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東京サンフィッシュ

落語ときものとマンガとマンボウを愛するコピーライター(こやま淳子)のブログ。

新春プラザ寄席

2010年01月06日 01時24分17秒 | 落語日記
きょうは仕事初めで、初落語だったので、バタバタとせわしない一日だった。

夕方、なかなかまとまらない打ち合わせを切り上げて、大田区民プラザの大ホールでの新春プラザ寄席へ。

志らく・花緑・喬太郎・三三という、魅力的なメンツである。

30分遅れて入ったため、三三さんは見逃してしまったけど。

演目は以下のとおり。

挨拶 志らく・花緑

引越しの夢 三三

らくだ 志らく

(仲入り)

初音の鼓 喬太郎

三軒長屋 花緑


志らく師匠のらくだもよかったし、キョンキョンはもちろん大笑いだったのだが、

びっくりしたのは花緑師匠。

年末の花緑好みのときに聞いた「三軒長屋」よりも、かなり、かなり進化していたのだ。

キャラの演じ分け、話のめりはり、そして長屋の人々のすったもんだをたたみかけるように語るその語り口。

今日は前半しかやらなかったけれど、すっかり聞き入ってしまった。

これぞ花緑さんのマシンガン落語。これを今度は後半まで聞きたいなあ。

「去年はいろいろ賑わせてしまいましたが、今年は落語に集中していきたいと思います」

と枕で言っていたとおりの、すばらしい落語を聞かせてもらった。

落語は進化する。噺家さんと一緒に成長する、生き物なのだ。

これだからますます通いたくなってしまうんだよね。

花緑好み@紀伊国屋ホール

2009年12月24日 08時57分34秒 | 落語日記
きのうは柳家花緑さん独演会「花緑好み」へ。

新恋人発覚のニュースが出た直後の落語会で、そんな興味もありつつだったが、

花緑さん、いっそう落語に真摯に取りくもうという姿勢がよく見えた。

演目は、すべてネタおろし。


金明竹

中入り(この時間に花緑さんのウクレレコンサートも)

三軒長屋


「私もいろいろマスコミに騒がれている中、まさかのラブソングなんですが…」

ウクレレコンサート中にこんなことを言って、会場がどっと沸いた。

「でもこれは皆さんに向けてであって、そういう個人的な感情ということではありません」

女性ファンの多い花緑さんだけに、いろいろ大変なんだろうな…w

前に見たときは、ふんだんにギャグを入れたりするスタイルの落語で、

そこが好きだったんだけど、今回はそういうのも少なく、

ネタおろしで余裕がなかったのか、ちゃんと落語をやろうと思ったのか…。

でも熱いマシンガン的なたたみかけは相変わらずで、特に金明竹の後半部分はとてもよかった。

今回はサイン会なしで、そのかわり、てぬぐいを買ったら、お言葉入りのはがきがついてきた。

「好きなことを 追い掛けると 道は開ける」

いいこと言うなあ。

こんな熱い花緑さんが好きです。

さん喬一門会@よみうりホール

2009年12月21日 00時16分03秒 | 落語日記
今日のさん喬一門会は、今年いちばん笑ったんじゃないかと思うくらい、

すばらしい落語会だった。

幕が開くなり、のっけから弟子たち全員がコスプレで登場。

猿、ドラえもん、009、サンタクロース…。

喬太郎さんはエロ医者で出てきたかと思うと、

師匠のさん喬さんまで狸の着ぐるみで出てきて、もう会場は大喝采。

6人の二つ目たちは、くじ引きで当てた演目を5分で演じさせられるし、

(それも、「子別れ」「たちきり」「寝床」など、

とても5分にできなさそうな演目ばかりw)

喬太郎さんの新作「母恋いくらげ」も動きがかわいくて笑い転げたし、

しかし、とにかく驚愕的だったのは、

喬太郎さんが場末のホステスの衣装を着て歌った「芝浜」。

なんとあの名作を、ブルーライト横浜の替え歌で歌い上げたのだ。


♪海の明かりがとてもきれいね芝浜

五十両と芝浜~♪


まさかこんな形で、喬太郎さんの初芝浜を聞くことができるとは…w

その後、さん喬師匠がびしっと古典でしめたと思うと、

最後に全員で大喜利までやってくれて、

本当にもりだくさん、サービス精神あふれる一門会だった。

たぶん、こんな落語会、この先もそうそう見れないだろう。

(さん喬師匠も「もうこういうのは最初で最後です」と、

きっぱり言っていた…w)

