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統合医療について

2005年05月26日 | Weblog
今日は、日本の統合医療の構築を目指してご活躍中の山本竜隆先生のお話を聞く機会に恵まれた。

統合医療というとすぐに「西洋医学療法と代替医療の組み合わせ」と考えられがちだけれど、それには①保険医療と自由医療②客観的データに基づく治療と、満足度に基づく治療③治療と予防④集団と個…などなど、本当に多角的な面から患者をとらえ、患者をちゃんと一人の人間として扱うという原点に立ち返った医学療法であることを学んだ。

・病室で、患者のプライベートは確保されているか。
・注射器や劇薬とかかれた薬品が患者の目の届くところに置かれていないか。
・癌に関する書籍が、並べられていないか。
上記したような基本的なことすら守られず、電子カルテに記入することに重きを置きすぎて、コンピューターの画面しか見ないで話を聞く医師が多い病院もある。触診すらせず、話をちょっとだけ聞いて、「はい、次の方」と回されてしまう。まさに患者の存在は二の次で、いかに診療時間の効率化を高めていくかが重要視されている典型的な例かもしれない。

私の場合、腹痛を訴え、出血が止まらないという理由で病院に行ったのにも関わらず、「痔ですね」と言われて、その薬のみを出されて返されたことがある。あまりに納得がいかなかったので別の病院に行ったら、すぐに内視鏡の検査をするようにすすめられ、潰瘍性大腸炎であることがわかった。そこから即2ヶ月の緊急入院。下手をすると、大腸ガンにまで発展するところだった。「痔です」という言葉を信じなくてよかったと思ったと同時に、「お腹が痛い」というキーワードを大切にしてくれなかった医師を、今でも許すことができない。

同時に、「潰瘍性大腸炎」=難病指定、ということは、私にとって重くのしかかり、「絶対に治りません」「一生抱える病気ですから」と言われ続けることは、また精神的に負担だった。でも、その一生治らないはずの病気を抱えた私も、ライフスタイルをかえ、自分のマインドをうまくコントロールできるようになってから、その病気の治療薬を一切飲んでいない。それでも先日の健康診断では、炎症反応はゼロだった。さらに、治療薬を飲み続けることによって発生する副作用の危険性もなくなり、一石二鳥。人間の自然治癒力をいかにコントロールするか、というのも、また代替治療の大きなテーマであると聞き、まさにその通りだと身をもって実感している。

そういう経緯もあって、今日の山本先生のお話は非常に興味深く、刺激的だった。
今、日本の医学界も大きく変わろうとしていて、その芽は少しずつ大学の医学部のカリキュラムなどに反映されていると聞いた。患者のことを思い、「統合医療」という形で最善の治療方法が提供される社会が近い将来やってくることを願いつつ、山本先生の今後のご活躍を応援したいと思います。