カビには植物に病気をもたらすものがあります。うどん粉病とか有名ですね。
他には灰色カビ病とか、萎凋病とか多種多様なものあります。
カビが植物に病気をもたらすということは、カビが植物の体を栄養にして、成長の場にしているということです。
成長の場にしている、ということは、植物の葉や茎に入り込んでいることになります。
単に葉の表面で成長しているわけではなく、葉を構成している細胞の中に入り込んで、細胞の中身を栄養源にする必要があります。
植物の細胞には動物細胞とは違い、細胞壁という硬い膜があります。細胞壁は細胞膜と違い、頑丈で、容易には破れない構造になっています。
しかしカビは細胞壁の向こうにある細胞の中身が必要。
その壁を破らなくてはいけません。
カビは筋力を使って強い衝撃を与えることはできません。
さて、それならどうやって細胞壁を破っているのか?
答えは、水の力です。
カビは細胞壁を破るとき、自分の細胞の中にある水分をいっぱいに集めて、細胞壁を破ろうとする
んです。
水を片一方に集めて、自分の体を膨らますようにして圧力をかけていきます。
珍しく図を描いてみました。矢印が圧力のかかる方向です。
①準備 ②水を集めて自分を膨らます "> ③圧力に頼って破りました
こういうシステムがあるというのはカビにとっては必要不可欠なことなのでしょうが、その仕組みというのはなんとも感心させられるものです。