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バイオ・微生物実験好きな管理人による、研究仕事、日常、実験技術や理科系ネタのブログ

菌とインフルエンザウイルスの共通点とは

2005-01-05 23:19:46 | 様々な微生物

一種の菌とインフルエンザウイルスにはある共通点があります。
それは、細胞に乗っかるときの機構です。

その機構の主役は、レクチンというタンパク質です。

レクチンとは、特定の糖を見分けてくっつくという性質を持ちます。
一種の菌やインフルエンザウイルスは、このレクチンを表面にアンテナのようにして張り巡らせています。
一方、動物の細胞の表面には糖が付いています。
あまり予想できないことかもしれませんが、細胞には糖が連なった糖鎖がフサフサと生えたようになっています。
レクチンはこの糖鎖のなかでくっつくことのできるものを見分け、くっつきます。

レクチンには色々な種類があって、AレクチンはA糖を、BレクチンはB糖を見分けるという性質があるのですが、ここでインフルエンザウイルスの種類を考えて見ましょう。

インフルエンザウイルスには、
ヒトに感染するウイルス、鳥に感染するウイルスなど種類があります。
なぜ感染する対象が違っているのか、といえば、正体はレクチンです。
ヒトインフルエンザウイルス、鳥インフルエンザウイルスは、それぞれヒト細胞の糖、鳥細胞の糖を見分けることができるんです。

すごーい。
↑私がこの事実を知ったときの感想

こういう現象が起きているとわかった時って、すごく生命活動の神秘を感じますよね。
生物って面白い。

そう思っていただきたいなーという気持ちもあってこのブログを書いています。
社会人、大学生はもとより、中学生とか高校生の方にも興味を持っていただけたら凄く嬉しいです。