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先月、シャック初のLA凱旋と騒がれたHeat VS LakersをTV観戦した際に、Kobeがボールを持ち過ぎで、もっと他の選手、特にLamar Odomにオフェンスの負荷を分散すべき、と書いた。その際に自分の考えをちょっとまとめておいたのだが、忙しさにかまけて手付かずになっていた。最近ESPNを見ていると、Mark Jacksonあたりも同じようなことを言っていてその辺の議論が盛り上がって来ているので、まだまだ粗い部分を含んでいるが今のうちにアップしておこうと思った次第。
まずは、昨年と今年のKobeとOdomの成績をシュートについてのみ比較する。
(FGA=フィールドゴール試投数、FGM=フィールドゴール成功数。どちらも一試合平均。04年12月28日時点のもの)
Kobe Bryant Lamar Odom Combined
FGA FGM FG% FGA FGM FG% FGA FGM FG%
03-04Season 18.1 7.9 43.8% 14.1 6.1 43.0% 32.2 14.0 43.4%
04-05Season 21.0 8.3 39.3% 10.7 5.5 51.1% 31.7 13.7 43.3%
+/- 2.9 0.3 -4.5% -3.4 -0.6 8.1% -0.5 -0.3 -0.2%
コービーの一試合当たりのシュートは昨年に比べ約3本も増えている。シャックがいなくなった分のオフェンスを引っ張らなければならないとはいえ、かなり多い。無理なシュートが増えた為か、この時点でFG率はなんと4割を切っていた。よくバスケットのFG率5割は野球の打率3割に例えられるが、FG率4割以下は差し詰め打率2割前半といったところか。Kobeのキャリアで最低のFG%でも、ルーキーイヤーの41.7%である。逆にOdomはシュート数が昨年に比べ3.4本減った分、FG率はなんと8.1%アップしている。
この2人の成績から、「シュートを打てば打つ程、シュートの成功率は下がる」という、まあざっくりとした仮定が導き出せる。実際の経験に当てはめて見ると、確かにコートに立ってオフェンスに参加しているだけで、味方がセットアップしてくれる等して、ある程度のシュートチャンスは回ってくるものだが、そこから更に自分のシュートチャンスを増やそうとすると、当然ディフェンスのマークもきつくなるし、自分でカットインするなりしなければならなくなる。結果、成功率が下がっていく、ということ。
「FG試投数とFG%は負の関係がある」、それ程大きく外れてはなさそうだ。ということで、昨年と今年の数字を元に、この関係を数式にしてみると、こんな感じになる。
Kobe: FG% = (-1.55*FGA+71.9)/100
Odom: FG% = (-2.38*FGA+76.6)/100
Kobeの方が負の関係が弱い、というのもしっくりくる。普通、優れた選手であるほど、ディフェンスのマークがきつくなったりシュートの本数が増えても、FG率には余り影響が出ないものだ。
と、ここまで来て何をしたいかというと、この数式を使って、KobeとOdomの最適なシュート本数のバランスを導き出してみよう、というもの。具体的には、2人の一試合当たりのフィールドゴール試投数が現在と変わらない(31.7本)と仮定して、上記の2つの式をベースに、2人の合計のフィールドゴール成功数を最大にする、フィールドゴール試投数のバランスを求める。
ExcelのSolverを使って計算した結果が画像の通り。ちょっとよく見えないかもしれないが、Kobeのシュート数は18.6本、Odomは13.1本と出た。現状の数字と比較すると、下記の通りとなる。
Kobe Bryant Lamar Odom Combined
FGA FGM FG% FGA FGM FG% FGA FGM FG%
04-05Season 21.0 8.3 39.3% 10.7 5.5 51.1% 31.7 13.7 43.3%
Optimal 18.6 8.0 43.0% 13.1 6.0 45.8% 31.7 14.0 44.2%
+/- -2.4 -0.3 3.7% 2.4 0.5 -5.3% 0.0 0.3 0.9%
一応、Kobeは2.4本シュートを減らした方が2人の合計のオフェンスのProductionが増加する、という数字が出た。悲しいかな、それで増えるシュートの成功数がたったの0.3本、という事実。ここまで大袈裟に計算しておいて、この程度かよ、と思った方も多いのでは。仰るとおりです。お恥ずかしい。。。
