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 ~ それでも世界は希望の糸を紡ぐ ~

早川太海、人と自然から様々な教えを頂きながら
つまずきつつ・・迷いつつ・・
作曲の道を歩いております。

宝塚記念 2025

2025-06-15 16:44:36 | 音楽関係
兵庫県宝塚市の名刹と言えば、紫雲山 中山寺(なかやまでら)。
聖徳太子の創建とされ、法統を伝えること千四百有余年。
本尊は十一面観世音菩薩。
平安末期の武将、多田行綱(ただゆきつな/生没年不詳)の伝説、
豊臣秀吉(1537~1598)の心願成就譚、
明治天皇(1852~1912)の誕生秘話等々に彩られた古刹は、

何より “ 子授け・安産 ” に霊験あらたかとされています。

中山寺から武庫川を越えた南に位置するのが阪神競馬場。
本日は “ 第66回 G1 宝塚記念 ” が開催されるということで、
先程、テレビ視聴ではありますが、
宝塚の空に鳴り渡る宝塚記念ファンファーレを聴きました。
音に迷いが無く、喨々として鮮やかな上、
最終小節には絶妙なリタルダンドが効いて、
いやぁ素晴らしい演奏でした。

                 

現況、早川が勤務先で寄り添わせて頂いている若い命は、
幼児期に罹患した病気により、
日常の動作や活動に大きな困難を抱えながらも、
元気いっぱい、命いっぱいに学校生活を送っています。
毎日毎時、私は彼からたくさんの学びを授かっておりますので、
ある意味で、彼は私の “ 先生 ” であります。
その若い命、
機嫌の良い時は笑い声を上げながら歩いてくれるのですが、
機嫌が悪くなると、途端にしゃがみ込み、座り込み、
テコでも動かなくなります。

彼には「音・音楽・音響」に対する感性や好奇心といったものが、
とても豊かに内在していると感じられますので、
座り込んで動かない時などは、まずは待ち、更に待ち、
やがて頃合いを見計らい、彼の名前を歌詞として連呼する、
自作ファンファーレを小さく口ずさんだりします。

♫ ◯◯君、◯◯君、さぁ立ち上がろう~ ♫

しかし “ 案の定 ” とでも申しましょうか、
一向に彼の心には響かず、今のところ試作は全て “ NG ” 。

『そんなファンファーレで立ち上がると思ったら大間違い』

毎度、若い命から授かる声なき声は、
我が身にとりまして、ありがたい学びでもあります。


“ Thunderbolt ” ~ 雷龍 ~
バ!、ヴァッ、ババヴァッ、ヴァババババババ、ピシッ、ダーン!

皆様、良き日々でありますように!


               









モニターヘッドフォン

2025-06-08 14:11:00 | 音楽関係
御覧頂くのが恥ずかしいボロボロのイヤーパッド。

今までは、その都度純正イヤーパッドを付け替えていましたが、


諸般の事情により、
今回は “ mimi mamo ” で応急処置であります。

こうしたイヤーパッド保護アイテムを使うのは初めて。


パッケージの中にはストレッチ素材のカヴァーが2枚。

使用しているヘッドフォンは、SONY MDR-CD900STで、
カヴァーメーカーの推奨サイズは “ L ” サイズ。


こんな風にグイーッと引っ張ってですね・・・



装着完了!

厳密に言えば、布1枚であっても音質は変わります。
只、現況の早川には、そのような厳密さは不必要。
お値段2千円ちょっとで、
何となく気持ちが新たになり、見た目も良い・・・、
そういった感覚の方が大切なのでありました。

さて、こちらは audio-technica ATH-R30x 。

“ オープンバック型 ” のモニターヘッドフォン。

先のSONY MDR-CD900STは “ クローズドバック型 ” 。
“ クローズドバック型 ” は、

ドライバー(音が発生する振動体部分)が内蔵されている、
ハウジング(ヘッドフォン本体部分)の背面が閉じているため、
ハウジングが共振し、この共振を利用した音作りが出来る上、
文字通り“ クローズド ” なので遮音性に優れ、
細部に至る音の作り込みに向いているとされ、

“ オープンバック型 ” は、

ハウジングの背面が開放されているので、
ハウジングの共振による人工的な周波数変換が無く、
ドライバーからの原音を聴きながら作業出来ますが、
外部の音を拾うことや視聴音の音漏れがあるので、
その辺りを気にしなくて済む自宅プリプロに向いていると、
そのように説かれていたりもします。

視聴用ヘッドフォンと違って「モニターヘッドフォン」は、
楽曲の出来、不出来に関わってくるので、
良い意味で “ こだわり ” をお持ちの方が多いように感じます。


~ Listening ~

皆様、良き日々でありますように!


               









ショパン直筆譜、新発見?

