Raptors VS Knicks

（MSGに向かう途中、立ち寄ったデパート、Macy'sの外観。街はすっかりクリスマスムード）

注目している若手選手の多いRaptors戦。昨年見た時は、わが師Gene Keadyがまだアシスタント・コーチとして働いていたっけ。

席に座ってまず驚いたのは、Raptorsへの声援が多かったこと。確かにニックスがだらしがないのは判るけど、いきなりそれはないだろう？と思っていたら、会場にはスパニッシュ系の観客が非常に多く来ていて、Raptorsに在籍するスペイン人選手の二人、Jorge GarbajosaとJose Calderonに向けて大きな声援が送られていたのだった。

最近好調のEddie Curry対策として、RaptorsのスタメンにはNesterovicが入り、そこにChris Bosh（6-10）とGarbajosa（6-9）を加えた大型フロントライン。序盤はChris BoshとDavid Leeのミスマッチを中心に攻め込み点差をつける。Leeは間違いなく今ニックスのベストプレイヤー。ボール持ちたがりのくせにシュートが入らない選手がこれだけ多いニックスでは、Leeのようにひたすら人の打ったシュートにオフェンスリバウンドに飛び込んでいく選手は不可欠。ただサイズがないのが玉に瑕。この日はミスマッチもあり早々にファウルトラブルにつかまり、あまりいいところが見られなかった。

Curryに対してNesterovicが二つ目のファウルを犯すと、代わりに出てきたのは今年のドラフト1位、Bargnani。この試合では控えのセンターとして起用されていた。まだミスは多いものの、思ったよりNBAに適用できているし、まだ21歳。この先が楽しみな選手。

一つどうしても気になった点。自分がEddie Curryだとして、今年6年目と経験もあって、ここ4試合連続で20点以上あげていて調子がいい。マッチアップしてきたのはBarnani。ルーキーで、更に体重差は60パウンド（約27キロ）もある。更に言うと、Barnaniは今シーズンここまで5.6分に1回のペースでファウルを犯しており（一昨年の数字に当てはめればリーグワースト8位のペース）、所謂"Foul Prone"（試合中に細かくスタッツを調べる機会はないだろうが。。。）。僕だったら「ボールを貸せ！」と叫ぶところ。

ところが、一向にCurryにその気が見られないし、ニックスもCurryを使おうという動きが見られず、相変わらずガード陣がドリブルに酔っているだけ。逆にRaptorsは、素直に相手の弱点をついていて、Curryが外に出てこられないのをいいことに、Barnaniが楽にシュートを決めていた。

終盤になってようやくCurryに火がつき、彼の活躍で追いつくも最後は僅差で負け。もっと早くやってりゃよかったのに。あとは気になった選手についてコメント。RaptorsのスタメンPG、TJ Fordのスピードは凄い。今日は終盤のディシジョン・メイキングの悪さがちょっと目立った。控えのPG、Jose Calderonはドリブルの姿勢、顔の上げ方がよく、ミスも少ない。日本のチビッコにはぜひ真似をして欲しい選手。

一方のニックス。Nate Robinsonは相変わらず力任せにリバウンドに飛び込んでいったりと、身体能力の高さを競っているのかと疑いたくなるほど。クロスオーバーでディフェンスを崩したりと、そういった派手さが観客に受けている理由だが、試合に勝つにはそんなこと全く必要ないのだと誰か指摘してあげた方がよいのでは。ここのところルーキーのRenaldo Barkmanの出場時間が伸びてきている。非常に運動能力が高く、スプリンターのようなバネと体躯はロッドマンを想起させる。ディフェンスリバウンドを取って自らドリブルでボールをフロントコートに持ち込むこと（ミスに繋がることが多いし、他にボール運べる選手いないんだっけ？）と、アウトサイドに浮いてきて3Pを打つこと（他に3P打てる選手いないんだっけ？）は、やめた方がいいように思う。

とにかく両方のチームとも若く、スクリーンのコミュニケーションやトランジションディフェンスでのミス等、粗さが目立ったが、将来性のある選手を多く見られて実に楽しかった。