言ってしまえば、そもそも仮定に無理があって、例えばKobeのシュート率が下がっていることの原因は、当然ながら単純にシュート本数が増えたからだけではなく、
1.システムの変化(トライアングル→アイソレーションを中心としたオフェンス)
2.シャックという周りの選手にシュートチャンスを作れる絶対的な存在がいなくなったこと
などなど。昨年と今年の数字は単純に比較できない。更に、昨年と今年という大雑把な比較ではなく、今年の一試合ごとにこの2人の選手のFG試投数とFG率の関係を比較すると、負ではなく正の関係が出てくる。数学に詳しい人が見たらきっと笑われていることだろう。
やたら時間を掛けてしまってこのままお蔵入りさせるのがもったいないから、強引なのを承知で無理やりアップしてしまったという姿勢がバレバレ。とはいえ、Kobeがもう少しボールをシェアすべきという考えに、一つの見方を提示できたと思う。実際、アメリカではこの手のQuantitative Analysisがスポーツでもガンガン使われていて、これをもっと複雑にして、アシストなども含めたボールの保有頻度とオフェンスの効率性を比べる、なんて分析もある。勉強あるのみですな。
Kobeは今のNBAにおいて、間違いなくOn-ballではNo.1の選手である。これは先日、彼の前ヘッドコーチであったPhil JacksonもBest Damn Sports Show PeriodというTV番組(John Salleyがレギュラー出演)の中で認めていた。ただPhil Jacksonは更に、勝つチームを作るとしてまず一人だけ選手を選べるとして、誰が欲しいかと聞かれたら、迷いなくシャックだと答えていた(ように私の拙い英語では理解できた)。得点を取るだけでなく、他の選手にシュートチャンスを作れる、オフェンスのフローを作れる、またディフェンス面でも相手を脅かすことのできる選手、ということだろうか。
単に個人技に優れた選手が、チームに勝利をもたらすことのできる選手ではない。言うまでもなくKobeもそれを理解していると思うが、それをプレイで表現できるようになった時のKobeは、相手チームにとっては今よりもはるかに計り知れない脅威となっている筈。その時期が早く訪れることを望みたい。
まずは、昨年と今年のKobeとOdomの成績をシュートについてのみ比較する。
(FGA=フィールドゴール試投数、FGM=フィールドゴール成功数。どちらも一試合平均。04年12月28日時点のもの)
Kobe Bryant Lamar Odom Combined
FGA FGM FG% FGA FGM FG% FGA FGM FG%
03-04Season 18.1 7.9 43.8% 14.1 6.1 43.0% 32.2 14.0 43.4%
04-05Season 21.0 8.3 39.3% 10.7 5.5 51.1% 31.7 13.7 43.3%
+/- 2.9 0.3 -4.5% -3.4 -0.6 8.1% -0.5 -0.3 -0.2%
コービーの一試合当たりのシュートは昨年に比べ約3本も増えている。シャックがいなくなった分のオフェンスを引っ張らなければならないとはいえ、かなり多い。無理なシュートが増えた為か、この時点でFG率はなんと4割を切っていた。よくバスケットのFG率5割は野球の打率3割に例えられるが、FG率4割以下は差し詰め打率2割前半といったところか。Kobeのキャリアで最低のFG%でも、ルーキーイヤーの41.7%である。逆にOdomはシュート数が昨年に比べ3.4本減った分、FG率はなんと8.1%アップしている。
この2人の成績から、「シュートを打てば打つ程、シュートの成功率は下がる」という、まあざっくりとした仮定が導き出せる。実際の経験に当てはめて見ると、確かにコートに立ってオフェンスに参加しているだけで、味方がセットアップしてくれる等して、ある程度のシュートチャンスは回ってくるものだが、そこから更に自分のシュートチャンスを増やそうとすると、当然ディフェンスのマークもきつくなるし、自分でカットインするなりしなければならなくなる。結果、成功率が下がっていく、ということ。
「FG試投数とFG%は負の関係がある」、それ程大きく外れてはなさそうだ。ということで、昨年と今年の数字を元に、この関係を数式にしてみると、こんな感じになる。
Kobe: FG% = (-1.55*FGA+71.9)/100