2024-11-17 15:46:23 | 音楽関係
秋も深まってまいりました。

神さびた佇まいは、城山八幡宮の境内摂社。


参道のモミジ葉も朱塗りの欄干と色を共にしながら、

“ 七五三 ” 詣りの御家族を迎えます。


本殿脇のタチバナには青い実が生り始めていました。

これから日を追うごとに暖かな橙色へと変じます。

                 

さて先月(令和6年10月)のことと記憶しますが、
「ショパンの直筆譜が発見された」との報道がありました。
ニューヨークのモルガン図書館・博物館において、
同館の学芸員が目録の作成作業中に見つけたのだそうで、
作曲された時期は1830年から1835年頃とのこと。
ショパン(1810~1849)が20代前半に書いたと思われる、
その楽曲は《イ短調》の “ ワルツ ” 。
48小節で演奏時間およそ80秒。

既に多くのピアニストの方々が動画サイト等で、
新発見された “ ワルツ ” の演奏を披露しておられるので、
お聴きになった方も多いことと思います。

今回見つかった直筆譜が、
本当にショパンの手で書かれたピアノ作品なのか?
それを調べるために、
旋律・和声・展開等々がショパン特有のものかどうかを始め、
楽譜に用いられた紙とインクの赤外線分析・紫外線分析、
ショパンが書く音符の特徴やクセを比較する筆跡鑑定等、
様々な分野の専門家による数々の調査手法が駆使された上で、
間違いなくショパンの作品と認定されたのだそうです。

楽譜を書くのに用いられたインクは、
“ 没食子(もっしょくし)インク ” と呼ばれるもので、
ヨーロッパでは9世紀~19世紀にかけて広く使われたそうです。
“ 没食子 ” というのは、
ブナ科植物の若芽が “ コブ ” 状になったモノのこと。
この没食子には “ タンニン ” が多く含まれていて、
没食子の抽出物を発酵させたり加水分解することで、
“ 没食子酸 ” が遊離し、
この没食子酸と硫酸鉄とを調合することで、
濃い色の黒インクを作り出すことが出来たのだとか。

年代特定・筆跡鑑定・楽曲分析等々、
科学的・学術的手法で本物か否かを鑑定してゆくというのは、
遺留品を調べ、証拠品や状況証拠等から真実に迫ってゆく、
ある意味「捜査」といった側面をも感じさせます。
ショパン没後175年、
今回の新発見を新発見たらしめたのは、
「歴史捜査官・音楽捜査官」とでも言うべき専門家たちの、
地道な調査研究と努力のお陰と申せましょうか。

                 

ところで先に記しましたように、
新発見の “ イ短調ワルツ ” が作曲されたのは、
1830~1835年頃ということですが、
パリに出て来たばかりのショパンが、
恩師のエルスナー(1769~1854)に宛てた、
1831年12月14日付けの手紙には、

『偉大な作曲家になるためには豊富な経験が必要で、
 他人の作品を聴くだけではなく、
 自分自身の作品を厳しく検討しなければなりません。』
(千蔵八郎「大作曲家があなたに伝えたいこと」
 100のアイデア / 春秋社より抜粋)

とあります。
“ イ短調ワルツ ” もまた、
検討に検討を重ねつつ書かれた楽曲なのかも知れませんね。
上掲の参考書籍には、こう書かれています。

『(ショパンの)作品の印象から言えば、
 モーツァルトやシューベルトと同じタイプの作曲家
 という感じで、なにか楽々と書いているように思いがちだが、
 「生みの苦しみ」という点では
 変わることがなかったようである。
 ジョルジュ・サンドが伝えるところによれば、
 ショパンは作曲しているときに、
 書いては消し、消しては書くということをよくやっていて、
 一ページを書くのに六週間もかかったということである。』
(引用元:上掲書)

“ 恋 ” は、お互いの「かっこ良さ」をアピールし合うもの。
“ 愛 ” は、お互いの「かっこ悪さ」を許し合うもの。

ジョルジュ・サンドが惹かれたのは、
『自分自身の作品を厳しく検討』し悩み続けるショパン。
どちらかと言えば「かっこ悪い」ショパンだったのでは?
などと想像を巡らせたりもしますが、
何にせよ、
書いては消し、消しては書くショパン。
一ページを書くのに六週間をかけるショパン。
ショパンの音楽が、
時も場所も超えて人々の心を魅了してやまない理由・・・、
その理由と秘密の一端を垣間みる想いがします。


“ 龍魂海笑 ”

皆様、良き日々でありますように!


               







Finaleがフィナーレに?

