負けるな知的中高年◆本ときどき花のちコンピュータ

「知の崩壊」とかいって、いつの間にか世の中すっかり溶けてしまった。
「知」の復権に知的中高年よ、立ち上がれ!

当たらない天気予報は落語のネタでからかわれている

2004年12月06日 | 詞花日暦
気象庁のソフトボール大会が
雨で延期になってしまった
――桂枝雀(落語家)

 気象庁のことだから、自分たちのソフトボール大会は、予報技術を最大限に発揮して好天の一日を選んだはず。にもかかわらず雨天だったのは、気象予報がいかに当てにならないかを示している。桂枝雀の枕ネタである。
 落語の「雨乞い源兵衛」は、当てにならない天気の変化を巡って右往左往するお笑いである。お笑いだから科学的に正しいかどうか、天気予報が当たる確率は約六○%だという。雨と晴れだけでは確率五○%。だから、まあ、平凡な都市生活者に予報など頻繁になくていい。TVで幾度となく流される予報番組が生まじめに語られるほど、何ともむだに思えてしかたがない。
 フランスのF=B・ユイグは、予測とは「自分が間違っているということをつねに最終的に認めてしまう技術」だともいう。それでも人は予想に終始する。枝雀の落語は、天気予報と同じように、エコノミスト、政治評論家、学者、はてはTVキャスターなどといった予想屋のしたり顔と言説をみごとに笑い飛ばしている。