黒い回転ゴミ日記

日々のあれこれ。

感じる

2006-12-22 13:40:14 | インポート

昨夜、閉店後に本屋へ。
探している本が見つからなかったのだけれど、小林秀雄の本を発見しパラパラと捲って見るとかなり面白そうだったので購入。まだ読み始めだけれど強力に面白い。そして、今何故に多くの若い子が音楽に興味を示さないのかも理解出来たように思う。ここで言う音楽とはブツ切りで買えるデーターの事でも、ヒット・チャートを賑わす音楽の事でもない。僕も今までメディアやら小売店などを始めとした現場の問題がデカイと思っていたのだけれど、全く違うな~と小林秀雄を読んで思ったのです。もちろん背に腹を変えるシーン全体にも大きな問題はあると思うのだけど、もっともっと実は根深くというか、社会の有り様がもっと大きく関わっているように思うのです。当たり前ですが、別にそんな事が書かれているわけではありません。
まぁ~そんな事も思いながら読み進めているのですがホント面白い。

例えば少々乱暴に書くと、絵でも音楽でも感じ取るのには、それなりの努力が必要だ、そしてとにかく見て、とにかく聞くしかない、みたいな事が書かれているわけです。なんで絵を見るのに努力しなきゃないのよ!って思う人もいるはずです。そんなもの感じれば良いのだろう?と容易く言ってしまうとか・・・でも「感じる能力は、養い育てようとしなければ衰弱してしまう」と書かれていて全く同感で、そして「感じる事など易しい事だと思い込んでしまう」と。
そして「感じる」事と「性質を知る」事も違うと。「物の性質を知ろうとする知識や学問の道は、物の姿を壊す行き方をする」と。
そのような事を例えを持ち出し色々な角度から鮮やかな切り口で書かれているわけです。

というように思わず拳を握りしめるような文章から、自分の視点の間違いを思い知らされるような文章まで、強力に面白い。