Sky from a jewelry studio---

どんな時間を生きていても、誰の上にも広がるそら。

顔のない客

2005-02-13 03:57:59 | jewelry

クロスのペンダントトップを送ったお客さんから届いたとの報告がありました。
「写真(前に郵送したサンプル写真)より実物のほうがずっとかっこよくて嬉しい、ありがとうございました~!」との言葉。私もとても嬉しく、本当にホッとしました。なぜここまでドキドキしていたのか。もちろん(私にとっては)高額なお仕事やったというのもありますが、お客さんの顔を知らない、というのが一番の理由だったかも。
この方は、友人の、友人の妹さんで、北海道在住なのですが、関西に帰省していたときに前に私が贈った出産お祝いを見てオーダーしてくれることになったのです。しかし、とんぼ返りで北海道に帰らねばならず、結局一度も会えないまま、電話とだんな様のお店のファックスのみでやりとりしなければなりませんでした(先方にネット環境がなかったので)。
知らない人に電話をするのが大の苦手な私。最初はかなり緊張してました。メールで済ませられるものなら済ませたいと思ってました。なんとか打合せがまとまり、一度サンプル写真と、デザイン画を郵送してオッケーをもらってからしばらくはあまりやりとりがなかったのですが、仕上がり直前にバチカンの変更があったので、手持ちのチェーンの形状をファックスで送ってもらったり、最後に何度もやりとりをしたことで、おこがましいかもしれませんが、少し打ち解けられたような気がしました。彼女ののんびりとしたかわいらしい声と大阪弁も一役買っていたかも知れません。
で、モノが出来上がって、発送の連絡を電話したときに、「matusさんは、チョコレート、お好きですか?」と聞かれ、「大好きです♪」と何の気なしに答えたら、「こんなにお世話になったので、贈らせてください」とのこと。
なんか、じーんとしました。
私が彼女の顔を知らないということは、彼女も私の顔を知らないということ。ネットでいくらかの情報を出してはいるけれど彼女はそれも見ていないのです。商品が本当に届くかどうかさえ、本来なら疑われてもしょうがないのです。
最初は大儀だった電話連絡でしたが、メールだけのやり取りだったら、こうなっていたかどうかはわかりません。
ほんとにメールは相手の都合とか考えずに送れるし、画像も送れるし、とても便利で有効な連絡ツールだと思いますが、電話や直筆の手紙などのよさも見直した一件でした。

「今、全員でペンダントつけてます。また写メールあったら送りたいんですけど・・」と聞かれました。
そっか、携帯メールという手もあったか(今頃気づいた)。やっと彼女の顔を見ることができそうです。

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2 コメント

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私はいつも顔のない客の方 (yamato)
2005-02-17 22:56:26
久しぶりの書き込みです。

私はお気に入りのネットショップで時々買い物をするけれど、そうか、顔を知らない相手の物を作るって緊張するのね。

私は彼女のhpを見たり、メールでのやりとりで人となりを分かっている気がしていたけれど、彼女にしてみたら最初はmatusみたいな気持ちだったかもね。そう思うとちょっと嬉しい気持ちがしました。うまく言えないけど。

でも、顔を知らない相手から、自分の好み(それ以上)のものが送られてくるって、すごい冒険だけれど、とても楽しいものですよ。
片想い状態 (matus)
2005-02-18 01:11:24
うん。まさしく冒険だよね。

まだ、メールとか、サイトを見られる環境ならいざ知らず、本当に今回は電話と手紙だけだったのです。私は彼女の最初に送ってきたファックスの文章と、電話の声で彼女の人となりを分析したつもりやったけど、それも今となってはよく分かりません。

作る側としては、そういう冒険を楽しい、と思ってくれるととても嬉しいと思います。

でも、考えてみれば、ほんの5年前くらいまでは、メールがやっと普及し始めたくらいで、自分のサイトを持っている人も今よりずいぶん少なかったと思うから、それが普通やったんやなあと、改めて思いなおしたり。本当に今は便利な世の中になったんやなあと思う。



でも逆にサイトがなかったら、顔を知らない人からのコンタクトも、今よりずっと少ないだろうしね。



自分が作ったものを、人にあげて、もしくは売って、相手に喜ばれると本当に嬉しいし、ホッとする。送る直前はどきどきで、これを片想いの相手に何かを贈るもしくは告白するときのことを思い出していただければとてもわかりやすいと思うのだけれど、どうでしょう?



なんにせよ、自分が今ある技術の限りを尽くして作ったものなら、渡して、喜んでもらえた時この上なく嬉しい。これは、モノを作っている人なら誰でも思うことやと思うよ。