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福祉マネジメント&デザイン

SocialWelfare Management&Design
〜福祉サービスに経営と創造を〜

福祉職の皆さんの専門性とは?

2018年03月15日 | 人財育成
社会福祉士の合格発表が3月14日だと思い込んで、誤ツイートをしてしまいました。
大変失礼いたしました。
手帳を見たら、ちゃんと15日の14時発表と書いており、思い込みの怖さをあらためて痛感しました。

さて、社会福祉士の合格発表の後、3月28日は介護福祉士の合格発表でもあります。
私も現場経験4年半ほどあるので、受験資格は有していますが、現在の仕事に就いてしまって結局介護福祉士の資格は持たずじまいです。
初任者研修課程修了後、実務経験3年で受験できる介護福祉士は、介護の現場職であれば登龍門であり、高い専門性の証といえる国家資格です。

でも、高い“専門性”って何でしょうか?
弁護士であれば、リーガルマインドが求められますし、医師であれば、言わずもがな医療的な莫大な知識や手術などの技術が専門性といえるでしょう。

では、高齢者介護の担い手である介護職(介護福祉士)の方の専門性とは?
児童・保育の担い手である保育士の方の専門性とは?
障害福祉の担い手である介護職(介護福祉士)の方の専門性とは?
社会福祉士、ケアマネジャー、看護師、PT(理学療法士)、OT(作業療法士)、ST(言語聴覚士)、保健師などなど、福祉に携わる専門職の皆様の“専門性”とは?
皆さん、一言で伝えることができますか?

以前、堀江 貴文さん(ホリエモン)が「保育士は誰でもできる仕事」という発言をして、賛否両論を巻き起こしたというニュースがありましたね。
リンク先の方の考えとしては、「賛成」のようです。

福祉サービス第三者評価で認可・認証保育所に行って、園長先生からヒアリングさせていただくことが多いですが、子どもの発達に応じた保育(養護・教育)や保護者支援、地域の子育て家庭向けの地域交流事業、保幼小学校との連携など多岐に渡っています。

共働き世帯が増え、オートロック付きのマンションに住み、近所との関係性が希薄となり、助けてもらえる親戚なども近くにおらず、保育園の地域交流事業などで知り合ったママ友との広く浅い関係性がかろうじて保護者の孤立を防いでいる、なんてこともざらで、子どもより、保護者支援の方が大変という実態もお話としてよく聞きます。

そんな大変なことをしている保育士の皆さんの仕事が誰でもできると言われてしまうのは、その専門性をきちんと“発信”していないからだ、と私は思います。
はたから見れば、クラスで膝の上に子どもを乗せて本を読み聞かせている、だけではなくて、実は他の子どもの様子が見えるように本を構え、周囲に意識を巡らせておく、そんなことを保育士は実践しているわけです。

これはデイサービスや特養の介護職も同様で、広いフロアや食堂で利用者の動きを察知し、さっと側によって声をかけながら歩行介助したり、トイレ誘導していくわけです。
介護職の皆さんにとっては当たり前かもしれませんが、実はそれが専門性の一つと言えるのです。
事例発表会や公開保育などを行うと、客観的に自分たちの取り組みが良い・悪いを把握することができるので、積極的にそのような機会を持ってもらいたいと思います。
東京都福祉サービス第三者評価などを参考に、他施設・事業所の取り組みを参考に、自施設・事業所の立ち位置(先進的・独自性の高い取り組みか、時代遅れなのか)を客観的に比べてみてはいかがでしょうか。

ただし、気をつけてもらいたいことは、その“専門性”が誰得の“専門性”なのかという点です。
先日、Twitterで「オムツをつける技術を完璧にしたい。絶対に漏らさない。」みたいなツイートがありました。
このツイートをみて、私は違和感を感じました。
要するに、「オムツをつける技術を完璧にしたい」のは、ツイートした介護職自身であって、「絶対に漏らさない=漏らしてしまった場合の処理の手間がかかるから」という趣旨のツイートではないかと思ったからです(現に私はそう捉えました)。

たしかに介護職の専門性として、排泄介助は重要ですが、その目的に利用者が衛生的で、快適に過ごしてもらいたいという思いがなければ、自己満足の専門性になりかねません。
利用者本位の福祉を実現していくために、職員一人ひとりが原体験(その人の思想が固まる前の経験で、以後の思想形成に大きな影響を与えたもの)を踏まえたキャリア形成を意識し、自己研鑽に励み、専門性を高めていく必要があります。

誤った専門性の高さは、結果的に本質が見透かされてしまい、利用者や家族(保護者)との信頼関係を壊すことにつながりかねません。
相手にとって苦言になるようなことも、専門職(専門性の高い職種)という立場であれば、きちんと伝えなければならない場面も出てくることでしょう。
私もコンサルタントの端くれですから、経営層が誤った経営判断をしそうな時は、「◯◯すべきです。」と言わせていただきます。
こういったことが言える信頼関係が構築されているからこそ、皆さんが専門性を持っている証と言えるのではないでしょうか。

皆さんの専門性、一言で伝えるとなんでしょうか?
読者の方はさまざまな福祉職の方だと思いますので、ぜひコメント欄に記述していただき、共有できれば幸いです。

管理人


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