一二月のうた

特別なこともなく、あれこれやっていたらいつの間にか12月。
あと1か月で今年も終わり。

なんだかこの頃あっという間に時間が過ぎる気がします。
やることがいっぱいあった昔と、せかされることのない今とではどうしてこんなにも時間感覚が違うんでしょう。

おいしくなあれと一生懸命料理を作った、咲き終わったツワブキをご苦労様と言って刈り取った、毎日描こうと選んだ絵を一生懸命描いた。
それなりに充実しているにもかかわらず、です。

何気に押し入れを開けたら、ファイルに入ってた。
７年前朗読講座で学んだ作品が出てきました。

　　　十二月のうた　　　茨木　のり子

　熊はもう眠りました
　栗鼠もうつらうつら
　土も樹木も
　大きな休息に入りました

　ふっと
　思い出したように
　声のない　子守唄
　それは粉雪　ぼたん雪

　師も走る
　などと言って
　人間だけが息つくひまなく
　動きまわり

　忙しさとひきかえに
　大切なものを
　ぽとぽとと　落としてゆきます


朗読講座に行ってたのが昨日のようです。
もう7年も経ったんだ。

私は大切なものをぽとぽと落としてきたのだろうか。