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資源分配と平等性

2009年10月04日 | 経済学

自由競争と平等に関してよく主張されることの一つに、平等に関してはいろいろな価値観があって一つには結論を定められないが効率的な資源分配は一つしかないというのがある。唯一の問題は、ほとんどの場合主張される資源分配が効率的な一つの資源分配ではないということである。

当然のことながら、経済全体を考えて最適な資源分配は一つしかない。しかしながら、雇用規制を維持するとか、すべての市場を競争的にしないなどの制約を加えれば、それぞれごとに無限の制約条件化での効率的な資源分配が存在する。だから、最適な資源分配は一つしかないが、条件化での資源分配には無限の可能性がある。

このとき、保護されている産業の経営者の利益を上げ労働者の賃金を上げる一方で、それ以外の産業の労働者の賃金を下げることは正しいだろうか。規制などの保護が維持されるという前提条件下においては、そのようにすることによって現在の資源が部分的に効率的に使われることになるかも知れない。しかし、問題は、結局のところそのような変化は最終的な最適な資源分配とは実のところ逆方向であるかも知れない。

つまり、制約条件下においては無限に効率的な資源分配を選べるし、さらには最適な資源分配の逆方向の資源分配さえも選ぶことが出来る。しかしながら、最適な資源分配を考えるならばそのような最適な資源分配とは逆方向への動きを積極的に推進することが本当に市場の効率性を本質的に増加させるのかどうかという点においては、疑問が生じるのではないだろうか。

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1 コメント

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おかえりなさい~ (松本孝行)
2009-10-05 11:26:40
ご無沙汰です。
今後とも更新楽しみにしております。
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