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ものづくり・工場改善 1年12冊 2月 「見える化でわかるムダつぶしコストダウン」 田村孝文・大塚泰雄

2015年10月22日 | ものづくり・工場改善 1年12冊

(2012年1月30日発行)(次回2月6日予定)

今回は、ものづくり・工場改善の11回目になります。
この本は、書店で本を物色していて見つけました。なかなか良いなと感じて購入をしました。著者の一人の田村先生はIEの専門家のようです。その著作も持っています。そのため、「IE」の視点からみた「見える化」の本になっています。特に、IEの視点で見たモノづくり最適化の原則が記載されており、役に立つと思います。興味のある方は、本の購入などをご検討ください。

年間12冊の中の2月の一冊です。

タイトル:見える化でわかる ムダつぶしコストダウン

著者:田村孝文(日本能率協会コンサルタント。IEをベースに生産性向上、品質改善、原価低減、生産管理改善などを指導。)  大塚泰雄(大手工作機械メーカに11年勤務。現在、(株)MEマネジメントサービス取締役。マネジメントコンサルタント。)

出版社:日刊工業新聞社

ここが読みどころ:
 「はじめに」の部分では、著者の経験から、巨大資本で設備投資をする中国などの新興国に対し、日本的なモノ作りを極めてモノ作り国家として存続をしてほしいとの強い希望が書かれています。
 第3章のモノづくりの原則を適用する-モノづくり最適化の原則とは-に、製造方式を設計・改善していく際の多数の原則が分類されて記載されています。
■工程のつなぎ方の5原則
■人と設備のつなぎ方の5原則
■設備と設備のつなぎ方の5原則
全ての原則を記載すると大変長くなるので、私が気付きがあった原則を記載しておきます。これらは、実際に読んでいただくとなるほどと納得いただけると思います。
○量的分業を優先する
○人をネックにする
○ばらつきダン緩衝の原則
○ロットを変えない

内容:
 まず、17pに「見える化」のレベルが5段階で記載されています。参考になると思います。
 「見える化」の方法は、標準原価管理を用いて行います。117p。材料費、労務費、製造経費別に消費量差異(製造責任で発生)と価格差異(管理責任で発生)を明確にすることで「見える化」を実現させます。
 また、122pでは、見えるロスよりも、見えないロスのほうがコストダウン余地は大きいことが多いことが強調されています。見えないロスの事例が6つ記載されています。

余談:
 110pに、南極第1次越冬隊の西堀越冬隊長のことが書かれています。最近のTV番組で南極大陸が放映されましたが、大切なことは、まず越冬したことが無い中で越冬するという大目標を決める。大目標を決めた後に、越冬をするためには何をするべきかというアプローチを行うことです。とにかく、大目標を決め、その大目標を達成するための手段を徹底的に研究し、それを実現するための一番良い方法は何かを考えることです。状況分析的なアプローチからは、大きなブレークスルーは生まれない。

目次:
 第1章 モノづくりの現場のロスとは
 第2章 ロスのないモノつくりとは
 第3章 モノづくりの原則を適用する
 第4章 モノづくりで設備の特性を活かす
 第5章 標準原価管理により、現場のロスがお金で見えるようにする
 第6章 現場の材料費のロスをつぶしてコストダウン
 第7章 現場の労務費のロスをつぶしてコストダウン
 第8章 現場の製造経費のロスをつぶしてコストダウン

ページ数:205p

価格:2400円

外観
 

                                                 井上三右衛門

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