けれど(Credo)

I:キリシタン信仰と殉教 II:ファチマと現代世界 III:カトリック典礼、グレゴリオ聖歌 IV:「聖と俗」雑感

ファチマ・クルーセイダー

2012年02月24日 | Weblog

ローマ・カトリック聖職者の中への共産主義者の潜入

The Fatima Crusader Issue 33, Summer 1990より

聖家族ベネディクト会、ニュージャージー、ベルリン

ピオ11世教皇はその偉大な回勅無神論的共産主義についての中で、「モスク
ワからキリスト教文明に反対する闘争を指揮している、教会の最も永続的な敵
自身が...教皇制は共産主義の危険に対する公的な注意を、地上における他の
いかなる公的権威よりもより頻繁にそしてより効果的に、呼び起こしたという
ことを証言した」(par. 6)と指摘された。それでもしカトリック教会が共産
主義のそのように効果的な敵対者であるならば、敵対するものの絶滅はマルク
ス・レーニン主義者たちにとって最優先事項であろうことは明らかである。そ
れは滅ぼされなければならない。もし直接的な破壊によってでないならば、そ
のとき潜入と転覆によってである。

何年にもわたって、内部から教会を破壊する目的のために神学校に入りそして
司祭に叙階されるであろう共産主義者たちによる教会の潜入についての噂と報
告があった。われわれはここにこれらの噂の強いそして否定できない確証を提
示する。以下に述べることはモスクワが教会の潜入のための恐ろしいほどに成
功した戦略を命令し、指導し、実行したということを認めている元共産主義者
たち自身からの引用と言い換えである。

フランス共産党の元党員であるアルベール・ヴァッセール(Albert Vassert)
は1955年に、モスクワが、注意深く選ばれたコミュニスト青年党員たちが神学
校に入学し、訓練の後、司祭として叙階を受けるようにという1936年命令を発
したということを明らかにした。これらの者たちのうちの何人かは修道会、特
にドミニコ会に潜入しなければならなかった。(デイトリッヒ・フォン・ヒル
デブラント(Deitrich von Hildebrand)はそのエッセイ「働くサタン」のな
かで、フランスのドミニコ会は彼らの「福音宣教」においてあまりにも共産主
義的となったので、1953年にその修道会はピオ12世の命令によってほとんど
解体を免れなかったと報告した。)

クレムリン、カトリック聖職者の潜入を命じる

アメリカ共産党の元高官であるマニング・ジョンソン氏(Mr. Manning
Johnson)は1953年に非アメリカ活動委員会(the House Unamerican
Activities Commission)に対して以下の証言を行った。「宗教的諸組織の潜
入の戦略がひとたびクレムリンによって設定されたら...共産主義者たちは、
宗教の破壊が教会それ自身の内部で働く共産主義者たちによる教会の潜入を通
じてはるかに急速に進行し得るということを発見した。合衆国における共産党
指導者部はこの国における潜入戦略はアメリカの諸条件およびこの国に特有の
宗教的構造に適合しなければならないであろうということを理解した。最も初
期の段階では、彼らに利用可能であるただ少数の力で共産主義者のスパイを神
学校に集中する必要があると決定された。共産党指導者たちによって引き出さ
れた実際的な結論はこれらの制度が小さな共産党少数派にとって共産主義的諸
目的へと導く道において将来の聖職者たちのイデオロギーに影響を与えること
を可能にするであろうということであった。」

さらに続いて彼の証言において、ジョンソン氏は以下のような動かし難い事実
を指摘した。神学校潜入のこの政策はわれわれ共産主義者の期待をさえ超える
成功であった。。

「もしある団体が1%の共産党と9%の共産党シンパを持つならば、この10
%は個人的な基盤で行為し考える残りの90%を効果的に支配することができ
る。」

ジョンソン氏はさらにこの潜入の目標は二つだったと証言した:

1.カトリック教会を共産主義に対してもはや効果的ではないものとすること

2.聖職者の考えを霊的なことから引き離して世俗的および政治的なことへと
方向づけること...それゆえに、「社会的福音」の説教へと方向づけること。

[編集者注:あなたは、第2ヴァチカン公会議がその全16文書のうちで、た
だ1つの脚注においてだけしか共産主義に言及しなかったということを知って
いたか?公会議の間に、共産主義が明示的な取り扱いを受けるようにと要求す
る454人の枢機卿によって署名された1通の請願書が「不可解なことにどこ
かに置き忘れられた」。第2ヴァチカン公会議以来、教会は今、彼らに反対す
る代わりに、共産主義者たちと「対話している」...マルクス主義者の夢は実
現している!]