エンターテイメントってこういうことを言うんだなあ。

談春独演会@戸田文化会館

2009年10月18日 13時58分54秒 | 落語日記
きのうはひさしぶりに着物を着て、落語会に行った。

立川談春独演会@戸田文化会館。

戸田ってどこ? と思ったら、戸田競艇の戸田だった。

談春師匠が、小・中学校と高校時代の一部を過ごした場所である。

高座25周年の記念落語会だった。

「落語家で25周年なんてね、そんなに威張れるもんじゃないんですよ。

ちょっとぼーっとしてたらすぐ25年なんてたっちゃう。

そんでもうちょっとぼーっとしてるとすぐ50年でね。ご臨終ってことになる」

なんて言いながらも、やはり地元での落語会は特別だったみたいで、

ひとしきり思い出話で笑いをとったあと、

「25年やって、やっとここでやることができました」

と言った一言にはぐっときた。

演目は、「きょうは前座から僕がやります」とのことで、

子ほめ、牡丹燈籠から「お札はがし」、明烏。

間に扇家勝丸という人の太神楽という色物も入った。

地元の方々の反応はあたたかく、談春師匠も気合いが入っていたように思う。

牡丹燈籠は師匠の雰囲気にぴったりだったし、

明烏も、マジメな坊ちゃんの演じ方が、なんともかわいらしくて

かなり笑えた。

やはりああいう色っぽい噺が談春には合うのね。

子ほめも意外な感じでおもしろかったけど。

なぎさ寄席

2009年09月20日 12時47分08秒 | 落語日記
「きょうはシルバーウィークの初日なわけですが…

ここに来ている皆様は、とりあえず連休の予定はない、と」

そんな枕ではじまった、きのうの喬太郎師匠。

逗子文化プラザホールで行われた「なぎさ寄席」。

ひさしぶりに聞きにいったけど、あいかわらず大バクハツの高座だった。

喬太郎さんの前に出たのは、

立川らく兵(前座・志らく師匠の弟子)

宮田彰司(江戸の「売り声」を芸としてやるおじさん)

立川らく朝(医者と落語家、二足のわらじでやっている方)

柳亭こみち(女流落語家)

笑組(漫才師)

