※この小説はアニメ黒執事を基に、二次創作として執筆しております。
一個人の解釈なので、原作やアニメ制作会社、出版社とは一切関係ありません。
その点をご理解いただき、お読み下さる様お願いいたします。
■黒執事S.R.S. 白薔薇の花束 その執事、帰京(ききょう) (7)
それから、数日後の事のシエルのマナーハウス。
シエルは青緑のスーツを着て書斎のデスクチェアーに座り脚を組み、デスクには幾つもの新聞が広げられていた。挙式(きょしき)での騒動を、どの新聞の見出しの一面には大々的に取り沙汰(ざた)され書き上げられた新聞を隈(くま)なくシエルは読んでいた。セバスチャンはシエルの脇に立ち控えて居た。
バルドとフィニは以前と同じ使用人の衣服を着てデスク前に、縮こまりシエルの様子を伺って居る。シエルは溜め息をつき、バルドとフィニに話し出す。
「お前達、幾らなんでもやり過ぎだ。怪我(けが)人が一人も出てないから、不幸中の幸(さいわ)いでそれだけだ。あんな物を撃(う)つし、器物破損だぞ。」
シエルの方を向きセバスチャンは言う。
「坊ちゃん、それを言うなら公共物破壊ですね。」
「どっちでも良い。バルドお前が破壊した物の、賠償金はエリザベスの学友の両親が全額払うと、言って来たから大丈夫だ。」
バルドはそれを聞きシエルに言う。
「なら、一発でなく二、三発撃(う)ち込んでやれば良かったなぁ。あははは。」
セバスチャンは剣(けん)のある、鋭い視線でバルドを睨み名前を呼ぶ。
「バルド。」
「はいはい。」
「破壊の賠償金の話しは終わりだ。フィニの話しを聞こう。」
フィニはそうシエルに言われ、俯いていた顔を上げた。フィニには今にも泣き出しそうな表情で瞳には、大粒の泪(なみだ)を湛(たた)えている。
挙式(きょしき)の騒ぎの後もエリザベスは大学へ以前と変わらず通っていて、ポーラもエリザベスの侍女として生活を送っておりシエルとセバスチャンは帰って来た。
タナカは一度は死んだっがセバスチャンにより幻影として、この世に繋ぎ留(とど)められた事がロンドン炎上後に発覚しタナカはスピアーズに全てを話した。存在しない者は、もう独(ひと)りはメイリンだけ。
泣き声混じりにシエルにフィニは話す。
「坊ちゃん──────── メイリンは…‥」
「あぁ、それでだ今日から、メイドを雇用する。」
バルドとフィニには声を揃えて叫ぶ。
「メイリン以外の、メイドなんて嫌です!!」
続けてバルドは話し出す。
「坊ちゃん、そんなのは、絶対に反対だ!!」
バルドは立腹(りっぷく)な表情で隣のフィニは今にも大泣きしそうな表情である。デスクの前で立って居る二人をシエルは見つめ、不敵(ふてき)に笑い二人に問い掛けた。
「なら、メイドの顔を見てから、雇用をお前達が決めろ??お前達が嫌なら雇用はしない。」
シエルのその問いにバルドは勢いよく返答をする。
「そんなの、当たり前だ。」
セバスチャンはバルドの返答に飽きれバルドに注意をする。
「バルド、口を慎(つつし)みなさい。」
シエルの書斎の扉が五回ノックされた。
「入れ。」
書斎の扉が開き、そこに立って居たのは─────── 何も変わらないメイド服姿のメイリンだった。
「メイリン!!」
二人は同じくメイリンの名を呼んだ。
ただ一つ以前と異なるのは牛乳瓶(びん)の底の様な、ぶ厚いレンズの眼鏡(めがね)をしてないだけであった。その替わりに愛らしい鼻の上にのせてタナカがしていた小さな眼鏡(めがね)と似た同様の、お洒落(しゃれ)な眼鏡(めがね)にチェーンが付いた物を装着していた。
