昨夜、TVで甲本ヒロトが突然出てきて驚いた。ダウンタウンの松本と元SMAPの中居がプレゼンテーターみたいなことをやって、ゲストに菅田将暉という若手俳優?歌手?と元ブルーハーツの甲本の4人で対話するみたいな番組だった。
伝説のバンド「ザブルーハーツ」で一世を風靡したボーカリストがワケのわかならいTV番組によく出てきたなという印象で、最近の音楽話になって甲本が興味深いことを言った。
「僕たちアナログ世代の歌い手は、歌詞の内容はどうでもよくて、元気になるような音を届けていた。デジタル世代のリスナーは歌詞の意味や内容を吟味しながら歌を聴く感じする。」
さらに
「歌詞の内容はぼんやりととらえていれば十分で、同じ歌を聴いたり見たりしていてもフォーカス(焦点)の仕方は人それぞれで受け取ってくれればいい。デジタル世界ではくっきりはっきり見えすぎてしまっている。」
私は80年代前半に突如として出てバンドブームの音楽に火をつけたブルーハーツが当時は好きでなかった。破壊的な狂気を感じて、いい曲を作るなと思ってはいたが積極的に何度も聴かなかった。
2000年前後に、ハイロウズというヒロトとマーシーが再結成したバンドの音楽を聴いて、甲本というミュージシャンの深さや良さに気付いた。昔のブルーハーツ時代の名曲を改めて聴いてみると心に迫って刺さる曲がたくさんあった。
目の前に見えていても、耳に届いていても全く心に響かない時もあれば、時代の変化や自分の成長や変化で、同じ歌が突き刺さる時もある。
音楽との出会いは、本との出会いにも似ている。聴いた印象や読んだ感想は、人生のステージ段階で随分と異なることがある。何十年もずっと好きでいられる作品に巡り会えることは珍しい。
甲本ヒロトもほぼ同世代だからもうすぐ還暦のおじいちゃんだ。いつまでバンド活動をするのだろう。命尽きるまで好きなようにやるのだろう。