相場博士(ファンドマネージャーのテクニカル分析)

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豪ドル・円テクニカル分析(11月25日)

2009-11-25 23:58:56 | 豪ドル・円テクニカル分析
豪ドル・円テクニカル分析

11月24日 NY市場終値81.34(‐0.85) 
11月25日 東京市場気配17時 81.93(+0.74)  安値81.32 高値81.96

豪ドル円NY市場は反落、東京時間に反発も82円に届かず。上下のトリガーポイントは82.20以上と81.19以下。上下の目標値は、上値目標値83.80、84.40、下値目標値は79.80、78.60、77.40、76.40.
P&Fチャートの形状は83.64~83.05をコアレンジとした保ち合いが継続していたが、上値を抑えられながらレンジ下限の81円割れを試す可能性が増大。他のテクニカル指標でも豪ドル円下落を示唆。また、豪ドル・ドルも下落トレンド入りの可能性を示唆。グローバルな株式相場、商品市況などリスク資産が調整局面を迎えれば、リスク回避から豪ドル円の下落リスクは増大。ドル安環境下で豪ドル・ドルが上昇してもドル円の87円台突入で豪ドル円の上値余地は限定的。

豪ドル円相場における大局的な流れである相場の森を見ると、2007年10月31日107.87の高値を示現後、主に100円から90円を主要な価格帯として一進一退を続けたあと、2008年7月23日に104.50まで上昇したが、107.87を手前に失速。リーマンショックによるグローバルな株式相場暴落、リスク回避的やレパトリなどのドル買い戻し、円買い戻しなどから2008年10月24日には55.13まで大幅な暴落を見せた。しかし、1994年にも59円台を示現していることもあり、60円を下回る豪ドル円の値頃感もあったことや各国政府の財政・金融政策を総動員した景気対策により、株式相場、商品市況などが底入れし、反転上昇を見せる中、リスク選好となり、豪ドル円も60円前後で下値固めをしたあとは豪ドルの上昇トレンドが継続する形となった。今年10月23日にはザラ場で85.32、NY市場終値では84.92まで大きく反発する展開となった。
相場の木を見ると、豪ドル円相場は10月8日にNY市場終値で80.10に上昇後は相場上昇が加速。P&Fチャート上では10月23日の84.92まで垂直的に相場上昇した。P&Fチャートの形状は悪くない。豪ドル急伸後に右肩下がりのチャネル(上値:10月23日84.92、29日83.64、下値:10月28日81.42、10月30日81.05)を形成しており、経験則では再度上値を試す可能性が残る形状となっていた。9日のNY市場は83.60で引けており、買いシグナルが点灯する83.80の目前まで相場が戻す展開となっていた。その後10日83.55、11日83.59、12日83.46、13日83.64と推移したが、16日は83.43となり、17日は83.06に続落。NY市場終値で83.20を下回り、83.19以下で引けない限りは豪ドル円の上値を試すバイアスは継続する展開をコメントしていたが、17日の83.06の引けにより、豪ドル円の上値を試す展開は一旦休憩となった。そして18日の終値は83.01と3日続落。その後、19日は81.72、20日は81.29と5日続落後、23日は82.19に反発。しかし、24日のNY市場終値は81.34と反落。25日の東京市場では買い戻しが入ったが、82円台には届かず、上値の重さが確認される格好となった。本日25日の東京市場17時の気配値81.93となった。
今後の展開として、相場が反発し、82.20以上で引ける場合は上値目標値として83.80、84.40を計測している。
一方、相場の下値が拡大して81.29を下回り、81.19以下で引ける場合は下値目標値として79.80、78.60、77.40、76.40を計測している。
現状の相場のセンチメントだと81円割れを示現する可能性が高く、相場は下値のトリガーポイントを試しに行っている状態と考えられる。
ドル安基調がこれまでのドル安→クロス円上昇→ドル円上昇というパターンになれば、豪ドル円も戻りを試す可能性が考えられるものの、ドル安→ドル円も下落→クロス円伸び悩みから下落というパターンになるリスクが考えられるとコメントした。本日は東京市場引け後にドル円が87円台に下落しており、豪ドル・ドルが上昇しても、豪ドル円の上値は限定的と考えられる。むしろ今後、グローバルな株式相場、商品市況などリスク資産が調整局面を迎えれば、リスク回避から豪ドル円の下落リスクは増大する。その際の下値のトリガーポイントは81.19であり、81円割れは大幅な豪ドル下落の可能性が高いとみている。
25日の東京市場引け後17時の気配値から算出した終値ベースでのボリンジャーバンドの中心値は82.56近辺。上下の2σはそれぞれ84.36と80.76近辺となっている。MACDはマイナス領域(豪ドル売り)を拡大・継続。RSIは47.49、パラボリック・システムは19日から円買い/豪ドル売りシグナルに転換し、本日も継続している。

相場の木: 短期トリガーポイントと目標値
上値:NY終値で82.19を上回り、82.20以上で引けると→:上値目標値83.80、84.40
下値:NY終値で81.29を下回り、81.19以下で引けると→:下値目標値79.80、78.60、77.40、76.40