馬鹿バスケ

Brooklyn Comets(ABA)でのアシスタントコーチを終えて、今はNYでスタッツいじり。

数字で見るJBL 09-10

2010年01月10日 | バスケについて考える
折り返し地点を迎えたJBLのここまでのスタッツについて。

JBLのスタッツでいつも気になるのがUsage(40分当たりの攻撃回数)。ランキングを外国人選手に独占される中で、日本人選手が上位に食い込んでいるのをみると少し嬉しくなる。

# Name USG
1 クリフ ブラウン 36.7
2 エリック ドーソン 32.1
3 チャールズ オバノン 30.2
4 ラマー ライス 26.7
5 レジー オコーサ 26.7
6 ダラン セルビー 26.1
7 ロン ヘール 26.0
8 ジェラルド ハニーカット 25.4
9 タイラー ニュートン 24.8
10 コーリー バイオレット 23.6
11 川村 卓也 23.3
12 タイラー スミス 22.9
13 西村 文男 22.9
14 スコット メリット 22.8
15 エイドリアン カスタス 22.8
16 菊地 祥平 22.1
17 ジョシュ グロス 21.6
18 クリスチャン マラカー 21.4
19 竹内 譲次 21.3
20 山田 大治 21.2

1位のクリフブラウン(トヨタ)は、出場時間中の攻撃機会の実に半分以上(52%)に関与している計算。3位にもトヨタのオバノンが入ったが、この両者に共通しているのはパスをしてもボールがなかなか返ってこないところ。アシスト率(攻撃回数に占めるアシストの割合)はブラウンが3.3%(リーグで下から4番目の低さ)、オバノンが5.9%(同8番目の低さ)。オバノンのターンオーバー率が7.2%(リーグで下から4番目の低さ)と低いのは救い。

日本人では川村選手が昨年(Usage24.1回、リーグ12位)に引き続いて、今年もショット・クリエイト能力の高さを見せている。13位に入った西村選手は日立の控えのガード。ここまで攻撃機会を生み出せるのは凄いが、少し残念なのは得点効率がやや低いこと。Usageトップ20位の中で、True Shooting%(フリースローや3ポイントを考慮した得点効率)が下から2番目。ちなみに1番はエリックドーソンで、46.3%。三菱電機にとっては、攻撃の中心をになう選手がこの決定力では少しキツい。三菱電機のオフェンシブエフィシエンシー(攻撃回数100回当たりの得点)が97.9点でリーグ最下位なのは、この辺りに原因があるのかもしれない。

あとUsageトップ20位の中で、北海道の選手は18位のマラカー選手、20位の山田選手。ランク外で折茂選手(20.3回)、テイト選手(20.3回)、桜井選手(15.3回)となっており、他のチームに比べると攻撃機会が選手間で分散しているのがわかる。事実、FG成功数に占めるアシストの割合は46.5%とリーグ1位。まだ北海道の試合を見たことは無いが、比較的パッシング中心のオフェンススタイルと想像する。

JBLで大変だなと思うのは、チームの攻撃の中心を担う外国人選手が毎年のように入れ替わること。三菱電機にしても北海道にしても、去年から完全に外国人選手が入れ替わっている。例えばNBAであればトレードやドラフトで来る選手は大概対戦したことがあるか見たことがある選手であろうが、JBLでは大半のコーチやチームメイトにとっては練習初日までその選手のプレイスタイルや力量はわからないはず。戦略を立てたりケミストリーを醸成する上で、コーチングスタッフや選手の苦労は多いだろう。

続きは次回。


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