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福祉マネジメント&デザイン

SocialWelfare Management&Design
〜福祉サービスに経営と創造を〜

介護保険部会による2018年度の改正に向けた方向性が示される

2016年12月12日 | その他
介護保険部会、取りまとめ案、了承へ(CBnews)”というニュースが出ました。
9日の介護保険部会で来年度の通常国会で審議される改正案が承認され、2018年度の制度改正の方向性が示された形となりました。

ポイントは3つ。
1、これまで医療・介護の連携が強調されていましたが、「共生型サービス」という介護・障害福祉との連携が新たに創設されます。
また、「障害福祉サービスの相談支援専門員と介護保険の介護支援専門員の連携を進めるため、居宅介護支援事業所の運営基準を検討することが盛り込まれた(CBnews より抜粋)」というように、障害福祉サービスで弱点となっている個別支援計画の作成にケアマネジャーが関与する考えが示されています。
一部では、ケアマネジメントのAI化の動きもありますが、「共生型サービス」の方向性を鑑みると、より担当する福祉領域が広がることによる効率化は避けて通れないかもしれません。

2、福祉用具の全国平均貸与価格を公表し、貸与価格に一定の上限を設けることが盛り込まれました。
また、私も資格を持っていますが、福祉用具専門相談員が利用者に対し、貸与しようとする商品の全国平均貸与価格を説明することや、機能や価格帯の異なる複数の商品を提示することが義務化されるという方針も示され、福祉用具におけるマネジメント機能の役割が強化されました。
さらに、介護ロボットやICT化などによる業務負担軽減や効率化を図り、介護人材不足を補う取り組みを評価する方向性も示されています。

3、一度は時期尚早と取り下げられた3割負担も盛り込まれました。
持続可能な医療・介護保険制度、また社会保障制度そのものの立て直しのためには、もう待った無しという危機感が感じられます(増税も先延ばしされましたから、取れる人から取るという動きが強くなった感が否めせん)。

本格化してくる2018年度の介護保険制度の改正の動きから、今後も目が離せません。

管理人

処遇改善加算のキャリアパス要件Ⅲを明確にし、キャリア形成の後押しを

2016年12月03日 | 人財育成
年の瀬の忙しさにかまけて、更新が滞っておりました。
チェックしていただいている方々には、大変申し訳ありませんでした。

さて、11月16日の社保審–介護給付費分科会で方向性が示された介護職員処遇改善加算の新要件ですが、皆様の施設では新しいキャリアパス要件Ⅲをすでに満たしたキャリアパスを運用していますか?

キャリアパス要件Ⅲでは、「経験若しくは資格等に応じて昇給する仕組み又は一定の基準に基づき定期に昇給を判定する仕組みを設けること」が新たに求められます。
具体的には、リンク先のPDF資料スライドP.4を見ていただければと思いますが、キャリアパスに「経験年数」「資格」「評価」 の要素が求められることになりました。
要するに、「経験年数5〜8年で、介護福祉士または初任者研修終了者の資格を有し、直近の人事考課でB評価以上」であれば「主任」といったように、どのような場合に昇格するかを明確にすることが要件Ⅲの内容です。

現場では、突然の退職により、こういった要件を満たさない職員が、止むを得ず役職につくケースも少なくありません。
このキャリアパス要件Ⅲで求められる要素を明確にすることで、組織的に人材育成を計画的に進める必要があります(育成体系や研修体系がないのに、絵に描いた餅に要件がならないような注意が必要です)。
また、明確になることで、上を目指したい職員にとっては、どういう知識や技術があれば「主任」や「ユニットリーダー」などの役職に就けるかが分かるため、自身のキャリア形式を後押しすることにもつながります。

最近の職員は(最近という表現は適切ではないかもしれませんが)、確かに上昇志向が弱く、無難に仕事をする職員が多いという話を経営層からよく聞きます。
ただし、どのようなキャリア形成が出来るのか(可能性)、どういった知識や技術が必要なのか(目標)が明確でなければ、よっぽど上昇志向が強い職員でなければ、長続きはしないでしょう。
是非とも、来年度の新加算の取得に向けて、また職員のキャリア形成を後押しできるよう、キャリアパス要件Ⅲの明文化と整理に取り掛かりましょう。

管理人