その眼鏡はシエルと共にメイリンが人間界へ行く為にシエルがフレイアに命令し、フレイアがメイリンの為に作った眼鏡(めがね)。
バルドはこの世に存在する事のない、メイリンを見て言葉を無くし立ち尽くす。
「おい、嘘だろ!?」
フィニは喜び叫ぶ。
「メイリンだよね?? 絶対にメイリンだよ。」
フィニに名前を呼ばれ、メイリンは泣き笑いをする表情で二人を見つめ呼んだ。
「フィニ───────」
「メイリン!!」
フィニは走り出しメイリンにしがみつきお互いを抱きしめ合いフィニは泣きじゃくる。
「メイリンは、あの日に──────」
シエルはバルドに問い掛ける。
「バルドお前がそう思うなら、そう思え。何があっても、三人揃ってファントムハイヴ家の、使用人と言ったのをセバスチャンから聞いたぞ??」
メイリンはフィニを抱きしめながら、バルドを見つめる。フィニもバルドの方を向きバルドを呼んだ。
「バルド~ メイリンだよ。」
メイリンとフィニを見つめ、バルドは正面に居るシエルへ向き直る。
「あぁ、何があっても仲間の顔を忘れる訳じゃ、ねぇ───── 坊ちゃん貴方(あなた)は一体どこで何を??」
くるりと座ったままデスクチェアーを回転させ、シエルはバルドに背を向ける。
「ほぉ、今度は主人である僕を疑うのか??主人を信じられない、仲間を信じられないそんな使用人は不要だな。僕は右目を治療して来ただけだ。」
バルドはメイリンに走り寄り、バルドもメイリンを抱きしめた。
シエルは座ったまま、デスクチェアーを回転させ正面を向き直り三人に言う。
「雇用は決まりだな。そうと決まれば、お前達、仕事だ!!」
三人は横一列に並び左手をびっしと額(ひたい)に付け、敬礼のポーズを取り決めてシエルに元気良く返答した。
「いえす~まい ろーど!!」
黒執事S.R.S. 白薔薇の花束 (8)
一個人の解釈なので、原作やアニメ制作会社、出版社とは一切関係ありません。
その点をご理解いただき、お読み下さる様お願いいたします。
■黒執事S.R.S. 白薔薇の花束 その執事、帰京(ききょう) (7)
それから、数日後の事のシエルのマナーハウス。
シエルは青緑のスーツを着て書斎のデスクチェアーに座り脚を組み、デスクには幾つもの新聞が広げられていた。挙式(きょしき)での騒動を、どの新聞の見出しの一面には大々的に取り沙汰(ざた)され書き上げられた新聞を隈(くま)なくシエルは読んでいた。セバスチャンはシエルの脇に立ち控えて居た。
バルドとフィニは以前と同じ使用人の衣服を着てデスク前に、縮こまりシエルの様子を伺って居る。シエルは溜め息をつき、バルドとフィニに話し出す。
「お前達、幾らなんでもやり過ぎだ。怪我(けが)人が一人も出てないから、不幸中の幸(さいわ)いでそれだけだ。あんな物を撃(う)つし、器物破損だぞ。」
シエルの方を向きセバスチャンは言う。
「坊ちゃん、それを言うなら公共物破壊ですね。」
「どっちでも良い。バルドお前が破壊した物の、賠償金はエリザベスの学友の両親が全額払うと、言って来たから大丈夫だ。」
バルドはそれを聞きシエルに言う。
「なら、一発でなく二、三発撃(う)ち込んでやれば良かったなぁ。あははは。」
セバスチャンは剣(けん)のある、鋭い視線でバルドを睨み名前を呼ぶ。
「バルド。」
「はいはい。」
「破壊の賠償金の話しは終わりだ。フィニの話しを聞こう。」
フィニはそうシエルに言われ、俯いていた顔を上げた。フィニには今にも泣き出しそうな表情で瞳には、大粒の泪(なみだ)を湛(たた)えている。
