東京サンフィッシュ

落語ときものとマンガとマンボウを愛するコピーライター(こやま淳子)のブログ。

ワーク・ライフ・アンバランス

2017年02月20日 13時39分39秒 | マンボウ日記
仕事と遊びをごちゃごちゃにするのがわりと性に合っています。

ワークライフバランスとか、
仕事とプライベートのメリハリをつけないと、とか、
そういう考え方もありますが、
いやいまどきはそうでないといけない、みたいな思想が主流ですが、
私たちの仕事は、
たとえばマンガやテレビをみながらコピー思いつくこともあるし、
お酒を飲みながら企画ができちゃうこともある。

私が20代の頃勤めていた会社では、
「街を歩いたり映画を見るのも仕事だからな」
と言って、
ホワイトボードに「立ち寄り」と書いて午後出勤、
「NR」と書いてそのまま遊びにいく、
なんてことを推奨する上司もいました。
ま、これは当時も人によったとは思いますが。

まあ私はこれには半信半疑ではあって、
あまり出歩いて疲れてしまっても、お酒を飲んでも頭がまわらなくなるので、
大切な仕事があるときは、外出などせず職場のデスクにかじりついていることが多いです。

でも、そうでもないときにも職場にいなくちゃいけないというのは、
すごく気持ちがきゅうきゅうするし、
気持ちがきゅうきゅうしたままだとそのうち企画もきゅうきゅうしてくるし、
たしかに映画や街を見てまわることは、なにかしらのヒントになることもあるので、
仕事がないときは遊んでいてもいいんじゃない、と思うわけです。

しかし長年こんな言い訳をしながら生きてきたせいでしょうか。
どうも私は、遊んでいても「いつかこれは仕事に生きるかもしれない」と
無意識に考えてしまうクセがついてしまいました。
きものを着ても、
「いつか日本文化関連のお仕事するかもしれないし」
おいしいものを食べていても
「いつかフードメーカーの仕事で役に立つかもしれないし」
落語やお笑いを見ていても
「この噺家さん、なにかに起用できないかなあ」
と考えてしまっていたりします。

だから自分のまわりで、自分など比べものにならないくらいお酒に詳しかったり、
旅本を出せるくらい旅をしていたり、
食業界の人かと思うくらいレストランに精通していたりする人をみると、
つい「仕事にすればいいのに」と思ってしまうのですが、
彼ら・彼女らは、そんな雑念などいっさいなく、
ただ食やお酒や旅を楽しんでいたりするのです。
そして年間使っている額はものすごいにもかかわらず、
あっけらかんと
「だって仕事にしたらつまらないじゃないですか」
と言い放つのです。

ああ負けている。
私はそういう人たちに、完全に負けている気がするのです。
なにかを無性に好きになる力。
下心なしに没頭する力。
というのでしょうか。

あの人たちはワークライフバランスが、ある意味おかしい。
ライフのほうに主軸がおかれすぎている。
という感じもありますが、それはそれでなんて豊かな生活なのだろうと
思うわけです。
私には一生たどりつけない境地なのかもしれませんが。