負けるな知的中高年◆本ときどき花のちコンピュータ

「知の崩壊」とかいって、いつの間にか世の中すっかり溶けてしまった。
「知」の復権に知的中高年よ、立ち上がれ!

目の不自由な人のためにつくられた美術館がある

2004年12月25日 | 詞花日暦
目の不自由な人も
ロダンを見る権利がある
――村山亜土(ギャラリー・TOM代表)

 海外の美術館では、目の不自由な人が作品に触ってもいいシステムがある。ボランティアの専門家も付いている。日本では雨後の竹の子のように美術館ができたが、作品をガラスで封じ込め、指一本触れさせない。
 東京・渋谷のギャラリー・TOMは、例外的な存在。ロダンやマイヨールなど、誰もが触っていい。「目の不自由な人もロダンを見る権利がある」という主旨で始まった。全国の盲学校から作品を募り、子供たちの作品も展示する。
 先天的全盲の人の作品があった。陶器や素焼きでつくった彫刻は、一様に色が黒い。鳥を描いた作品は、ほとんどが異様に大きい口を開け、何かを叫んでいる。声からの連想だが、羽ばたく姿はない。塔のテーマでは、ガウディの作品のように、どれも塔から枝が生え、奔放なイメージに満ちている。ギャラリー主人・村山亜土は「一般の子供たちをワクにはめる教育とちがって、彼らには固定観念がない。どちらが自由だと思いますか」という。ちなみに村山亜土は、演出家で名を残した村山知義の一子である。