という、なかなかおもしろい顔ぶれであった。

特に宮田彰司さんは、さおだけ屋とか焼き芋屋とか、

もっと知らない、金魚売りとか朝顔売りだとかの声をマネする方なんだけど、

なんだかとても風情のある、おもしろい芸だった。

NHKとかにも時々出ているらしい。

しかしやっぱり喬太郎さんはすごかった。

いつもよりさらっと枕を終え、古典落語の「寝床」に入ったので、

やっぱり客層が年齢高めだから、

きょうは正統派な感じでいくのかな?と思ったのだが、

主人公のダンナさんの義太夫練習の声でひっくりかえった。

「ぎょえっ。おえっ。ぎゃおっ。うぎゃーーー!!」

これは、長屋のダンナさんの下手な義太夫をみんなが嫌々聞かされる、という

「ジャイアンリサイタル」みたいな噺なんだけど、

まさにその義太夫のひどさを、実演してみせたわけである。

ひょっとして大人しく古典落語に入ったのは、

ここでバクハツさせるという計算だったのかもしれない。

かくして場内はものすごい大爆笑になった。

近くの席の女性なんかは、はじめて喬太郎さんを聞いたのだろうか、

むせかえるように笑い転げていた。

町内のみんなが義太夫を聞かされるシーンも、

さながら戦場の兵士達の会話を聞くような切迫度合い。

「ふせろー!やられるぞ!」

「なに言ってんだよ、ふせろって…バフッ」

「ほらみろ!!バカ!まともにくらいやがって!!」

というような演技を、ほんとうに高座につっぷしてやるのである。

喬太郎さん。すばらしい。この人の落語は、手を抜くということがない。

しかも昨日は途中、咳き込んだりして、体調悪そうだったにも関わらず

その咳き込みさえも落語のなかにアドリブで組み込んで笑いに変え、

全身全霊で落語を楽しませてくれた。

高座の後は、海辺に出たりしてしばし散策。

夜は、近くの「満天」という魚料理の店で、秋さばや生しらすを堪能。

シルバーウィークは、なかなか充実した1日からはじまった。

志の輔師匠 日の出寄席

2009年07月18日 11時50分43秒 | 落語日記
木曜日、国際フォーラムで行われた立川志の輔の日の出寄席。

平日の昼間なのに、大きなホールがいっぱいになっていた。

選挙の当確はなんであんなに早く出せるんだ、みたいな話を枕でした後、

最初の噺へ。前回も聞いた「異議なし」であった。

しかしこのネタ、本当に完成度が高い。

三谷幸喜演出でドラマ化しても、相当おもしろいんじゃないかと思う。

二本目は「徂徠豆腐」。はじめて聞く古典だったが、いい噺だったなあ。

人助けはしておくもんだよ、という。

中入り後に、ジャグリングと三味線が入って、

志の輔師匠の噺もだいぶノっていたためか、30分ほど時間が押した。

終わってからタクシーに飛び乗って、仕事へ戻るハメになったが、

それでも行ってよかったと思った。

やっぱり私は、新作をつくる噺家さんが好きかもしれない。

ファンをつくるということ。

2009年06月30日 14時53分53秒 | 落語日記
日曜日は、都内某所で落語会を開かせていただいた。

二つ目の落語家さんの2人会で、30名近くのお客さんに来ていただき、

懇親会までもりあがった、いい会になった。

しかしこの落語会も3回目。課題も見えてきた。

私を含めた幹事3人の人脈と、落語家さんのファンなどに

毎回来ていただくのだが、いつも直前まで人集めにひやひやする。

今回は数千円持ち出した。

それでも二つ目さんの会にしては、よく集まったほうだという。

だんだんわかってきたことは、落語家さんの力量だけでは、

なかなか売りにはならない。

(彼らは二つ目にしては本当に実力のある方達だが、この東京、

もっといい落語はいくらでもお金を出せば聞けるのである)

必要なのは「ファンをつくる」ということ。

「あいつが出るなら行ってやろう」と、思わせる力量というのは、

また芸の達者さとは別にある。

もちろん芸も磨いていないと客はそんなについてこないと思うけど。

そしてこれは、私自身の仕事にも通じる。

知れば知るほど、落語家さんとコピーライターの道は似ている。

談春・喬太郎二人会

2009年06月09日 01時03分14秒 | 落語日記
日曜日は立川談春・柳家喬太郎二人会@よみうりホールへ。

本日の喬太郎さんは、いつにも増してはじけていて、

たっぷり枕をやったあと、自作の「すみれ荘201号室」をかけて、

「東京ホテトル音頭」「イメクラ音頭」「大江戸ホテトル小唄」の3曲を歌い上げ、

「このあと下がって談春兄さんになんて言ったらいいのか…」

「なに?なに言ってるの、ひろゆきさん」

みたいなアドリブを入れまくり、会場をどっかんどっかん笑わせていた。

(喬太郎さんを知らない方には、「それが落語?」と思われそうな内容だけどw)

対して談春さんは、さらっと枕を終わらせて「厩火事」に入ったなーと思ったら、

対抗心に燃えたのか、やっぱりアドリブを入れまくり、

さらに厩火事の終わりに「すみれ荘201号室の下」

(つまり喬太郎さんの噺の続き)を即興で創作して入れたので、

もう会場は拍手の渦。

幕が下りてもなりやまず、すでに普段着に着替えてしまった喬太郎さんとともに、

カーテンコールまでやったのだった。

「いやあ、20年あの噺やってますが、ああいうふうになるんだ、と…」

と喬太郎さんが言って、また大爆笑。

共に、なかなかチケットの取れない大人気落語家の二人会だったが、

期待を裏切らないテンションの高さであった。

終わったあと、銀座の街に繰り出しながら、

なんだか体が軽くなったような気がした。

笑いって、すごいと思う。

ちなみに横浜の談春・喬太郎も行く予定(笑)。

はじめての志の輔(三鷹独演会)

