*ご注意*
*腐女子や同人誌の意味が解らない方や気分を害される恐れのある方は此処で御帰院してくださいませ。*
一個人の妄想なのでSprayとは一切関係ありません。腐女子や同人誌の意味をご理解頂けた方だけ此処から先へどうぞ。
破れナベに綴じフタ (4)
破れナベに綴じフタ (5)
片桐自身は御堂が自分の事をどう思っているのか知らない。プロトファイバーのきっかけが無ければ御堂に近寄る理由もない。
佐伯と付き合い結婚してから佐伯に励まされ自信がつき自分を愛してくれる恋人へ応え片桐は仕事を率先して行動した。
今やMGNとキクチマーケティングのパイプ役として勤め双方から絶大に信頼されている。キクチマーケティングでも営業8課は一目おかれる課となり
片桐自身は皆のお陰でと思っているが片桐の穏やかに気配りしているので営業8課の仕事する雰囲気もよくチームワークも優秀。
片桐の本領発揮と裏表もないも対応だからこそ御堂は特に片桐をお気に召した。御堂は片桐とキクチマーケティングの営業8課ごとをMGNに引き抜こうか真剣に考えている。
「片桐さんは私の事をどう思っているのです??」
「キクチマーケティングとして微力ながら御堂部長さんの為に力に成れれば嬉しいです。」
「私が言っているのは仕事の事ではない。」
「えっ??その…僕は」
「私は個人的に貴方に好意を感じたと言うのに…」
御堂の告白を聞き片桐は衝撃を受けたまさかそう思われていたなんて~片桐は驚きを隠せず両手で口元を塞いだ。そんな片桐を見つめる御堂は深い溜め息をついた。
片桐は俯き胸元で両手を握りしめて考え込んでしまう。御堂の個人的な好意を知り戸惑う仕事なら応えられるが自分が心から愛するのは佐伯だけ。
「貴方の返答は聞かずとも判る。片桐さんは私と食事をするのも嫌なのか??」
「嫌じゃないです。でも…困ります。」
「困る??ふっ佐伯が貴方を規制しているのかそれが原因か。」
俯いてた顔を上げて片桐は御堂を見た。その表情は自らの強い意識を伝える表情であり片桐は叫んだ。
「違います!!僕は佐伯君を傷つけたくないだけです。」
佐伯からすれば御堂は自分に対して面白半分に片桐をからかっている様に思っている。もし、佐伯に説明したとしても恋人は嫌がるはず。
本多や営業8課の部下達と食事や飲みに誘われても佐伯は特に何も言わないし佐伯も同じ様に仕事の付き合いで飲んで来る。
片桐はまた俯いてしまいどう言っても御堂には伝わらなそうで言葉を選び悩む。そんな片桐を見つめる御堂に霧島は話しかける。
「孝典様、一度、片桐さんと佐伯君を交えて個人的にお食事を兼ねて話しをしてみてはどうでしょう??佐伯君は孝典様の事を誤解している様です。」
「佐伯が私に対して誤解だっと??」
「その事は後ほどお話し致します。」
そんなやり取りをしているとまた周囲が騒がしい。いつもの楽しく会話をしている雰囲気とは違いさっきの御堂と同じ様なざわめきである。
聞き慣れた声で名前を呼ばれる。
「稔さん」
片桐と御堂の間に割り込む様に佐伯は立つ。佐伯は心配した表情で油断した隙に御堂が片桐にちょっかい出しているの見て慌てて料理教室へ入って来たのだ。
相手が御堂ではなければ少し覗いて帰るつもりだったがこんな危険な場面を見て立ち去る事は出来ない見ぬふりをして帰れる訳がない。
佐伯の後を慌てて追いかけて料理教室の講師がやって来た。 佐伯と御堂の廻りの気配は緊迫した雰囲気が漂うが片桐は恋人の助けが入り嬉しさのあまり佐伯の腕にしがみつく。
御堂に背中を向けて佐伯は片桐と向き合う腕にしがみつく恋人に優しく佐伯は片桐の頬を撫でる。霧島だけならまだいいが御堂の襲撃は怖かった。
「稔さん、もう大丈夫ですよ。」
「克哉君。」
いつもなら廻りの事を第一に考える片桐だったがそれ程に怖かった。もし、佐伯が助けに来なかったら料理を作り終わったらきっと御堂と霧島に良いように言いくるめられて連れ出された可能性は確実。
御堂はそんな二人を見飽きたらしく傍に居る霧島に話しかけた。
「地下のリカー売り場で赤ワインを購入してこの料理教室に戻って来る赤ワインに合う美味しい料理を楽しみにしている。」
「はい、行ってらっしゃいませ。お帰りをお待ちしております。」
そう言うと御堂は料理教室から出て行ったその後ろ姿を霧島はいつもの様に深々とお辞儀し見送った。
霧島は料理台へ戻り料理を作る準備をすると講師がやって来たので霧島は料理を出来る事を説明する。
「私は大丈夫です。片桐さんとあの青年をゆっくり話せる場所に案内して差し上げてください。」
料理教室の講師は窓辺に居る片桐と佐伯の方へ向かった。
破れナベに綴じフタ (6)