2024-09-01 14:39:14 | 音楽関係
緩慢な動きで列島各地に被害をもたらした台風10号。
皆様お住まいの地域は如何でありますでしょうか。
現時点(令和6年9月1日午後2時30分頃)では、
熊野灘辺りで熱帯低気圧に変わったとされますが、
ここ東海の地は、未だ風雨が強まるようであります。

本来ならば、
日本列島の上空辺りを流れているはずの偏西風が、
地球温暖化の影響で日本上空には流れておらず、
緯度の高い場所、つまり列島の北に在るため、
日本に到来した台風は偏西風に押し流されることなく、
徐行と迷走を続けたのだとか(諸説あります)。

いや、待てよ・・・、
確か地球温暖化の原因には、
産業革命以来の人類の活動全般が関与していたのでは?
すると台風10号の徐行と迷走は、
私たち自身が引き起こしているという側面が、
「無きにしも非ず」ということでしょうか。
何にせよ、
気象に限らず全ての事象・現象というものは、
大きく小さく関わり合い、
深く浅く影響を及ぼし合っているのでありましょう。

                 

さて、関東から東海へと転居して以来、
まことにお恥ずかしい話ですが、
ライスワークの海を泳ぎ渡り、漕ぎ渡るのが精一杯で、
ライフワークの海からは離れている日々であります。
只、地球の海がそうであるように、
海と海とは必ずどこかで繋がっているものと思いながら、
少しずつDAWに楽曲を打ち込んだりはしております。
そんな亀の歩みにも似た作業を続ける内には、
MIDIデータとして最終小節まで入力が完了した曲も。

只、この楽曲を “ 生きた音楽 ” とするには、
楽譜を作り演奏家に渡し、命を授けて頂く必要があります。
関東在住時には、
楽譜制作ソフト “ Finale ” を使用していたのですが、
PC破損を始めとする諸般の事情により、
同ソフトの使用が不可能となり、もし使いたいならば、
再度製品を購入し直す必要が生じていました。

そうした経緯もあって、
ここ何年も迷い続けていたのであります。
楽譜制作ソフトは何を使ったら良いのか?

そこで “ Finale ” 再購入を選択肢に入れつつも、
10年近く同ソフトを触っていなかったので、
イチから操作方法を覚えないとなぁ・・・などと思い、
楽器店でアドヴァイスを貰い帰宅したその日の夕方、
ネットニュースのトップに、

「業界に激震!楽譜制作ソフト “ Finale ” 開発/販売終了」

の見出し。
えぇぇぇ!?
“ Finale ” がフィナーレを迎えるとは・・・。
音楽業界のみならず音楽教育に携わる各種現場を含めて、
“ Finale ” は上位シェアを誇る標準ソフト。
ユーザーの方々には “ 寝耳に水 ” の事態でありましょう。

しかし良くも悪くも事態がこうなりますと、
軽々に “ Finale ” を購入しなくて良かったなぁ・・・、
と思うと同時に、ソフトの選択肢は一気に狭まりました。
いや、ほぼ一択。

さて・・・。


“ Dragon flies while singing Rachmaninov ”
~ ラフマニノフを歌いながら ~

皆様、良き日々でありますように!


               









宝塚記念 2024

2024-06-23 14:22:22 | 音楽関係
本日(令和6年6月23日)は阪神競馬場において、
JRA宝塚記念が開催されます。

今年(2024年)は、
宝塚記念ファンファーレの初演から四半世紀、
つまりは25年目の節目に当たるということで、
netkeiba ” 様から取材をいただきました。

“ netkeiba ” と言えば、
日本最大級の競馬情報サービスであり、
早川には畏れ多いことでありましたが、
丁重な御挨拶を頂戴した上に細やかな配慮を賜り、
楽しいひとときを過ごさせて頂きました。

またライターの方がお書き下さった記事は、
言葉のプロ、編集のプロの手に成るものだけに、
早川の散漫な受け答えから “ 真意 ” を抽出して下さり、
簡潔にして要を得たものに仕上げられていました。
(インタヴュー記事はこちら

“ netkeiba ” 編集部の秋田様、古川様、菅原様、
心から感謝を申し上げます。ありがとうございました。
また今回の取材に当たり、
J2サッカーチーム “ モンテディオ山形 ” の横山様に、
仲介の労をお取り頂きましたこと、
ここに厚く御礼申し上げます。ありがとうございました。

                 

「宝塚記念ファンファーレの主題による、
 ソプラノ・テノール・管弦楽のための讃歌
 “ TREASURE HILL ”」のスコア


                 

光陰、矢の如し。
自分の作曲したファンファーレを採用して頂いてから、
25年という歳月が流れたわけでありますが、
自分の曲が良かったから採用されたなどとは、
今の今まで一度も思ったことはありません。

このファンファーレを100人の方がお聴きになれば、
「いい曲だよなぁ」と思う方が50人、
「ひどい曲だなぁ」と思う方が50人と、
ピッタリ半分ではないにしろ、
評価や好き嫌いは、およそ半々に分かれることと思います。

では、なぜこの楽曲が選出されたのかと申せば、

“ 御縁(ごえん)”

私の楽曲と、楽曲選考者との間に、
たまたま “ 御縁 ” が結ばれた・・・と、
この一事に尽きるかと思います。

25年前に結ばれた “ 御縁 ” への感謝を忘れることなく、
また日々に紡がれる “ 御縁 ” を有り難く受け止め、
早川自身は今までと同様にトボトボと、
加えて若干ヨボヨボしつつ作曲の道を歩んでまいります。
今後とも、どうぞ宜しくお願い申し上げます。


『竜は一つの小さな赤い珠を吐いた。』
(宮沢賢治「竜と詩人」より)

皆様、良き日々でありますように!