負けるな知的中高年◆本ときどき花のちコンピュータ

「知の崩壊」とかいって、いつの間にか世の中すっかり溶けてしまった。
「知」の復権に知的中高年よ、立ち上がれ!

猫は二四〇○キロの道を歩いて飼い主のもとに帰った

2004年12月02日 | 詞花日暦
超自然的なリアリティは何らかの
かたちで存在するのではないか
――ライアル・ワトソン(生物学者)

 科学者でありながら、「科学の周辺にある淡い縁(ソフトエッジ)」に焦点を当てるライアル・ワトソンは、幅広い活動で日本にもおおくの読者を持つ。縁(エッジ)は核心や本流から外れた「端」であり、同時に現代科学技術の「先端」を意味することもある。
 猫と生活しているせいで、ワトソンを思い出した。動物の不思議な行動を書いた彼の本に、ペルシャ猫が飼い主の引越し先にたどり着いた話がある。にわかには信じがたいが、カリフォルニア州からオクラホマ州まで、二四〇○キロの道のりを歩いた。日本列島縦断よりもはるかに長い距離である。
 何がそうさせたのか。飼い主を慕う猫の心、遺伝子プログラム、渡り鳥のような電磁波といった説を人々は推測する。ただし、どれも科学的には証明されていない。ワトソンは、EPS(超感覚的知覚)のような「心的能力」が人間以外の生物種にも存在するのではないかという。人間が「小さな自動誘導装置で……無意識の周波数を使い」猫に語りかけているかもしれないとも。たとえ信じがたくても、猫と一緒に生きる端っこの生活は楽しい。