我が家からの起点となっている駅が今日から無人化になりました。
JR本線から別れ、私鉄に乗り換え２０分ほどですが、この私鉄線が敷設されたのは１２６年前、この地方では最も古く、当時使われていた車両は明治村に移され、今も村内を走っているというのですから、いかに歴史があるか分かります。
この路線の中では唯一の有人駅でけっこうな乗降客がいる駅です。
しかし、自動化に伴い、切符を買う人は少なくなり、人員削減は時代の流れです。
最後の日、私は駅で「ご苦労様でしたね。写真撮らせてください。」と言って写真を撮ってきました。
駅員さんは快く応じてくれました。
１２日の終電をもって人がいなくなりました。
今日はシャッターが下りています。
今まで、設置されていたベンチもパンフレットもありませんでした。
がらんとした寂しい感じです。
私の知人に軽度の自閉症の人がいます。
彼はこの駅から毎朝出勤するのですが、決まって自分が乗車する一本前の電車を見送ってからホームに入ります。
つまり、普通の人より早く来て、駅のベンチに座って時間を過ごすのです。
何をするわけでもないけれど、それが彼の行動パターンなのです。
私は時々声をかけたことがあります。「元気で行ってらっしゃい」と。
明日の朝はベンチがありません。
彼は月曜日からも今まで通りの時間に駅に来るでしょうか。
２０分ほどの時間を立ったまま過ごすのでしょうか。
うろうろするのでしょうか。
それとも少し遅く来るのでしょうか。
自閉症の人はパターンが崩れると困惑するといいます。
よく知っている人なので気になります。
月曜日の朝ちょっと見に行って声をかけてこようかな。