挙式(きょしき)の騒ぎの後もエリザベスは大学へ以前と変わらず通っていて、ポーラもエリザベスの侍女として生活を送っておりシエルとセバスチャンは帰って来た。
タナカは一度は死んだっがセバスチャンにより幻影として、この世に繋ぎ留(とど)められた事がロンドン炎上後に発覚しタナカはスピアーズに全てを話した。存在しない者は、もう独(ひと)りはメイリンだけ。
泣き声混じりにシエルにフィニは話す。
「坊ちゃん──────── メイリンは…‥」
「あぁ、それでだ今日から、メイドを雇用する。」
バルドとフィニには声を揃えて叫ぶ。
「メイリン以外の、メイドなんて嫌です!!」
続けてバルドは話し出す。
「坊ちゃん、そんなのは、絶対に反対だ!!」
バルドは立腹(りっぷく)な表情で隣のフィニは今にも大泣きしそうな表情である。デスクの前で立って居る二人をシエルは見つめ、不敵(ふてき)に笑い二人に問い掛けた。
「なら、メイドの顔を見てから、雇用をお前達が決めろ??お前達が嫌なら雇用はしない。」
シエルのその問いにバルドは勢いよく返答をする。
「そんなの、当たり前だ。」
セバスチャンはバルドの返答に飽きれバルドに注意をする。
「バルド、口を慎(つつし)みなさい。」
シエルの書斎の扉が五回ノックされた。
「入れ。」
書斎の扉が開き、そこに立って居たのは─────── 何も変わらないメイド服姿のメイリンだった。
「メイリン!!」
二人は同じくメイリンの名を呼んだ。
ただ一つ以前と異なるのは牛乳瓶(びん)の底の様な、ぶ厚いレンズの眼鏡(めがね)をしてないだけであった。その替わりに愛らしい鼻の上にのせてタナカがしていた小さな眼鏡(めがね)と似た同様の、お洒落(しゃれ)な眼鏡(めがね)にチェーンが付いた物を装着していた。
その眼鏡はシエルと共にメイリンが人間界へ行く為にシエルがフレイアに命令し、フレイアがメイリンの為に作った眼鏡(めがね)。
バルドはこの世に存在する事のない、メイリンを見て言葉を無くし立ち尽くす。
「おい、嘘だろ!?」
フィニは喜び叫ぶ。
「メイリンだよね?? 絶対にメイリンだよ。」
フィニに名前を呼ばれ、メイリンは泣き笑いをする表情で二人を見つめ呼んだ。
「フィニ───────」
「メイリン!!」
フィニは走り出しメイリンにしがみつきお互いを抱きしめ合いフィニは泣きじゃくる。
「メイリンは、あの日に──────」
シエルはバルドに問い掛ける。
「バルドお前がそう思うなら、そう思え。何があっても、三人揃ってファントムハイヴ家の、使用人と言ったのをセバスチャンから聞いたぞ??」
メイリンはフィニを抱きしめながら、バルドを見つめる。フィニもバルドの方を向きバルドを呼んだ。
「バルド~ メイリンだよ。」
メイリンとフィニを見つめ、バルドは正面に居るシエルへ向き直る。
「あぁ、何があっても仲間の顔を忘れる訳じゃ、ねぇ───── 坊ちゃん貴方(あなた)は一体どこで何を??」
くるりと座ったままデスクチェアーを回転させ、シエルはバルドに背を向ける。
「ほぉ、今度は主人である僕を疑うのか??主人を信じられない、仲間を信じられないそんな使用人は不要だな。僕は右目を治療して来ただけだ。」
バルドはメイリンに走り寄り、バルドもメイリンを抱きしめた。
シエルは座ったまま、デスクチェアーを回転させ正面を向き直り三人に言う。
「雇用は決まりだな。そうと決まれば、お前達、仕事だ!!」
三人は横一列に並び左手をびっしと額(ひたい)に付け、敬礼のポーズを取り決めてシエルに元気良く返答した。
「いえす~まい ろーど!!」
黒執事S.R.S. 白薔薇の花束 (8)