アメリカ合衆国において1100人の急進派青年が1930年代に聖職階級に入った

ベッラ・ドッド夫人(Mrs Bella Dodd)は彼女の生涯のほとんどをアメリカ共
産党で過ごした。そしてもし党がホワイト・ハウスを得たときには法務長官に
指名されるべき人物であった。[共産党]離反の後、彼女は、共産党員としての
彼女の仕事の一つは急進派の青年たち(必ずしも党員証を持っている共産主義
者ではない)にカトリックの神学校に入学するようし向けることであったとい
うことを明らかにした。彼女が合衆国において党を去る前に、神学校と修道会
に潜入するよう、ほとんど1000人の急進派の青年たちを彼女自身、励まし
た...そして彼女が唯一の共産党員であった、と言った。

聖家族修道院院長のジョゼフ・ナターレ・ブラザー(Brother Joseph
Natale)は1950年代初期にベッラ・ドッドの講義の一つに出席した。彼はこう
語っている。「私はその女性の話に4時間耳を傾けた。そして彼女は私の髪の
毛を恐ろしさのために逆立てさせた。彼女が言ったすべてのことが文字通り実
現されてきた。あなたは彼女が世界の最も偉大な預言者であると考えるであろ
う。しかし彼女は預言者でも何でもない。彼女はただカトリック教会に対する
共産主義的転覆の段階的闘争計画を暴露しただけである。」

多くの者は今司教である

彼はこう説明する。「彼女は世界諸宗教のすべてのうちで、カトリック教会は
共産主義者たちによって恐れられている唯一の宗教であると言った。なぜな
ら、カトリック教会は共産主義の唯一の効果的な敵であるからである。元共産
党員として話しながら、彼女は「1930年代に、私たちは教会を内部から破壊す
るために司祭階級の中へ1100人の人々を送り込みました」と言った。その考え
は、これらの人々にとって叙階されること、そして次に影響力と権威の階段を
昇ること--大司教や司教になること--であった。そのときのことを振り返って
彼女はこう言った。「まさに今、彼らは最高の地位にいます」と。そして彼ら
は、カトリック教会が共産主義に対してもはや効果的ではないものとなるよう
に変化をもたらすために働いています」と。彼女はまた、変化はそのように徹
底的なものであろうから、「あなたたちはカトリック教会を認めないでしょ
う」とも言った。」(これは第2ヴァチカン公会議のおよそ10年から12年
前のことであったことに注意せよ。)

われわれの信仰を破壊する陰謀

ひとたびこれらの人間が司教となると、彼らの影響は広く広まることができる
であろう。なぜなら、「司教たちは司教たちを産む」からである。そしてこれ
らの代理者たちは彼らの影響力を、必ずしも共産主義者たちに献身してはいな
いが、しかし進歩的そしてリベラルな精神構造を持ち、そして聖職者階級の諸
段階内部で新しい哲学や神学を促進することを当てにすることができる聖職者
を昇進させそして促進するために用いるであろう。ひとたび聖職者が感染させ
られたならば、彼らはこの伝染病を平信徒にうつすであろう。その全体的な考
えは教会の制度を破壊することではなくて、むしろ人々の信仰を破壊すること
であった。そしてもし可能ならば、一つの擬似宗教、カトリシズムに似た、し
かしまったく本物ではない何かあるもの、の促進を通じて信仰を破壊するため
に制度をさえ用いることであった。ひとたび信仰が破壊されたら、次に制度の
徐々の廃止が起こるであろう。

「彼女は、『過去の教会』を、抑圧的、権威主義的である、偏見に満ちてい
る、真理の唯一の所有者であると主張することにおいて傲慢である、そして数
世紀にわたる宗教的諸団体の分裂に責任があるものとしてレッテルを貼るため
に...罪のコンプレックスが教会の中へ導入されるでしょう、と言った。この
ことは教会指導者たちを恥じ入らせて「世界に対して開かれていること」へ、
そして他のすべての諸宗教や諸哲学に対するもっと柔軟な態度へと変わらせる
ために必要であろう、と。共産主義者たちは次に教会を[内から]堀り崩すため
にこの開かれたあり方を活用するであろう。ドッド夫人は実際やって来るはず
であった「エキュメニズム」を述べていたのである。そして今、ファチマの聖
母の重大な警告が来た。ロシアはその誤謬を、教会のまさに懐の中にさえ、広
めたのである。

これは不測の出来事ではなかった

現在の世界的な荒廃と教会内部の信仰の危機は、それゆえに、決して説明不可
能な現象ではない。それは不測の出来事であるにはあまりにも完全でありすぎ
る。偶然に起こるために何事も残されなかった。触れられないままに何事も残
されなかった。それが典礼であれ、カテキズムであれ、神学校であれ、秘蹟で
あれ、あるいは何であろうと他の何であれ、何らかの仕方で、いわゆる第2ヴ
ァチカン公会議の「刷新」以来変えられ、弱められ、転覆され、あるいは取り
除かれなかったカトリシズムのたった一つの局面もない。「一つの敵がこのこ
とをした」...敵どもはファチマの聖母によって警告された共産主義の組織を
通じて働く、ラ・サレットの聖母によって言及された、地獄から解き放たれた
悪魔たちである。われわれは頑固に神に背を向けたので、神は今、われわれが
現代においてそのように進んで抱きしめている彼らの悪と不道徳のまさに悪魔
たちによって厳しく罰せられることをわれわれに許しておられる。われわれが
喜んで聴こうとさえしていれば、ファチマの聖母はわれわれに答を与えられ
た。聖母はこう言われた。「ロシアは世界を、その罪のゆえに罰するために神
によって選ばれた道具となるでしょう...人は神に背くことを止めなければな
りません。」それゆえに、平和、健全さ、秩序そして聖性がわれわれの教会そ
してわれわれの世界に戻ってくるのはただ、罪を棄て、神へと立ち帰り、神の
啓示を学び、自らの信仰を生き、ファチマの聖母の要求を満たすことによって
のみなのである。