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LOGGYと竹坊の物見遊山

高輪二本榎界隈 ー後編ー

2013-11-24 | 建築散歩

後編は、高輪消防署二本榎出張所をご紹介。

1933年(昭和8年)に越智操の設計で建てられたこの建物は、
近代建築遺産(ドイツ表現主義)として「東京都選定歴史的建造物」に選定されている。

1階の腰壁は花崗岩の切り出し積み、ひさしや窓台は左官洗い出し仕上げ、
玄関は御影石に木の扉でできているという。


入口受付で見学手続きをして、署員の方に内部を案内して頂く。


階段を上り、3階の円形講堂へと向かう。


ドイツ表現主義の曲線や曲面をモチーフにした階段や柱。


円形講堂は、8本の梁が中心に集まり、10個のアーチ窓と一体となった独特のデザインだ。


講堂内には昔使われていた消防機材や衣装、火の見櫓だった頃の模型なども展示されていた。


↓丸窓(左)や円柱と天井の間に3段のコーニス(右上)、アールヌーボー風ガス灯(右下)も残っていた。


通常の見学ルートはここまでなのだが、
今回に限り望楼部分の見学も特別に許可して頂いた。

幅狭い階段を慎重に上っていく。丸窓下にも装飾がある。

さらに階段を上り、最上部の飾り部分を内側から見上げる。


階段を下り、3階テラスに出て望楼を見上げる。


建築当時は近くに高い建物が無く、東京湾を眼下に眺望できた事から
「岸壁上の灯台」や戦艦三笠にたとえられ「海原を行く軍艦」等と評されていたそうだ。
その外観から出張所を船首、隣の警察署が船尾と言われた事もあったという。
実際、昭和50年代頃までは望楼としての役割を果たしていたが、今は周囲に
マンションが建ち並び、その役割を終えたそうだ。

↓テラスから白金台方面を望む。


↓こちらは田町方面の眺望。以前ご紹介した高輪台小学校の全景が見える。


ちなみに高輪台小学校から見た二本榎出張所は↓こんな感じ。


さらにテラスから2階に下りると、出動時に消防車まで急降下する為の「すべり棒」があった。

これも現在は使われていないそうだ。

さて、今年は高輪消防署開署80周年という事で、1945年から1964年まで
配置されていた国産第1号ポンプ車が半世紀ぶりに里帰り展示されていたので、
そちらも撮影させて頂いた。




今回ふらりと見学に立ち寄ったLOGGYにつき合って
親切、丁寧に説明して頂いた署員さんには大感謝である。
最後にライトアップした消防署の華麗な姿をご覧頂き、
今回のレポを終了する。

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