2009年06月06日 13時06分50秒 | 落語日記
さいきん狂ったように落語を聞きにいっている。

今月は、先週の喬太郎勉強会に続き、昨日は立川志の輔独演会へ。

その後も、こんなに予定が入っている。

明日 談春・喬太郎2人会(東京)
13日 さん喬・喬太郎親子会
17日 談春・喬太郎2人会(横浜)
25日 桂吉坊落語パーティ
27日 司・馬吉2人会(らくごカフェ)

いったい私は何になりたいんだ。

で、昨日は初・志の輔だったのだが、なるふぉど。

人気の理由が、よくわかった。

演目は、2人の前座を含めてこんな感じ。



狸の札   立川志の彦
たらちね  立川メンソーレ
異議なし! 立川志の輔
(仲入り)
五貫さばき 立川志の輔

ちなみに、この立川メンソーレという前座も、なかなかのものだった。

前座とは思えない落ち着きぶりで、

枕でもしっかり自分の名前ネタで笑わせていたし、

声も口調もリズム感も、とても上手だった。今後注目していきたい。

で、志の輔。

「煙草をやめてもらいたい人ランキング」で、

キムタクを抑え一位になったことなどをネタに、たっぷりと枕をやったあと、

自作の落語「異議無し!」へ。

中板橋ヒルズ(笑)というマンションの組合が、

エレベーターに防犯カメラを設置する会議を開いていて、

そのすったもんだを描いた噺。

めちゃくちゃな会議なのに、どこかにありそうな感じで、

すごく笑えて、風刺が効いている。

「くだらない会議って多いよね」みたいなテーマだったんだと思う。

喬太郎さんのように、はちゃめちゃに演じるわけでもないのだが、

どんな世代でも楽しめるし、共感の度合いが深い。

この人のCDは、欲しいと思った。

二席目の五貫裁きも、はじめて聞く噺だったが、古典らしい。

古典とは思えないほど、志の輔流にアレンジされていた(と思う)。

いままで喬太郎師匠以上に楽しい落語はないと思っていたけど、

日本は広かった。

ますます落語通いに拍車がかかってしまいそうである。

柳家喬太郎勉強会

2009年06月01日 14時32分00秒 | 落語日記
土曜日のことだが、三鷹まで落語を聞きにいった。

いま一番好きな、柳家喬太郎師匠の勉強会。

勉強会というのは、わりと二つ目さんがやってるのはけっこうあるけど、

真打の人がやるのってめずらしいねえ、と、

一緒に行った友人と話していたところ、

高座に上がった喬太郎師匠も、こんなことを言っていた。

「真打が勉強会なんてするもんじゃない、と言っていた先輩もおります。

勉強会と言ってる時点で、逃げを打っているようなものだからと。

…今日は逃げる気満々で来ております」

会場爆笑。

こんなつかみで、勉強会ははじまった。

喬太郎師匠の落語は楽しい。かならず笑わせてくれる。

このまえテレビで、芝浜はやったことがない、と師匠は言っていたが、

師匠に芝浜は似合わない。

ま、私が芝浜好きじゃないからそう思うのかもしれないけど。

その日の高座は、「へっつい幽霊」と、中入り後に「青菜」。

どちらもネタ卸しに近い状態だったのかもしれないが、

存分に笑わせてもらった。

喬太郎さんのすごいところは、

おちゃらけた登場人物は徹底的におちゃらけているのだが、

たとえば幽霊が出てくるくだりなんかは急に寒気がしてしまうくらい、

鬼気迫っているところだ。演技力が尋常じゃない。

新作の破天荒ぶりが有名ではあるが、

古典をやると、むしろそのすごさがよくわかる。

そして、けっして客に努力を強いない。

たとえこちらが体調悪くて、ちょっとでもぼーっとしたり眠くなったりすると、

不思議と、そのタイミングで笑いをさしはさんでくるのだ。

絶妙。

才能という言葉は、この人のためにあるのだろう。

6月は、親子会と、談春・喬太郎2人会など、

まだまだ喬太郎さんの高座の予定が入ってる私。

もうほとんど追っかけである。