田中耕治先生の『教育評価』によれば
『自己評価とは子供たちが自分で自分の人となりや学習の状態を評価し
それによって得た情報によって自分を確認し
今後の学習や行動を調整すること』だそうです
成人学習理論や
教育学における構成主義的な考え方に基づく
非常に大切なポイントです
この『自己評価能力』こそが『メタ認知』とか『(自己)モニタリング』とも言われるもので
今もっとも注目されている能力となります
ある目標を定められた中で
学習(つまり研修)を通じて自分を形成していく
これが求められていることです
一般目標(GIO)や行動目標(SBO)では表現しきれない目標
これを目指して自分で自分を評価しながら
きちんと分析して自分自身を成長させていく
これが重要です
Harden先生は書籍『医学教育の理論と実践』の中で
卒後臨床研修というのをこのように記載しています
『卒後臨床研修は教育・臨床への暴露・そして経験の場である。
この臨床研修によって、専門家、科学的根拠に基づく診療、
そして卓越した人間としての医師への成長が促される。』
つまり
卒後臨床研修というのは実際の臨床現場であり
同時にその研修の成功が大きく一人の医師の成長に関わる大切な教育現場となりうると
述べています
さらに
『臨床研修の究極の課題は、研修医たちが、そのおかれた状況や環境の中で、
日々着実に進歩しつつ、適切な臨床の暴露を受けつつ、
その中で(これまでの自分の経験していない現実にぶつかって)葛藤し、
自分で(既に知っている事実と未だ知らなかったことの)調整を行いながら、
経験を積んでいくことであり、それが貴重な体験となり、
今後の高い水準の患者ケアを行うに足る臨床専門能力の獲得につながるっている必要がある。
でなければ、その臨床研修は意味がないのである。』
と記載しています
まさに臨床医としてのボクのこれまでは
既知と未知との葛藤の日々
指導医もそれぞれいろんなパターンがあって
その都度指導医合わせて自己調整を行ってきた
そして自分で工夫して手術手技を覚えてきたわけで
ここに書かれている内容は非常にふかいい話なわけです
さらに臨床研修のもう一つの課題も言及されています
『研修医自身が今後指導医となって、次の世代の研修医や医学生の教育に参画できるようになることである。』
『そのためにも臨床的・実践的なスキルの修得においても成人学習理論に基づき、
きちんと計画された教育的手法のトレーニングが必要不可欠となる。』
これまたとても大切なポイントだと思います
いつまでもある特定の医学教育にヒトよりちょっと興味を持っている指導医がいるから
今の研修がうまくいっているんだって状況は好ましくないのです
その指導医がずっと大学にいるとは限らないのです
研修医一人ひとりの自己評価能力の向上
まさに切望している今日この頃です
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