古文書を読もう!「水前寺古文書の会」は熊本新老人の会のサークルとして開設、『東海道中膝栗毛』など版本を読んでいます。

これから古文書に挑戦したい方のための読み合わせ会です。また独学希望の方にはメール会員制度もあります。初心者向け教室です。

霜宮神社・内牧天神の祭礼

2017-12-23 21:43:54 | 享保年間の熊本藩古文書

霜神社。ここは火焚き神事で有名です。

内牧天神社

享保四年九月廿一日

 一 阿蘇谷内牧手永村々の者共霜宮並びに内牧天神社へ風霜留之立願結び置き候に付 願解き之為鶴崎に居り候手すし廻しを雇い右神社内一日宛願解仕り度き由 御惣庄屋内牧弥右衛門書付 御郡奉行衆より仰付けられ候に付 例書相添へ御家老中へ相達し願いの如く仰せ付けられ候事

 此の文書で目を引くのは鶴崎から手すし廻しを雇っていることです。手すし廻しは手品師のことで、これも大西村傀儡師一座の者と思われます。この地域では人形浄瑠璃よりも手品に人気があったのでしょうか。或いは浄瑠璃の上演は多人数の興行になるので木戸銭が高くなるという事情があったのかもしれないですね。いずれにしても稲刈りが済んで次第に深まる秋の一日、手品見物を楽しむ人々の晴れやかな表情が想像されます。


家老決裁

2017-12-23 12:41:30 | 享保年間の熊本藩古文書

 上掲文書は享保四年九月廿一日付の細川家の家老決裁文書ですが、上掲画像のような体裁でした。上記文書は写本なので印形がありませんが正本にはハンコも押してあるのでしょう。

 御郡方の役人が決裁を仰ぐための文書(覚書)を家老屋敷へ持参して決裁を受けます。

 壱岐様というのは米田壱岐、大膳様は有吉大膳、求馬様は松井求馬、元禄15年から享保20年まで家老職、蔵人様は溝口蔵人。