音の四季~風の彩

作曲家、しの笛・龍笛奏者、ジャズピアニスト、城山如水の徒然日記。
オカリナ、フルートの事も・・・・

ただ一人の聴衆

2009年11月12日 | しの笛

演奏会をすませて、たくさんの人達に聞いて頂いて、喜んでいただくのは、音楽をする者にとっては、何物にも代え難い喜びだ。

しかし、それは聴衆の多少とは関係が無い。

心の底からの感動を伝えられたか・・・この一点だけだ。

心が打ち震えるような感動を伝えられたか・・・それだけだ。

何十人、何百人の方に聞いていただいても、感動の無い演奏は、少なくとも、自分には価値がない。

心に響かなくては、演奏する価値もない。

「心の底から感動しました、静かな深い感動でした、ありがとうございました」と直接に言って頂いた時は、ほんとに良かったな~と思う。

音楽や演奏は、技術だけではない、大切なのは「心」だ。

聴衆の心を響かせ、揺り動かすには、自身の心が振動していなくてはならない。

音鎖が共鳴するのは、自身が振動し響いているからだ。

しの笛の演奏会では、ハンカチで目頭を押さえて聞いて下さる方がいる。

そんな時、心が伝わったのだと、実感する。

楽しい音楽は元気が出て素晴らしい。

しかし、静かな感動はいつまでも心に残る。

涙がとめどなく溢れた演奏は生涯、心に残る。

何十人、何百人の聴衆に聞いていただくことは嬉しい、しかし、もっともっと嬉しいのは、演奏に涙を流して下さった、たった一人の聴衆だ。

深く心に響く演奏・・・心こそ大切なれ。


播州城山流 城山如水しの笛指南所

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