黒い回転ゴミ日記

日々のあれこれ。

このクリスマス・イヴは

2006-12-24 18:22:15 | インポート

そして今日は「全景」の最終日でもある。
トータルで5万人近くの人が見に来たそうな・・・・・凄い。店のお客さんでも「行ってきました」という方がそこそこいらして、話しを聞かせてもらうのですが、やはり何がどうという事ではなく、とにかくその質量に圧倒されるというのが、共通した思いのように感じます。でも今時、たった一人の人間の作り上げた物量(質量)に圧倒されるという事は滅多にない事で、もうそれだけでもある種の事件じゃないのかと思うのです。そして、その「全景」すら全作品数には遠く及ばないのですから。
僕は「全景」に触れた人と触れなかった人で、その資質に大きな違いがあるようにすら思うのです。良い悪いでも、善悪でも、◯×と言った意味合いではなく・・・でも、それは言い過ぎかもしれませんが・・・。
それにしても現代美術で5万人弱の来館者数って驚異的だな~。僕も、もう一度見に行きたいと考えていたのですが、残念ながらその思いは叶わず。

やっぱ、目の前を信じていいのだな・・・と思う、このクリスマス・イヴです。色々な意味で。


クリスマス・イヴの夕刻

2006-12-24 16:27:15 | インポート

皆様いかがお過ごしでしょうか?
わたくしは、いつものようにターンテーブルにのせた「黒い回転ゴミ」達の美しく力強い音色に包まれ、せっせと仕事をしております。
今年は不思議な事に、例年ならイヴの日に音楽なんぞ探しに来てくれる人は稀で、外のハートフルで心躍るようなムードとは無縁に、1時間に一人お客さんが覗きにくると良いだろうという感じであった、このイヴの日ですが、今年は何故か店に立寄ってくれるお客さんが多く、吾が店内も多少ハートフルなムードに包まれております。嬉しい限りでございます。
クリスマス・イヴよ永久に!笑


街はクリスマス・ムードなのかな?

2006-12-23 18:47:54 | インポート

仙台「光のページェント」も今夜と明日の夜がピークなのでしょうね。あえて見に行った事もありませんが、親子連れから恋人達まで大変な賑わいなのでしょうか?

今日は、年末が近づいているので荷物が4ヶ所から届いてしまい、捌くのに大忙しでなんだか落ち着かない状態で仕事をしております。
その中の一つに入っていた「一柳慧 / ミュージック・フォー・ティンゲリー」が凄い。一昨年くらい前に横尾忠則との共作がCD化されたのに引き続き、このCD化も驚きです。これが制作されたのが60年代という事にも驚かされる。
この辺は現代音楽という事で括られるのでしょうが、その「現代音楽」という物言いは何なのでしょう?その掴みどころのなさが、いまいちリスナーの手を引かせる一因になっているようにも思うのです。いや、でも昨日の話しじゃありませんが、とにかく聞いてみて下さい。
現代絵画でも何でもそうなのでしょうが、相応の数を見ない事には、絵を「感じる」事は出来ないと思うのです。その小林秀雄の本で「好奇心だけでピカソを見てもしょうがない」と書いていました、当時はまだまだピカソの絵画が難解な時代だったのでしょう。それと同じように好奇心を超えたところで作品を見据えないと、日々網膜をやり過ごす通勤風景の中にある、ビルの壁面と何ら変わらなくなってしまうと思うのです。ビルの壁面にどのような滲みがあるかなんて、日々気にも留めないと思うのですが、実はとてつもなく美しい壁面もあったりするのです。音楽も同じ事だろうと思うのです。
なんだか、長くなってしまいそうなので止めておきますが、とにかく聞いてみて下さいって話しでした。聞くと言っても試聴の意味ではありません。笑。試聴も大事なのですが、やっぱ試聴って好奇心の延長にあるものだと思うのです。

どうやら年末のK-1にKIDも出るようだ。楽しみ。

ところで年末年始の営業は以下のようになっています。
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◯年末は30日の午後6時まで営業。
◯初売り/2007年1月2日午前11時から。
◇1月2日から7日までは特別営業時間となります。
 ・1/2は17時までの営業。
 ・1/3は18時までの営業
 ・4日から7日までは19時までの営業となります。
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感じる

2006-12-22 13:40:14 | インポート

昨夜、閉店後に本屋へ。
探している本が見つからなかったのだけれど、小林秀雄の本を発見しパラパラと捲って見るとかなり面白そうだったので購入。まだ読み始めだけれど強力に面白い。そして、今何故に多くの若い子が音楽に興味を示さないのかも理解出来たように思う。ここで言う音楽とはブツ切りで買えるデーターの事でも、ヒット・チャートを賑わす音楽の事でもない。僕も今までメディアやら小売店などを始めとした現場の問題がデカイと思っていたのだけれど、全く違うな~と小林秀雄を読んで思ったのです。もちろん背に腹を変えるシーン全体にも大きな問題はあると思うのだけど、もっともっと実は根深くというか、社会の有り様がもっと大きく関わっているように思うのです。当たり前ですが、別にそんな事が書かれているわけではありません。
まぁ~そんな事も思いながら読み進めているのですがホント面白い。

例えば少々乱暴に書くと、絵でも音楽でも感じ取るのには、それなりの努力が必要だ、そしてとにかく見て、とにかく聞くしかない、みたいな事が書かれているわけです。なんで絵を見るのに努力しなきゃないのよ!って思う人もいるはずです。そんなもの感じれば良いのだろう?と容易く言ってしまうとか・・・でも「感じる能力は、養い育てようとしなければ衰弱してしまう」と書かれていて全く同感で、そして「感じる事など易しい事だと思い込んでしまう」と。
そして「感じる」事と「性質を知る」事も違うと。「物の性質を知ろうとする知識や学問の道は、物の姿を壊す行き方をする」と。
そのような事を例えを持ち出し色々な角度から鮮やかな切り口で書かれているわけです。

というように思わず拳を握りしめるような文章から、自分の視点の間違いを思い知らされるような文章まで、強力に面白い。