Odom: FG% = (-2.38*FGA+76.6)/100
Kobeの方が負の関係が弱い、というのもしっくりくる。普通、優れた選手であるほど、ディフェンスのマークがきつくなったりシュートの本数が増えても、FG率には余り影響が出ないものだ。
と、ここまで来て何をしたいかというと、この数式を使って、KobeとOdomの最適なシュート本数のバランスを導き出してみよう、というもの。具体的には、2人の一試合当たりのフィールドゴール試投数が現在と変わらない(31.7本)と仮定して、上記の2つの式をベースに、2人の合計のフィールドゴール成功数を最大にする、フィールドゴール試投数のバランスを求める。
ExcelのSolverを使って計算した結果が画像の通り。ちょっとよく見えないかもしれないが、Kobeのシュート数は18.6本、Odomは13.1本と出た。現状の数字と比較すると、下記の通りとなる。
Kobe Bryant Lamar Odom Combined
FGA FGM FG% FGA FGM FG% FGA FGM FG%
04-05Season 21.0 8.3 39.3% 10.7 5.5 51.1% 31.7 13.7 43.3%
Optimal 18.6 8.0 43.0% 13.1 6.0 45.8% 31.7 14.0 44.2%
+/- -2.4 -0.3 3.7% 2.4 0.5 -5.3% 0.0 0.3 0.9%
一応、Kobeは2.4本シュートを減らした方が2人の合計のオフェンスのProductionが増加する、という数字が出た。悲しいかな、それで増えるシュートの成功数がたったの0.3本、という事実。ここまで大袈裟に計算しておいて、この程度かよ、と思った方も多いのでは。仰るとおりです。お恥ずかしい。。。
言ってしまえば、そもそも仮定に無理があって、例えばKobeのシュート率が下がっていることの原因は、当然ながら単純にシュート本数が増えたからだけではなく、
1.システムの変化(トライアングル→アイソレーションを中心としたオフェンス)
2.シャックという周りの選手にシュートチャンスを作れる絶対的な存在がいなくなったこと
などなど。昨年と今年の数字は単純に比較できない。更に、昨年と今年という大雑把な比較ではなく、今年の一試合ごとにこの2人の選手のFG試投数とFG率の関係を比較すると、負ではなく正の関係が出てくる。数学に詳しい人が見たらきっと笑われていることだろう。
やたら時間を掛けてしまってこのままお蔵入りさせるのがもったいないから、強引なのを承知で無理やりアップしてしまったという姿勢がバレバレ。とはいえ、Kobeがもう少しボールをシェアすべきという考えに、一つの見方を提示できたと思う。実際、アメリカではこの手のQuantitative Analysisがスポーツでもガンガン使われていて、これをもっと複雑にして、アシストなども含めたボールの保有頻度とオフェンスの効率性を比べる、なんて分析もある。勉強あるのみですな。
Kobeは今のNBAにおいて、間違いなくOn-ballではNo.1の選手である。これは先日、彼の前ヘッドコーチであったPhil JacksonもBest Damn Sports Show PeriodというTV番組(John Salleyがレギュラー出演)の中で認めていた。ただPhil Jacksonは更に、勝つチームを作るとしてまず一人だけ選手を選べるとして、誰が欲しいかと聞かれたら、迷いなくシャックだと答えていた(ように私の拙い英語では理解できた)。得点を取るだけでなく、他の選手にシュートチャンスを作れる、オフェンスのフローを作れる、またディフェンス面でも相手を脅かすことのできる選手、ということだろうか。
単に個人技に優れた選手が、チームに勝利をもたらすことのできる選手ではない。言うまでもなくKobeもそれを理解していると思うが、それをプレイで表現できるようになった時のKobeは、相手チームにとっては今よりもはるかに計り知れない脅威となっている筈。その時期が早く訪れることを望みたい。
マー君のブログを見ていたら、リンクがはってあったので思わず読み込んでしまいました。
これからも楽しみにしてるよー。
Nexttextブログと馬鹿バスケを両方毎日読んでたら、予習できません。マジやば。これからも楽しみにしてます。
また一緒にコンセコに行ってください。個人的にはLebronとKobeは生で見ておきたいなぁ。。。
ちょっと感動しました。
アイバーソンにも同様のことが言えますかね?
という訳で今後もよろしくお願いします。