しばらく会っていないPさんに、新しいパートナーができたと聞いた。
彼女の前夫は二人とも知っているが、今回のパートナーは女性だという。
それにしても興味深いのは、支持政党により異なる周りの反応である。
Pさんはわたしの知る限りずっと社会民主党畑でキャリアを積んできていて、今は総理府の要職に就いている。いわゆる社民党系である。ところが新しいパートナーも総理府の高級官吏なのだが、所属は国民党だ。
社民党系のpさんの友人連は、パートナーが同性なのには異論はないが、相手の所属党が気にくわない。「どうして社民同士でなく、保守系、ブルジョア党なの?」と、コメントする。
他方、pさんのパートナーの友人連は、所属党の相違は問題なしだが、同性なのが気にくわない。
この違いは、彼らの所属政党のカラーそのものを反映しているのである。社民党の信条は党に忠誠であることと、強い連帯意識である。他方の国民党は、社会規範に沿うことが大切であり、同性同士のカップルはそれに反するものだ。しかし、個人の自主決定権はこの党の中枢的信条であるので、それぞれの支持党がちがっても当然なのである。
ランチの間中、Pさんを知る人たちの間でひとしきりこの話でわいた。これもやはり「個人的なことは、政治的こと」なのである(ブログ3月1日付「独身の女性も人工授精が可能に」を参照してください)。