こちらの動画、御視聴頂けましたら幸いに存じます。
“ Silent Air ”
2007年作曲/TBS系「世界遺産」特番用楽曲から抜粋して改題



上掲“ Silent Air ”の御視聴をお願いしたわけでありますが、
“ air ”という単語を辞書で引いてみますと、
当然のこと「空気・大気・空・雰囲気」等々とあり、
それら以外の意味として、解説項目の一番最後あたりに、
例えばライトハウス英和辞典(研究社)には、
「楽曲・旋律」
プログレッシブ英和辞典・第2版(小学館)には、
「音楽の節(ふし)・旋律・メロディー・ソプラノ」
と載せられていて、どちらの辞書も、その用例として、
“ Londonderry Air(ロンドンデリーの歌)”を挙げています。



音の波が、空気を媒質として、その振動を伝えるということは、
空気の存在と、音の存在とは二つで一つということであり、
この物理現象が意味するところは、
音楽あるところ、必ずや空気あり。
空気なきところ、また音楽もなし。
という極めて自明の理でありますが、自明の理というものは、
それが自明であるがゆえに、普段は意識されることがありません。
この自明の理に想いを巡らせてみますと、
地球上で音楽を聴く、作る、奏でることが出来るということは、
地球が大気に包まれ、空気に恵まれた惑星であればこそ、
ということが浮かび上がってきます。
これを逆に申せば、
地球上で音楽を作ったり奏でたりするという行為は、
地球が大気に包まれ、空気に恵まれた惑星であるということを、
それを意識する、しないに拘わらず、
行為者自身が明らかにしている行為、ということになります。
すると、
地球上のありとあらゆる音楽は、どのようなジャンルや内容であれ、
また上手いとか下手とか、プロとかアマといった差異分別を超え、
その本質は、大気の存在を証明し、空気の恩恵を賛える・・・、
言わば〈大気圏賛歌〉であるようにも感じられ、
何気なく発し、また発せられる、ただ一つの音にさえ、
原始地球に生じた大気圏が、その後辿った46億年の歳月と、
現在の窒素主体空気へと変遷する数十億年の歳月が凝縮している、
そのようにも思われてきます。
人間と多くの生命にとって、欠くことの出来ない“ air ”。
「空気」と「音楽」、二つの意味を併せ持つ“ air ”。
一音を紡ぐ、一音を奏でる、一音を歌う・・・その一音には、
大気圏の存在と、地球が大気圏を持つに至った宇宙の全経緯と、
地球上での生命進化の全行程が宿っている。
“ air ”という言葉の魅力にいざなわれ、
ついついバイアスのかかった妄想の翼を広げてしまいました。
言葉の解釈としては、誇大に過ぎたかも知れません。
しかしながら、
〈音の細道〉を往く者、一音と向き合う者の心構えとしては、
少しも誇大ではなく、むしろ基本姿勢と心得ます。





“ Silent Air ”
2007年作曲/TBS系「世界遺産」特番用楽曲から抜粋して改題



上掲“ Silent Air ”の御視聴をお願いしたわけでありますが、
“ air ”という単語を辞書で引いてみますと、
当然のこと「空気・大気・空・雰囲気」等々とあり、
それら以外の意味として、解説項目の一番最後あたりに、
例えばライトハウス英和辞典(研究社)には、
「楽曲・旋律」
プログレッシブ英和辞典・第2版(小学館)には、
「音楽の節(ふし)・旋律・メロディー・ソプラノ」
と載せられていて、どちらの辞書も、その用例として、
“ Londonderry Air(ロンドンデリーの歌)”を挙げています。



音の波が、空気を媒質として、その振動を伝えるということは、
空気の存在と、音の存在とは二つで一つということであり、
この物理現象が意味するところは、
音楽あるところ、必ずや空気あり。
空気なきところ、また音楽もなし。
という極めて自明の理でありますが、自明の理というものは、
それが自明であるがゆえに、普段は意識されることがありません。
この自明の理に想いを巡らせてみますと、
地球上で音楽を聴く、作る、奏でることが出来るということは、
地球が大気に包まれ、空気に恵まれた惑星であればこそ、
ということが浮かび上がってきます。
これを逆に申せば、
地球上で音楽を作ったり奏でたりするという行為は、
地球が大気に包まれ、空気に恵まれた惑星であるということを、
それを意識する、しないに拘わらず、
行為者自身が明らかにしている行為、ということになります。
すると、
地球上のありとあらゆる音楽は、どのようなジャンルや内容であれ、
また上手いとか下手とか、プロとかアマといった差異分別を超え、
その本質は、大気の存在を証明し、空気の恩恵を賛える・・・、
言わば〈大気圏賛歌〉であるようにも感じられ、
何気なく発し、また発せられる、ただ一つの音にさえ、
原始地球に生じた大気圏が、その後辿った46億年の歳月と、
現在の窒素主体空気へと変遷する数十億年の歳月が凝縮している、
そのようにも思われてきます。
人間と多くの生命にとって、欠くことの出来ない“ air ”。
「空気」と「音楽」、二つの意味を併せ持つ“ air ”。
一音を紡ぐ、一音を奏でる、一音を歌う・・・その一音には、
大気圏の存在と、地球が大気圏を持つに至った宇宙の全経緯と、
地球上での生命進化の全行程が宿っている。
“ air ”という言葉の魅力にいざなわれ、
ついついバイアスのかかった妄想の翼を広げてしまいました。
言葉の解釈としては、誇大に過ぎたかも知れません。
しかしながら、
〈音の細道〉を往く者、一音と向き合う者の心構えとしては、
少しも誇大ではなく、むしろ基本姿勢と心得ます。




