた巨大な新聞用紙でした。
この工場は、オイル(化石)燃料を使わず、製造工程で排出されるペーパースラッジや家屋解体材などの廃棄物を燃料(動力)として使用するバイオマスボイラーを採用しており、社会全体の廃棄物削減や二酸化炭素の発生量の削減に努力していました。古紙のリサイクルだけでなく、燃料のリサイクルやバイオマスボイラーで出た灰のリサイクルに取り組むなど、企業の環境に対する前向きな姿勢に感心しました。
古紙は、大切な資源。より一層紙の分別に努めなければならないとこの視察を通じて感じました。
製紙工場視察の後は、市内にある国宝建造物「願成寺(がんじょうじ)・白水阿弥陀堂(しらみずあみだどう)」へ。
白水阿弥陀堂は、1160年、国主岩城則道の妻、徳尼(藤原清衡の娘)が夫の供養のために平泉の金色堂にならって建立したとされ、平安後期に流行した阿弥陀堂建築の代表作です。お堂の優雅さ、浄土式庭園の美しさにも定評があり、庭園の雰囲気は平泉の毛越寺とよく似ています。「白水」の名も平泉の「泉」 を二字に分解したという説が伝えられています。建物内部には、寄木造漆箔の本尊阿弥陀如来をはじめ、観世音菩薩立像、勢至菩薩立像、持国天王立像、多聞天王立像が祭られ、国の重要文化財に指定されています。お堂の中では、寺の若いお坊さんから、いろいろとレクチャーをしていただきました。
敷地内には大きな池(庭園)がありました。
池では、ちょうど蓮の花が見頃を迎えていました。
日中だったからでしょうか。ほとんどの花が閉じていました。でも、薄ピンク色の花はとってもきれいでした。
白水阿弥陀堂の後は、市内にある「いわき市石炭・化石館」へ。
この博物館では、かつて常磐炭田の採掘地として栄えていたいわきの炭坑の歴史やいわき市内や世界で発見された化石の数々が紹介されていました。
化石展示室では、古生代から新生代までの生物や化石について、学習することができました。
↑施設の近くには今も炭坑の坑道入り口跡がそのまま残っています。石炭展示室では、炭坑の仕組み、使われた機具、常磐炭田の歴史、石炭の利用法などがわかりやすく紹介されていました。今もなお、いわきの地下には、11億トンもの石炭が眠っているそうです。いずれまた炭坑が復活する日がくるのでしょうか。
市内3カ所の施設を視察し、よい勉強になった一日でした。
トロっちさん、ありがとうございました!