映画と自然主義 労働者は奴隷ではない.生産者でない者は、全て泥棒と思え

自身の、先入観に囚われてはならない
社会の、既成概念に囚われてはならない
周りの言うことに、惑わされてはならない

『アルジェの戦い』 - LA BATTAGLIA DI ALGERI - (1966年 イタリア・アルジェリア)

2020年01月10日 14時59分49秒 | 洋画その他
アルジェの戦い - Labataille d' Alger -
1966年 122分 
アルジェリア CASBAH FILMS - Alger
イタリア IGOR FILMS - Rome

監督  ジッロ・ポンテコルヴォ Gillo Pontecorvo
製作  ヤセフ・サーディ Yacef Saadi
脚本  フランコ・ソリナス Franco Solinas
撮影  マルチェロ・ガッティ Marcello Gatti
美術  セルジョ・カネヴァーリ Sergio Canevari
編集  マリオ・セランドレイ Mario Serandrei
    マリオ・モッラ Mario Morra
音楽  エンニオ・モリコーネ Ennio Morricone
    ジッロ・ポンテコルヴォ Gillo Pontecorvo

出演  
    ジャン・マルティン Jaen Martin
    サーディ・ヤセフ Saadi Yacef
    ブラヒム・ハギアグ Brahim Haggiag
    トマソ・ネリ Tommaso Neri
    ミシェル・ケルバシュ Michele Kerbash
    Ugo Paletti
    ファウジア・エル・カデル Fusia EL Kader
    Franco Morici
    Omar
    Samia Kerbash



以前にBBCかどこかのドキュメンタリーに、「あの時、レストランに爆弾を仕掛けた女は私です」と言う女性が登場した.実際に独立運動に参加した人達が、映画製作にたずさわったらしい.

街角で怪しげな商売をしていたチンピラの若者.捕まって刑務所に入っていたある日、彼は独立運動の活動家が処刑されるのを目撃した.民族意識に芽生えたのであろう、彼は出所後、独立運動に参加することにした.

組織に加わるためのテストでらしい、街角で待っていると子供が連絡のメモを持ってきた.が、彼は字が読めず、その子供に読んでもらった.
・・・・・字も読めないようでは何も出来ない.ちゃんと勉強しなくては.

指示は警官を撃ち殺すことで、彼はピストルを持って街へ.適当な警官を見つけた彼は、後ろから撃つのは卑怯、前に回って正面から引金を引いたのだった.(けれども弾は出なかった)
・・・・・彼の考えた通り、後ろから撃つのは卑怯.卑怯な行為は卑怯な行為を生みだすだけ、卑怯な行為による殺戮の連鎖が始まることになった.卑怯の連鎖その結末は、フランス軍による拷問によって仲間が口を割り、彼とその家族は隠れ部屋に追い詰められた.


上層部からの指示で、彼は昔のチンピラ仲間を射殺した.
・・・・・独立運動は犯罪ではない.麻薬、売春、窃盗、こんなことをしている人間に独立運動は出来ない.

運動家の一家は隠れ部屋に追い詰められた.フランスの司令官は子供を出せと言ったのだが、彼らは子供を救おうとはしなかった.
・・・・・子供を戦争の巻き添えにしてはいけない.命を粗末にしてはいけない.次の時代を子供に託せばよいはずだ.

フランスは戦車で民衆のデモ隊を弾圧した.その結果は、夜毎カスバから奇声が街中に響き渡ることに.誰からも弾圧されることのない民衆の叫びが、街中に響き渡った.


独立後もアルジェリアは、混乱の道を歩むことになる.
1960年、サハラ砂漠でフランス核実験.以降、フランスは核実験を続ける.
アルジェリアは独立を果したが、石油の利権は植民地時代と変わらなかった.

イスラム原理主義政党は、自分達以外の主張をいっさい認めない政党で、自分達が政権を取った後は一党独裁で、以降は選挙は行われないことを公約にしていた.イスラム原理主義政党は選挙で圧倒的多数の支持を得たが、軍部のクーデターにより政権を握ることは出来なかった.
クーデターによって政権を奪われたイスラム原理主義政党は、仲間割れを起こして分裂した.自分だけが正しいと主張する者達が分裂した結果、互いに分裂した相手の存在を認めることが出来ず、彼らは殺し合って自滅していった.

人間と市民の権利の宣言
フランス革命、バスティーユ監獄襲撃の時、人権宣言が行われた.
フランス人にとって人間とは、『白人の男性』に限られるものであり、女性、および有色人種は人間ではなかった.


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