「彼女は頭が悪いから」この本が発行から一年で第九刷発行、売れ続けているという。
各紙誌の書評面を席捲したというのにF氏に見せてもらうまで知らなかった。
月一回新川ホールでオープンしているワールドカフェの今日のテーマは
「女性の活躍」副題として「上野千鶴子さんの東大祝辞」だった。
「女性の活躍」を正面から論じること自体、笑ってしまう。
それほどに今の日本の現実からはほど遠いワードだと思う。
2018年7月に発行されてから東大の生協でランキング一位という
姫野カオルコ著「彼女は頭が悪いから」は複数の東大男子学生による
女子学生へのレイプ未遂事件を小説仕立てにした準ドキュメンタリー(?)
何をしても許されるという幻想が東大男子にあるという。
霞が関の官僚、法曹界、警察界など重要なポストに「東大閥」があって
日本という船の舵は彼らに握られている気がする。
今の政権は「女性を女性」と思っていない、もしくは一段下に見ている
ことは数々の失言からも隠しようがない。
政治家に女性が少ないのはもちろん、日常生活のあらゆる場で
「表にたつのが男性、後ろに控えて支えるのが女性」の日本。
言葉で現わしようがない違和感・閉そく感を感じる。
日本の歴史においてヒトのDNAにしみついている「差別意識」と
「エリート意識」「女性差別意識」は簡単にはくつがえらない。
この事件を生み出した東大生と、彼らを取り囲む家族や、日本の国
に、広がる根深い東大幻想の闇。
「女性が活躍するのは無理」と日本全体が思いこまされている。
「女性活躍」といいながら、その実、見え隠れするのは
「水をかけ、足をひっぱる人たち」が旗をふっているという皮肉。
今日のカフェの感想では「上野さんはっきり言ってくれてありがとう」
という声が多かった。
あの「東大」で東大生がびっくりするような祝辞は勇気がある、と
思いつつ、提言を真摯に受け取って社会は変わるべきと思う。
そうでもないと「女性」をやっていられない。