くすり屋さんの独り言in北京

ヤクザ・イシ(石原 洋一)のブログです。環境・自然に興味あり。最近、中国の環境問題にシフトしました。

22日「ECO」より②

2010年10月25日 17時07分42秒 | Weblog
国家経済をより環境上適正なもの、つまり経済を「グリーン」に
する、という考え方が受け入れられた。しかし、「グリーン経
済」という考え方が持続可能な開発と貧困撲滅との関連において
どのように理解されるのか、そして、「グリーン保護貿易主義」
と発展途上国への融資における新たな融資条件を阻むために、国
際的にいかに対処すべきか、について、特に先進国と発展途上国
間で、いくつかの根本的な相違点を含む幅広い観点が見られた。
国連環境計画(UNEP)Achim Steiner 事務局長の声明の後、イエ
メンのAbdullah M. Alsaidi 大使は、G77と中国を代表して、
グリーン経済という考え方に関する社会集団の懸念を詳細に説明
することで、論争の口火を切った。声明の主眼に置かれたのは、
グリーン経済の範囲と見込まれる利益を理解することの必要性と、
リスクとコストを評価してその考え方の限界を明らかにする必要
性だった。
グリーン経済に関する社会集団の最初のコメントを進展させて、
Alsaidi 大使は以下のように述べた。「持続可能な開発を再定義す
る必要はありません。持続可能な開発という考え方を放棄して、
不正確に定義された抽象概念と置き換えるために議論を続けても、
その議論が妥当であるわけはありません。」
2012 年の会議へとつながるこの準備プロセスにおいて、国連加
盟国は、この新たな考え方が、取組の重複または持続可能な開発
という考え方を脇に追いやろうという試みにつながりうるのかど
うかを評価しなければならないと、G77は強調した。「グリー
ン経済」という考え方の限界を、完全に明らかにされるべきなの
である。
以下のような多くの疑問が社会集団から提起された。「グリー
ン経済」に基づくアプローチは、持続可能な開発のパラダイムに
価値を付加するものなのか? さもなければ、すでに合意された
持続可能な開発のための多国間の概念的枠組と競合するものなの
か? さらに、リオで合意された基本的な原則(アジェンダ21、
リオ宣言)や2002 年の持続可能な開発に関する世界首脳会議(ヨ
ハネスブルグ宣言、ヨハネスブルグ実施計画)とはどのように関
連するのか?
G77によると、「今まで、『グリーン経済』によって提供さ
れたアプローチは、国家間の不均衡をはっきりとは反映しておら
ず、そのことは、さまざまな開発課題、および、環境・経済・社会
的要素間で起こりうる多くの相互作用と解釈されている。
先進国と発展途上国の間の開発過程や経済および社会構造の根
本的な違いは、共通だが差違のある責任および各国の能力の原則
に捉えられてきた。この差違は、持続可能な開発にはたった一つ
だけのモデルはなく、ましてすべての国家にあてはまるような
『グリーン経済』などないのだという事実も指摘するものだ。
『グリーン経済』の定義では、ある程度の柔軟性と、各国の経済、
社会、環境における開発のレベルが異なることを考慮することが
必要だろう。『グリーン経済』への普遍的で一様なアプローチは
保証されないのだ。」
明らかにグリーン経済は、上述した懸念について、そして、資
源を生み出すための市場本位のアプローチ(既存のものも提案さ
れているものも)についても、もっと考える必要がある。市場本
位のアプローチが機能しておらず、気候変動枠組条約において発
展途上国がこのことに公然と異議を申し立てている重大な証拠が
ある。CBD 締約国は、十分に気をつけて、国連での多国間協調主義
を弱体化させる気がかりな傾向に荷担しないようにしなければな
らない。
(Translated by Y.Kosaka, T.Sasaki)

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