MARUMUSHI

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『沈まぬ太陽』。

2009-10-24 23:23:26 | 映画日記
『沈まぬ太陽』を観てきた。

すっごい長丁場の作品(上映時間:3時間30分)やけど、半分ぐらいの時間で、ちゃんと気を使って【Intermission】という形で10分間の休憩が入る。
人間ドラマを扱った作品やけど、飽きずに観ることが出来た。
面白かったわ。
(o,,゚Д゚ )


一応、フィクションということになってるけど、どう考えてもこれはJ○Lの話やな!
この辺が、どーも世間さんでは議論になってるらしい。
事実に限りなく近いフィクションというものは史実を捻じ曲げるということに繋がるのでは?という意見があるらしい。
原作を一切読んでないので、なんとも言えん所やけれど、映画を見る限りでは、誰かを批判したり、何らかの闇を暴いたりすることが目的じゃない作品なんじゃないかな?と思った。
確かに、航空機の墜落事故が大きなキーストーンになってる作品なんで、どうしても○ALを想像するし、《利根川首相》っていう登場人物はどうしたって中曽根元首相をモチーフにした役柄やなって言うのも分かってまうしね。そうなるとどうしても、あの御巣鷹山の航空事故の暗部を描いてるようには見てしまうわね。

俺は、どちらかというと、【王道】を行こうとする者と【覇道】を行こうとする者。その二者を描いた作品のように見えた。
どちらも同じ原点にいた2人の人間。
会社のためを思い、仲間のためを思い、同じ目標のために闘っていた2人。
一方は【王道】を、一方は【覇道】を行くことになってしまった。その対比が一つの見所のような気がする。

そして、この二者を描くことで作品にこめられたメッセージは、生きるとは?仕事とは?という問いかけなのではないかと思う。
作品で描かれている時代は今から二十年ぐらい前で、まだ、日本人は会社に滅私奉公するという風潮があった時代だ。そんな時代に、主人公は生き、会社から理不尽な仕打を受け、それでも会社を辞めず闘い続ける。
今の時代ならば、そんな体質の会社なら、とっとと辞めてしまうということになるのではないかと思う。
それでも彼は絶対に辞めようとはしなかった。
本当の滅私奉公とは、おそらく彼のような人物のことを指すのではないかと思う。決して会社に尽くしているのではなく、その会社に関わる客や仲間に尽くしているのが、彼なのだ。
彼のような生き方は、棘の道を行くことになる。スイスイと要領よくやったほうが、ずっと良い待遇を受けられるし良いポストに付くことだって出来るだろう。けれど、彼の生き方は【王道】なのだと思う。


とっても、重厚で面白い映画やけれども、一点だけ気になるところが。。。
CGのシーンがどうしても安っぽすぎると思うわ。酷いわ。
あと、写真が出てくる場面でも、もうちょっと上手にはめ込み合成したら?って思う。
その辺だけはちょっとなと思う。